【at’LAV by Belle小林裕司が伝授】クセ毛風アンニュイパーマ

今、業界誌でも取り上げられるほど注目を集めている『ロシパーマ』をご存知ですか? at’LAV by Belle店長の小林裕司さんが提案するこのパーマは、起き抜けでも自然とおしゃれに決まる髪のランダムな動きとアンニュイな雰囲気が特徴のクセ毛風パーマ。ねじって巻く独自の方法でエッジを効かせず、よれたようなカールに。かけたてはもちろん、落ちていく過程も楽しめるのが魅力です。今回はそんな独自のパーマ術を小林さんが伝授してくれました。

小林さん流「クセ毛風アンニュイパーマ」とは?

まずは通常の巻き方と小林さん独自の巻き方を平巻きで比較。
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通常の平巻きだと毛先のみに緩いL状のカールができる。髪がまとまって重なりやすくなるので、自然な動きが出にくくなる。

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一方、小林流は根元から動きがあり、毛先に緩いJカールができる。髪1本1本にランダムな動きが出て毛先がくるんと上を向かないので自然に無造作感が出る。

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通常は毛束をオンベースで長方形になるように取り、毛先から巻き込む。これだと毛先だけにしっかりカールがつき、根元に動きを出すのは難しい。

 

小林流は毛束を正方形になるように取る。そして毛束の根元〜中間をねじり、毛先を逃して巻いていく。長方形で取ってねじると横の毛が引っ張られていびつな動きになってしまうので毛束は正方形に。また、毛先までねじると動きが出過ぎてカジュアルになってしまうので毛先は敢えてねじらない。これで根元からよれたような自然な動きが出て、クセ毛のようなアンニュイなランダムカールに。

CUT

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カットは、バックにグラデーションを入れ、前髪〜サイドは目の下と耳をつなぐようにカット。顔まわりの表面にはハイレイヤーを入れ、根元から全体にはセニングを入れて毛量を調整。 

HOW TO

ここからは全体の巻き方を解説。ねじり方や巻き方を骨格に合わせて変化させるなど、参考にしたいテクニックが満載。

プロセス1

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つむじを根元〜中間のみ2.5回転ねじり、毛先をやや逃して19ミリで巻く。つむじより前はフォワードに巻いていく。

プロセス2

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顔まわりは膨らまないようにダウンステムで引き出し、根元〜中間をフォワードに2.5回転ねじってから毛先を前方に逃がして巻く。

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トップには17ミリと19ミリのロッドを使用。つむじ周辺はオンベースに、顔まわりはダウンステムで巻いて動きにメリハリを出す。顔まわりは毛束を細かく取って巻き、ウェーブが散るようにするのがポイント。

プロセス3

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ここからハチまわりのミドルセクション。根元〜中間を2.5回転フォワードにねじり、毛先をやや前方に逃がして19ミリで逆巻きにしてメリハリを出す。それ以降は17ミリで坂巻きに。

プロセス4

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アンダーはピンパーマ。1.5センチ角の毛束を取り、根元〜中間を2.5回転ねじり、フォワードに1回転巻き込む。その後ろは同じようにねじった後、リバースに1回転巻き込み。同様にして頭一周をフォワードとリバース交互に巻いてランダムな動きを出す。

プロセス5

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つむじから後ろは19、17ミリでリバースに巻いていく。サイドは13ミリで坂巻きに。

プロセス6

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バックアンダーも4と同様にフォワードとリバース交互に巻いていく。

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薬剤は、チオ配合のシステアミン系のカーリング料を使用。1液5分、クリープ6分、自然放置8分、2液10分。

AFTER

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スタイリング方法

プロセス1

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ムースを手に取って軽くのばし、髪に優しく叩くようにムースをつける。つけるのは中間〜毛先、揉み込むようにしてつける。

プロセス2

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ワックスは髪の中間だけに。いかにもスタイリングした感を避けたいので、毛先には敢えてワックスをつけないのがポイント。

プロセス3

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指を立てて地肌をこするにして髪をほぐす。こうすることで髪のまとまりを自然になくし、スタイリング剤のつけたて感をキープすることができる。

プロセス4

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毛束を少量取り、揺らしながら髪をを少量ずつハラハラと落とす。これで作り込んだ感のないラフな仕上がりに。

at’LAV by Belle 店長・小林裕司さんにインタビュー

-パーマで独自の技術を生み出すきっかけって何だったんでしょうか。

このパーマができる前、僕のお客様のほとんどはパーマをしていなくて、どちらかというとカラーの方が多かったんですね。でもカラーは家でもできるし、他のアプローチを探していたんです。美容室でしかできないカラーを探したりもしたんですけど、よく考えたらパーマはセルフでできないぞっていうことに気づいて。それがきっかけになりました。

-小林さんのパーマへのこだわりを教えてください。

質感を重視した自然な仕上がりでパーマっぽく見せないことです。薬を反応させえる度合いで質感が変わるんですけど、しっかり反応させるとどうしても化学的な質感になってしまって自然な動きにならないんですね。これ、2年半ほど研究したんですけど、置く時間を短くして強さを弱めに設定しています。その代わり、定着させる時間は長めにします。パーマって一回水で流した後に定着液をつけるのですが、水で流しただけでは反応は止まらないんですよ。定着液をつけるまでのわずかに残っている反応を使ってパーマの最後を仕上げています。その間にケラチンを足して髪の質感を変えるなどの中間処理もここで。試行錯誤を繰り返して生み出した今、僕のお客様のほとんどがパーマをかけるようになりました。まだまだパーマに抵抗のある方がたくさんいらっしゃるので、そのハードルを下げられるように頑張っていきたいです。

取材・文/黒川香菜子(レ・キャトル)
撮影/奥村亮介(スタジオバンバン)
ヘア/小林裕司(◆ at’LAV ◆ by Belle)
モデル/畠中ショーン

モデル着用のベスト/TUNAGI JAPAN(TUNAGI JAPAN/03-6427-0717)、その他/スタイリスト私物

Profile

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at’LAV by Belle 店長・小林裕司さん

1981年生まれ。大阪ベルェベル美容専門学校を卒業後、2店舗を経て2009年に「at’LAV」(現「at’LAV by Belle」)に入社し、現在は店長を務める。客層はメンズ8割と、メンズ客からの支持が厚い。ねじりを加えて巻く“ロシパーマ”はインスタグラムのハッシュタグから人気に火がつき、今やパーマをメインに来店する人も多い。

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Salon Data

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◆ at’LAV ◆ by Belle(アット ラブ バイ ベル)

住所:東京都渋谷区神宮前3-28-3
JR山手線原宿駅竹下口より徒歩9分、千代田線明治神宮前駅より徒歩6分
電話:03-6432-9103
営業時間:火~金/12:00〜21:00、土/10:00~20:00、日・祝/10:00~19:00
定休日:月曜日
https://atlavbybelle.amebaownd.com/

インスタグラム:https://www.instagram.com/ro4_atlav

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