ネイリストになるには?資格の種類や資格をとる4つの方法、ネイリストの働き方や将来性も紹介!
爪を美しく華やかに演出するネイリストとして働きたい人もいるでしょう。ネイリストになるには資格は必要なのか、疑問に思う人も多いのではないでしょうか。
ここでは、ネイリストとして働く際に無資格の人でも目指しやすい、おすすめの資格や勉強法について解説します。また、後半ではネイリストの平均年収や将来性、ネイルサロンだけではないさまざまな働き方も紹介しているので、ネイリストを目指している方は是非参考にしてみてください。
ネイリストになるには資格が必要なの?
ネイリストとして働きたいと考えたときに、まず確認しておきたいのが資格の有無です。ここでは、ネイリストになるためには資格が必要なのかどうかをくわしく解説します。
ネイリストに必須の資格はナシ!
ネイリストになるには、なにか特別に資格をとる必要はありません。そのため、無資格でもネイリストとして働くことが可能です。資格をとるための準備は不要なので、比較的チャレンジしやすい職業といえるでしょう。
無資格でも働けるの?
ネイリストの求人を見てみると、「無資格の人でも歓迎」という募集も見受けられます。なかには、施術の知識やスキル、接客について学べる研修制度を設けており、就職後に働きながら学べる環境が整っているところもあるため、無資格の人にとっても安心です。
資格を持っていた方がいい? 資格取得の4つのメリット
ネイリストは無資格でも働けますが、資格を取得しておくと、給与やキャリアなど、さまざまな場面でメリットを感じることがあるようです。ここでは、ネイリストとして働く際に資格を取得するメリットを紹介します。
1. 就職・転職に役立つ|応募できるネイルサロンが増える
ネイリストとして働く際に無資格の場合、資格を条件とする求人に応募をしても採用では資格取得者が優先されるため、採用される可能性が低くなってしまいます。
しかし、資格を取得しておけば、資格保持を必須とする求人にも応募ができるため、就職先の選択肢が広がるでしょう。また就職や転職の際に、資格を自分の強みとしてアピールすることも可能です。
2. ネイリストとしての知識・技術が身につく|お客様に安心していただける
ネイリストの資格を取得しておくと、専門知識や技術を身につけられ、自信をもって接客や施術をおこなえます。ネイルの知識や技術が中途半端なまま施術をおこなうことは、施術者にとっても不安なことであり、お客様にも不安な思いは伝わってしまうでしょう。
また、施術を受けるお客様も、無資格の人よりきちんと資格を持った人にお願いしたいと思うものです。資格があることは、お客様の信頼と安心にもつながります。
3. 給与UPにつながる|資格手当など
ネイリストの資格を取得して、資格手当をもらえれば給料アップにもつながります。資格手当は、資格を新たに取得した人、すでにネイリストの資格を持っている人に対して支給される手当です。
給与がUPするとなれば、仕事のモチベーションアップにもつながります。資格の数や種類によって、また働くサロンなどによって資格手当の金額や支給回数などは異なるため、各求人で事前に確認しておくと安心です。
ネイリストの給料についてはこちら:ネイリストのお給料・平均年収はどれくらい?|ネイリストが収入UPを目指せる4つの方法
4. 自分のスキルも磨ける|上級資格へステップアップ
ネイリストの技能検定試験やジェルネイル試験は初級、中級、上級、3級、2級、1級とわかれています。
初心者向けのベーシックな知識やスキルの習得から、サロンワークに必要な内容、さらにネイルのスペシャリストとしての総合的な知識やスキルの習得と同じ試験でも自分の能力に応じてステップアップが可能です。取得できる資格のレベルが上がれば、自信やモチベーションアップにもつながるでしょう。
自分に合うのはどれ? 資格取得を目指す4つの方法を紹介!
初心者がネイリストの資格を目指すにはさまざまな方法があり、自分のライフスタイルややり方に合った学び方を選ぶことが大切です。
ここでは、初心者の方がネイリストやネイリストに関連する資格を取得する方法とそれぞれのメリットとデメリットもあわせて解説します。
1. 専門学校へ通う
資格取得を目指すには、まずネイリスト養成のコースがある専門学校へ通う方法があります。通学では専門知識やスキルに精通した講師から直接学べ、勉強内容や時間の管理も決まっているため、独学が苦手な人にもおすすめです。
また、一緒にネイリストを目指すクラスメイトと学習できるので、モチベーションアップにもつながります。
専門学校へ通うメリットとデメリット
専門学校のメリットは、認可を受けた学校法人なので、一定水準以上のしっかりしたカリキュラムで学ぶことができる点です。ネイル専門コースであっても、学校によってはアロマや着付けなどネイル以外の知識を学べることもあるため、卒業後に選べる仕事の幅がひろがる可能性も。
検定対策なども手厚く、〇〇専門学校卒業と履歴書に書けるのも就職時に有利にはたらくと考えられます。
デメリットは、それなりに費用がかかってしまうこと。また、決められたカリキュラムがあるため、学べる範囲が広く、その分勉強が大変でしっかり授業に向き合う必要があります。また、最低でも2年という月日がかかることもデメリットといえるでしょう。
2. ネイルスクールへ通う
ネイルスクールへ通って習得する方法と専門学校との違いは、学校法規にそって決められたカリキュラムがある専門学校と違い、カリキュラムが自由で、より実践的なプロのネイリストとしての学びを得られることです。
スクールのメリットとデメリットは次に紹介します。
ネイルスクールへ通うメリットとデメリット
スクールのメリットは、ネイルサロン併設のところも多いため、プロの講師に直接指導してもらえること。ネイルの技術だけでなく、サロンワークに関することも学ぶことができます。
デメリットは、ネイル以外のことを学ぶチャンスがないことと、カリキュラムの規定がないため、スクールによって学べる内容やレベル・受けられるサポートに差があることです・
3. 通信教育で学ぶ
通信教育で学ぶ場合は、勉強する時間や場所の自由度が高く、ライフスタイルに合わせた学習を進められます。
添削サービスや質問サービス、修了証の発行など、講座の種類によって、さまざまなオプションがあるため、確認して自分に合った通信講座を選ぶことが大切です。
通信教育のメリットとデメリット
通信教育では、学校やスクールに通う場合に比べて、常駐の講師やスクールなどの維持費がないため費用が安くすみます。毎日通う必要がないため、仕事や子育て、学校に通いながらなど、あいた時間に自分のペースで勉強をすすめられるのが最大のメリット。
デメリットは、テキストやDVDなどを見ながらの学習なので、実技の習得が難しいことや疑問があってもすぐに質問をして解決できないことです。また、間違ったやり方を指摘してもらえないこともデメリットでしょう。
4. 独学で学ぶ
ネイリストの資格取得のために、本やテキスト、動画など独学で学ぶ方法があります。
試験を実施している団体が出版する公式テキストなどを活用すると、試験の出題範囲を網羅しやすく、効率よく学習を進めていくことが可能です。
独学のメリットとデメリット
独学のメリットは、空いた時間を活用して学習を進められ、わからないところは復習や振り返りをしながら自分のペースで勉強できる点です。また、スクールや通信講座を受講する方法に比べて、コストも抑えられます。
デメリットは、やはり直接の指導が受けられないため、難しい内容は自分で解決しなければならず、サポートがまったくないこと。勉強の仕方も手探りになるため、時間がかかり非効率的になってしまうことも考えられます。
5. ネイルサロンで働きつつ学ぶ
ネイルサロンに就職して、働きながら資格取得を目指すのもひとつの方法です。通信講座やスクールの学費を稼ぎながら仕事以外の時間で勉強でき、経済面への心配も解決できます。
アシスタント業務や接客業務をおこない、資格取得後には即戦力としての活躍も目指せるでしょう。
関連記事:ネイリストのアシスタントはどんな仕事をするの? 資格なしでも働ける? 求人情報をチェック
働きながら学ぶメリットとデメリット
ネイルサロンで毎日、先輩ネイリストの技術や接客を間近で見ることができる点は大きなメリットです。実際の施術でのテクニックやお客さまへの接し方などを給料をもらいながら学べます。
また、働きながら頑張って資格取得をすれば、そのままそのサロンでプロネイリストとして活躍することもできるでしょう。
デメリットは、理論などは独学で勉強する必要があること。また、仕事中は練習ができないため、仕事が終わってから練習や勉強をしなければならない点もデメリットだといえます。
ネイリストを目指そう! おすすめのネイル資格を紹介
ネイリストは資格がなくてもなれますが、ネイルの知識や技術があるという証明になるため、資格はもっておいたほうがいいでしょう。そこで、ネイリストになるためにとるべきおすすめの資格を紹介します。
JNEC|ネイリスト技能検定(1級・2級・3級)
ネイリストの資格として、日本ネイリスト検定試験センターが認定する「ネイリスト技能検定」があります。ネイリスト技能検定は、ネイルケアやカラーリング、ネイルアートなど一定水準の知識やスキルを身につけたことを証明できる資格です。
3つのレベルにわかれており、3級、2級、1級と上がるにつれて専門性が高くなります。ネイリストとして基礎的な知識やスキルを身につけたいのであれば3級。サロンワークで役立てたい場合は2級。
トップレベルの専門性を身につけたい場合やネイルサロンの経営を目指したい場合などでは1級というように、レベルに合わせた受験が可能です。
初心者におすすめなのは「3級」|合格率はどれくらい?
基礎的な知識やスキルを身につけたい初心者には、3級がおすすめです。ネイリストはお客様の爪に直接触れる仕事であり、試験では衛生面への配慮や爪の構造のほか、爪の病気、トラブルなどの知識を問われます。
実技試験では、ネイルケアやカラーリング、ネイルアートなどのスキル、正しい器具の使い方なども評価対象です。
3級の合格率は2021年の登記検定試験で84.8%、直近3年の間で80~90%台を推移しており、10人受ければ8~9人は合格するという確率になっています。
JNA|ジェルネイル技能検定(上級・中級・初級)
ジェルネイル技能検定は、日本ネイリスト協会が認定する資格です。初級、中級、上級と3つのレベルにわかれていて、初心者からトップレベルの知識やスキルを目指したい人にもおすすめの資格といえます。
また、全国で10万人以上の人が資格を取得しているので、人気の高さがうかがえるでしょう。資格を取得すれば、自信をもってジェルネイルの施術をおこなえるはずです。
初心者におすすめなのは「初級」|合格基準はどれくらい?
ジェルネイル技能検定で初心者が挑戦しやすいのが初級です。ポリッシュをきれいに落とす「ポリッシュオフ」、専用のやすりを使う「ファイリング」、地爪の成長をうながすために必要な「キューティクルクリーン」など、基礎的なケアのスキルが実技試験で評価されます。
また、ポリッシュカラーリングやジェルカラーリング、ジェルアートなど塗り方やデザイン性、施術の正確さなどの評価も実施。ラメやラインストーン、ホログラムの使用が可能でポリッシュのうえに映えるジェルアートに仕上げるスキルも評価の対象です。
JNA|認定講師資格試験
JNAの認定講師資格は、ネイリストとして高い志をもち、ネイルの普及と発展のために尽力する人材を認定するものです。この資格をとるためには、ネイリストとしての実務経験や規定の資格をもっていることなど、なかなか厳しい条件が設定されています。
認定講師になれば、講師としての活動はもちろん、JNAのイベントの実行委員やコンテストの審査員など、インストラクターとして活躍できるでしょう。
試験合格、実務経験がある方におすすめ|認定講師になるための条件とは?
認定講師になるための条件を紹介します。
・ネイリスト技能検定1級合格から1年以上経過している
・プロネイリストとしての実務経験
・JNA 認定校を卒業している
・規定の資格を取得している(ネイルサロン衛生管理士・ジェルネイル技能検定試験上級・JNAフットケア理論検定試験)
・20歳以上である
その他、過去3年以内にJNA主催のネイリスト選手権でプロフェッショナル部門の出場をしていること、勉強会と授与式に参加できることなどの条件があります。
ネイリストの仕事内容や働き方の種類とは?
ネイリストの仕事内容をここで軽くおさらいしておきましょう。ネイリストがする施術は、主にケア・カラーリング・アートに分けられます。
爪の表面を磨いたり甘皮の処理をして、爪をきれいにする「ケア」、マニキュアを爪表面に塗る「カラーリング」、ポリッシュやジェルネイルで爪を装飾する「ネイルアート」。
さらに傷んだ爪を補修する「リペア」も大切な仕事のひとつです。
ネイリストの働き方、活躍場所は?
ネイリストというと、ネイルサロンで働くのが一般的ですが、実はさまざまな働き方が可能な職種でもあります。
サロンに就職するだけでなく、活躍の場が幅広いため、ライフステージに合わせて柔軟に働き方を変えていけるのも強みです。
ネイルサロンに就職する
ネイリストというと、まず思い浮かべる働き方がネイルサロンに就職することではないでしょうか。就職やパート・アルバイトとしてネイルサロンで働きます。
無資格・未経験OKの求人もあるため、とにかく現場で勉強・実践しながら働きたい方におすすめです。
独立開業する
もうひとつ、ポピュラーなのが独立開業をすること。最初から開業を見据えて資格をとり準備をする場合や、ネイリストとして働きながらお金を貯めて独立する場合があります。
独立にも自宅でサロンを開いたり、店舗を借りて開業したりとやり方もさまざま。ネイルサロン用のシェアサロンや業務委託など、資金や自分のライフスタイルに合った方法を選べるのもメリットです。
出張ネイリストになる
出張ネイリストとしてお客さまのもとに出向いて施術をする方法も。週に何度か契約しているサロンで施術をしたり、予約が入ったときだけ指定の場所へ行き施術をするなど、フリーランスとして活躍できます。
施術の腕が認められれば、テレビや雑誌などの撮影の際にモデルやタレントにネイルをしたり、結婚式場でブライダル専門のネイリストとして働いたりも可能です。
講師として活躍
ネイルスクールや美容学校などでネイルの講師をするという働き方もあります。ネイルサロンの新入社員やアルバイトへの指導係になったり、初心者向けに教室を開いたりすることも可能。
特に先ほど紹介した認定講師の資格をもっていると、活躍の場はグッとひろがるでしょう。
ネイリストの給与や将来性は?
頑張って資格をとり、働いていく中で、ネイリストの将来性や、どれくらいの給料がもらえるのかも気になるところです。
ネイリストの平均収入や将来性について見ていきましょう。
ネイリストの平均収入はどれくらい?
ネイリストは先述したようにさまざまな働き方があるため、一概にこれくらいが平均とは言いにくいです。そこで、もっとも一般的であるネイルサロンに就職した場合の平均年収を紹介します。
厚生労働省が提供している情報サイトによると、ネイリストの平均年収は全国で322.8万円。ただし、もっている資格の内容や勤続年数にも左右され、都心部と地方では賃金格差があるため地域によっても違います。
ハローワークの求人統計データでは、求人にある給与月額が全国平均で22.3万円で、有効求人倍率は0.97です。注目したいのは、自営やフリーランスが占める割合が多いこと。正社員として働くネイリストとほぼ同じ割合で、自営やフリーランスが活躍している職業であることがわかります。
ネイリストの給料はどれくらい?平均給料や収入を伸ばすためのポイントと4つの方法を紹介
ネイリストに将来性はある?
ネイリストはサロン勤務だけでなく、個人サロンのオーナーやフリーランスとして、また、アーティストやブライダルネイリストとしてなど自分次第でキャリアをひろげることができる仕事です。最近では日本の繊細なネイルが海外でも評価されているため、海外での活躍も視野に入れることができるでしょう。
海外で活躍され、有名なアーティストを顧客にもつ日本人ネイリストもいます。海外でネイリストをする場合、国家資格やライセンスが必要な国もあるので、行きたい国がある場合は事前にチェックするのがおすすめです。
ネイリストは将来性がある仕事!資格取得でさらなるステップアップを目指そう
ネイリストは資格がなくても働ける一方で、爪に関する知識など専門性が高い仕事でもあります。そのため、無資格・未経験でサロンに入っても、ネイリストとして実際にお客さまを担当するまでには勉強や練習が必要です。
資格を取得すれば、基礎からの知識と技術が身につくため、自信をもって施術ができ、たしかな技術の証明にもなるためとっておくのがおすすめ。
働き方の選択肢が幅広いネイリストは、さまざまな活躍の場があり将来性も期待できるため、資格を取得してステップアップを目指しましょう。
引用元
JNEC|ネイリスト技能検定試験
JNA|ジェルネイル技能検定試験
JNA|認定講師
厚生労働省|jobtag