美容師の離職率は高い? 資格を活かせる転職先と自分に合うサロンを選ぶ方法を紹介
美容師は人気の職業ですが、夢と現実のギャップからやめてしまう人も多く、離職率の高い職業のひとつと言えます。就職先を選ぶ際は、できるだけ長く勤められるサロンをみつけるために、自分に合うサロンを選ぶ方法を知っておくことが大切です。
今回は、美容師が転職したくなる理由、資格やスキルを活かせるおすすめの転職先、、サロンを選ぶときのポイントを紹介します。
美容師の離職率は高い?
美容師の離職率は非常に高いと言われています。辞めてしまう理由は給料の安さや労働時間の長さ、長時間の立ち仕事による体調不良や人間関係など様々です。
厚生労働省の「令和4年雇用動向調査結果の概況」によると、美容師を含む「生活関連サービス業・娯楽業」の離職率は18.7%でした。産業全体の離職率は15.0%であるため、美容師の離職率は一般的な業種よりも高めだと言えます。
ただし、美容師のみのデータではないので、あくまでも参考程度にとどめておきましょう。
また、厚生労働省の「美容師制度の概要について」という資料によると、2019年での免許登録者数が累計で約135万人、従業美容師数は約54万2,000人でした。2019年から2022年に至るまで毎年1,700人以上の新規登録者がいますが、同時に離職や休職をする人もいることから、実際に美容師として働いている人は、免許保有者と比べて少ないことがわかります。
ただし、病気やケガ、育児や出産などの事情で休業中、あるいは退職した方なども含まれていることも考えられます。美容師として働いていなからといって、必ずしも不満を持って辞めたとは限りません。
引用元
美容師が離職する5つの理由
美容のことに関して興味があり、美容学校を卒業して資格を取得したのにも関わらず、どうして辞めることになってしまうのでしょうか。美容師が離職する理由について詳しく見ていきましょう。
1. 労働時間が長い
サロンの考え方や方針にもよりますが、一般的に美容師の労働時間はとても長く、一日14時間以上サロンにいるという人も少なくありません。
お昼休憩を使ってランチをする時間もほとんどなく、サロンの外に食べに行くことはできないので、コンビニのパンやお弁当をつまむ程度という人も多いようです。
美容師は思っている以上に、お客様の髪を切る以外の仕事がたくさんあります。掃除や準備、事務作業やその他雑用、お店の会議など、毎日やることが山ほどあります。
カットやパーマのトレーニングなども、就業時間が終わったあとにすることになるため、拘束時間はとても長く、プライベートの時間が取りにくいのが現実です。
2. 給料が安い
厚生労働省による「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、理容・美容師の平均月給は27万7,600円で年収にすると約340万円です。サロンによって幅があり、場合によっては月40万円ほどまで上がる可能性はあります。
一方、国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、一般労働者全体の年収は、458万円。美容師の給料は比較的安いことがわかります。ただし、理容・美容師の平均年収は、理容師も含む金額です。あくまでも参考程度にとどめておきましょう。
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3. 接客がうまくできない
美容師は施術中にトークでお客様を楽しませるというのも大切な仕事です。しかし、それがとても苦手という人も意外にたくさんいます。
美容師は、一日中お客様と接しているため、仕事中は常に気を遣わないといけないお仕事です。一日中愛想よくしているというのは、想像以上にストレスを感じるかもしれません。
また、お客様にも様々なタイプがいます。いつも来てくれる仲の良い常連のお客様ばかりではなく、なかには気難しいお客様もいるでしょう。
そのため、元々人と接するのが苦手という人でなくても、毎日の接客に疲れてしまい、離職してしまうという人も少なからずいるようです。
4. 体力的にキツい
美容師は、基本的に一日中立ちっぱなしで作業を行います。その上労働時間も長く、シャンプーやカットなど、腰を曲げたりかがんだりしながらの作業も多いため、腰痛持ちが非常に多く、脚がむくんだりもするようです。
また、長時間ハサミを使っているため腱鞘炎になってしまったりシャンプーやカラー剤などにより深刻な手荒れになってしまったりすることもあります。
美容師は、常に最先端のスタイリングを勉強し、自分のスキルを向上させていかなければならないため、長時間働いたあとに、お店に残って個人練習をすることも。そのため、就寝時間はどうしても遅い時間になってしまうようです。
さらに美容師は休みが非常に少なく、少ない休みの日すらも講習会や撮影会、モデルハントなど様々な仕事があり、なかなかゆっくりと休める日がありません。
5. 福利厚生に不満がある
賞与や手当てが少ないサロンや、社会保険すらないサロンも見られます。このようなサロンは、福利厚生が充実しているとはいえません。
厚生労働省による「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、理容・美容師の平均賞与額は6万2,300~43万2,300円です。サロンによっては10万円にも届かない場合があり、給与だけでなく賞与も少ないとなれば、転職したくなる人も出てきます。
ただし、上記の金額は、理容師も含む金額です。あくまでも参考程度にとどめておきましょう。
引用元
美容師を辞めてしまう前に|資格を活かす4つの道
美容師は、体力的にも厳しく、労働環境もあまりよくないところもあるため、辞めてしまう人が少なくないのが現状です。今、働いているサロンの退職を考えたときには、そのサロンを辞めて別の方法で美容師を続けるのか、美容師自体を辞めるのかもしっかりと考えましょう。
ここでは、美容師の経験や資格を活かして働く方法を紹介します。
1. 条件の良いサロンへ移る
条件のよいサロンとは、美容師が働きやすい環境が整っているサロンのことです。資格を活かすチャンスに恵まれ、成果も給与に反映されやすく、モチベーションを維持しやすいといったメリットがあります。そのため、離職せずに長く働けるでしょう。
条件のよいサロンを選ぶポイントについては、次項で詳しく説明します。
2. 派遣美容師になる
派遣美容師とは、派遣会社に登録をして、派遣会社が紹介するサロンで働く美容師のこと。勤務地・仕事内容だけでなく、休日や残業の有無など、自分の条件に合ったサロンを見つけやすいのが特徴です。
サロンによって社員登用制度もあり、そのまま正社員として働けることもメリットの一つ。
派遣美容師については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
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美容師も派遣で働ける時代! 派遣美容師のメリット・デメリット、便利なアプリを紹介|自分スタイルを大切に
3. 独立する
美容師は、サロンに雇われるだけでなく、独立してサロンを開業したり業務委託や面貸しなどを活用して、フリーランスとして働いたりすることも可能です。固定収入を得にくいというリスクはありますが、ビジネスがうまくいけば、それだけ収入が増えることもメリットです。
独立開業については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
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美容師として独立するベストなタイミングは?開業にかかる費用相場や独立に必要なことを詳しく解説!
4. 美容師免許を活かせる転職をする
美容師の仕事自体がつらい人は、美容師免許を活かせる仕事に転職する方法もあります。
たとえば、まつエクやまつげパーマの施術を行うアイリストや、ヘアメイクを専門とするヘアメイクアップアーティスト、頭皮のマッサージ施術を行なうヘッドスパニストなどです。美容師免許があれば就職先の選択肢が増えたり、お客様からの信頼も得やすくなったりするでしょう。
なお、「アイリスト」という言葉は有限会社ローヤル化研の商標となっており、アイリストと名乗って業務を行なうことはできないので注意しましょう。
美容師は業務独占資格なので、美容師免許保有者しかできない仕事があります。また美容に関する専門知識や技術を持っているため、独占業務だけでなくその他の美容系の仕事に活かすことも可能です。次項では美容師のスキルを活かせる職種について詳しく解説しましょう。
なお、美容師免許を活かせる転職については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
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美容師免許がないとできないこと・なくてもできること|美容師免許を活かせる仕事と求人の探し方
美容師のスキルを活かせるおすすめの職種とは?
美容師の資格を活かしてできる仕事や、美容の専門知識を活かして働ける職種について紹介します。特に資格がなくてもできる仕事もあるので、美容師以外の仕事に興味がある方は転職の際に参考にしてください。
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1. アイリスト
アイリストはまつエクやまつ毛パーマなどの施術を行う仕事で、美容師の独占業務のひとつです。美容師免許を持っている人しかできないため、アイラッシュサロンでは慢性的な人手不足が叫ばれており、転職成功の確率は高いといえるでしょう。
美容室で提供されていることも多いメニューですが、専門のサロンも多く、トータルビューティーサロンなどでも提供されます。まつエクやまつ毛パーマ、アイブロウなどの技術は美容室以外でも重宝されるため、美容師の免許に箔をつけることも可能です。
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2. ネイリスト
ネイリストは、お客様の爪のケアをしたり、ポリッシュネイル・ジェルネイルなどを施したりする仕事です。カウンセリングで希望や悩みを聞き出し、適切な施術の提案をしたり要望をくみ取った施術をしたりするため、美容師の仕事とも共通点が多いでしょう。
また流行り廃りの移り変わりが早く、流行の技法やデザインをいち早く取り入れる感度の高さも問われるため、美容師として身につけたスキルが役立ちます。
ネイリストもトータルビューティーサロンやブライダルサロンなどで活かすことができ、美容師免許とかけ合わせることで、重宝されるスキルです。
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3. エステティシャン
エステティシャンは、フェイシャルやボディ・脱毛といった美容の施術を行う専門職です。一見、美容師の仕事とは美容という以外に共通点がないと思われるかもしれませんが、「美しく整える」対象が、髪から肌やボディに変わるだけともいえます。
美容師免許の筆記試験では、人体の構造や皮膚科学などに関する内容も出題されるため、お客様に施術をしたりアドバイスをしたりする基礎的な知識は、充分に持っているはずです。
エステサロンは、特化した施術のみを専門的に行うところも多いため、どんな施術が得意か、どんなサービスを提供したいかなどから選ぶのもいいでしょう。またトータルビューティーサロンでは、美容師の施術だけでなく、エステの施術をすることもできます。
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4. セラピスト
セラピストと一口にいっても、医療系や心理系、美容系などいくつかの種類があります。ここでは資格がなくてもなることができる、美容系のセラピストについて紹介しましょう。
美容系のセラピストは、美容や癒やしを目的に手技や化粧品を用いて施術をする仕事で、エステティシャンと共通する部分も多いです。美容系セラピストに代表されるものには、ツボを刺激するリフレクソロジストやアロマオイルで癒やしを与えるアロマセラピスト、もみほぐしをメインとする整体師などがあります。
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自分に合うサロンを選ぶ方法とは? 気になるサロンのチェックポイント
働きやすい職場とは、人によって異なるものです。自分に合うサロンを選ぶためには、働きたい職場をイメージし、さらに譲れない条件を明確にして、サロンがその条件に見合っているかどうか見極める必要があります。
すでに働きたいサロンのイメージが明確にあれば探しやすいのですが、ない場合は以下の流れでサロン選びをしてみてください。
1. 自己分析をしてみよう
自分をよく知ることで、どのように働きたいのか、理想のスタイルがどのようなものなのかがわかり、サロン選びの失敗を防げます。自分を知るためには自己分析が必要です。
まずは、自分の長所・短所をまとめ、理想の働き方や将来のビジョンを思い描いてみてください。すると、自ずと職場に求める条件が明白になります。転職を希望している場合は、退職したい理由も明らかにしておくと自己分析に役立つため、確認しておきましょう。
2. サロンを探そう
自己分析をして条件をまとめる際に、優先順位と、妥協できる点・できない点を決めておくと、自分に合ったサロンをより選びやすくなります。条件が定まったら、サロン探しに移ります。
3. 気になるサロンをチェックしよう
せっかく自己分析をして条件を明白にしても、自分と合わないサロンを選んでしまっては、長く働くのが難しくなります。サロンをチェックするときは、条件に合致するかだけでなく、総合的に判断することが大切です。ここでは、サロンのチェックポイントを紹介します。
個人店or大型店|自分に向いているのはどっち?
サロンは、個人店と大型店に分類でき、日本国内にあるサロンの多くは個人店です。個人店は施術の分業が少なく、1対1ですべての施術を行います。将来独立したい人やマイペースに働きたい人には、個人店がおすすめです。
大型店は、知名度があり、福利厚生や研修制度が充実していますので、働きやすさを重視する人に向いています。
待遇|給与・福利厚生
美容師の給与には、固定給制に歩合制を取り入れているのが一般的です。給与が気になる人は、昇給の有無・歩合率・指名料などを確認しましょう。
また、福利厚生もチェックすべきです。まず挙げられるのが、社会保険の種類。例えば、健康保険や厚生年金が用意されていると、ケガや病気の際に「傷病手当」が給付されます。そのほか、社会保険以外にサロンが独自に研修制度や住宅手当、独立支援などを整備しているかもしれません。
待遇は働きやすさに影響するため、充分に比較・検討することをおすすめします。
教育システム|美容師として成長できるか
技術力の高い美容師に成長するためには、つねに学びが必要です。キャリアアップを目指す人は、美容師のスキルアップに積極的なサロンを探してみましょう。たとえば、美容師として成長できる教育システムと体制が整っており、セミナーや海外研修などを取り入れているなどです。
美容師として働きながら、まつエク施術・まつげパーマ・ネイルなどの資格を取得したい人は、学費の補助があるかもチェックしておくと安心です。
サロンの理念と方針
多くのサロンでは理念と方針を決めています。これらが自分の考えと異なると、徐々に溝が生まれて、働く意欲がわかなくなるかもしれません。
たとえば、高い技術力と質の高いサービスを目指すのであれば、安さや施術スピードを売りにするようなサロンとは合わないでしょう。また、美容師として多くのことを学びたい人には、美容師の育成に力を注いでいるサロンや、新しいことに挑戦しているサロンがマッチします。
サロンの雰囲気・人間関係
どんなに好条件であっても、雰囲気や人間関係が悪いサロンでは長く勤めるのが難しくなります。条件に合うサロンが見つかったら、実際にサロンを見学し、サロンの雰囲気を確かめておくと安心です。
顧客として施術を受ければ、スタッフの技術力の高さ・サービスの質・使っている機材などを確認できます。スタッフとは違う目線から体験することで、求人情報には書かれていない情報を得られるかもしれません。
サロンはどうやって探す?希望条件に合うサロンを探す方法
サロン探しは、求人サイトや転職サイトを使って行なうのが一般的ですが、最近はSNSやホームページで求人を出しているところも多く見られます。
サロンを探す際は、労働条件だけでなく、サロンの雰囲気・ターゲット層が合致しているかも大事です。求人募集だけでは、これらの情報をつかみにくいこともあるため、、ホームページや口コミ情報なども参考にしたり、可能であれば働いているスタッフの話を聞いたりしてみましょう。
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美容師の資格を活かして働ける理想のサロンを探そう
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また、勤務するサロンとのミスマッチも離職の原因になることも。たとえば、理念や方針が合わなかったり、雰囲気や人間関係になじめなかったりなどです。
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