美容師から転職!おすすめの職業や評価されるスキルと転職を成功させるポイント
転職が珍しくなくなった近年、美容師で転職を考える人も少なくありません。実は美容師は離職率が高い仕事のひとつでもあり、離職する理由はさまざまです。
そこでこの記事では、美容師の転職の実態や転職理由についてお伝えします。おすすめの転職先や評価されるスキル、転職を成功させるポイントなども見ていきましょう。
美容師からほかの職業への転職は可能|美容師の転職の実態
実は、苦労して勉強と努力を重ね、免許を取ってあこがれの美容師として働き始めても、転職する人が多いといわれています。
美容師のみでの離職率のデータはありませんが、厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)」によると、美容師の含まれるカテゴリ「生活関連サービス業・娯楽業」の3年以内の離職率は高卒者で57%、大卒者で48%と高い水準であることがわかっています。
しかし、今の時代に転職は珍しいことではなく、美容師として培ったスキルや経験が役立つ職種も少なくありません。ほかの仕事に就きたいのであれば、自分の強みが活かせる転職先を探すことが大切です。美容業界なら美容師資格が有利になることもあります。
引用元
厚生労働省:新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します
美容師から転職する理由とは?
では、なぜ離職率が高いのか、美容師が転職を考える理由を見ていきましょう。
1. 給与が低い
厚生労働省の「職業情報提供サイト job tag」によると、令和4年の美容師の平均年収は約330万円と、決して高水準とは言えません。
同じ条件でほかの国家資格や公的資格が必要な職種の年収を見てみると、看護師は約508万円、介護支援専門員は約406万円、小中学校教員は約740万円などのデータが出ており、美容師の給料は国家資格・公的資格の職業のなかでは特に低水準です。
引用元
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))|美容師 – 職業詳細
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))|看護師 – 職業詳細
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))|介護支援専門員/ケアマネジャー – 職業詳細
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))|小学校教員 – 職業詳細
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))|中学校教員 – 職業詳細
2. 労働時間が長い
働く時間が長いというのも、辞める人が多い理由のひとつ。店舗が営業している間の通常業務に加え、アシスタント時代はカットなどの技術練習、一人前になったら次世代の育成などをしなければならず、営業時間外も拘束されてしまうことが多いです。
3. 休みが取れない
美容室は、1週間のうち休業日が月曜日または火曜日の1日のみという店舗が多いです。複数のスタッフがいてシフト制で回している場合ならまだしも、小規模の店舗だと週休1日ということもよくあります。
また、土日祝日は繁忙期になりやすいため休みを取りにくく、家族や他業種の友人などと予定を合わせられないことがつらいと感じる人もいるのです。
4. 肉体的な負担が大きい
美容師の仕事は、長時間労働かつ立ち仕事のため体力的にきつく感じやすいです。さらに、施術で中腰になることが多いため腰を痛める人も多いほか、シャンプーや薬剤によってひどい手荒れが起こるなど、肉体的に大きな負担がかかる仕事とされています。
美容師から転職するのにおすすめの職業は?
つづいては、美容師を辞めて転職したいと考えている人におすすめの職業を紹介します。
美容師免許が活かせる仕事
美容師免許が必要な仕事は美容師だけではありません。努力して取得した免許を、そのまま活かせる職業を2つ紹介します。
アイリスト
アイリストとは、まつエクやまつ毛パーマなどを専門に行う職業のことです。まつ毛はメイクをする一部でありながら個別にお手入れをする人も多く、サロンとしての需要はまだまだ見込めることがうかがえます。そのため、求人数も増えている職業のひとつです。
美容師をはじめとした美容業界で働く人にも、まつ毛専門のサロンを利用している人もいるのではないでしょうか。美容師にとっても馴染みのある職業のひとつとして考えることができます。
ネイリストと一緒に募集しているところも多く、トータル的な美容センスを磨きたいと考えている人なら新たなスキルを身につけることも期待できます。
美容師は、一般的に給与がなかなか上がりにくいと言われています。仮に収入の面で転職を考えているなら、アイリストは悪くないかもしれません。地域や店舗によって異なりますが、正社員としての雇用も多く、比較的給与面は良い傾向が見られます。
非正規雇用の場合でも時給は特に低いところは見られません。また、将来的にヘアケアから目元まで対応できるサロンを経営したいと考えている人にも、おすすめの職業といえるのではないでしょうか。
ブライダルヘアメイク
結婚式の際に新郎新婦や参列客のヘアメイク、着付けなどを行う人員として、ウェディング業界に転職する方法もあります。
結婚式は主役の2人にとって人生で一度しかない大切な晴れの日で、特に新婦は生涯で一番きれいな状態を花嫁姿としてお披露目したいことでしょう。元美容師としての実務経験があると、そのような重要なシーンでも即戦力として期待されやすいです。
ブライダルヘアメイクの仕事に就くと、着付けやヘアセットのスキルアップはもちろん、ブライダルマナーを身につけることもできます。
接客業
美容師は技術職であると同時に、接客業でもあります。接客業にもさまざまな職種がありますが、ここでは美容師と共通点が多い職業を3つ紹介します。
ネイリスト
ネイリストは、お客様の爪を美しくする職業です。地爪を健康に導くためにネイルケアをしたり、見た目をよくするためにネイルカラーやネイルアートを行ったりします。
ネイリストの仕事の流れは、美容師とほぼ同じです。お客様の悩みや要望を聞いてから施術をするので、カウンセリングのスキルが役立つでしょう。また、流行を追う必要があるのも美容師と共通しています。
エステティシャン
エステティシャンはお客様の肌に直接触れて施術するという点では、美容師と共通している部分の多い職業です。施術だけでなく、美容についてのアドバイスを行うというのも共通しています。
髪に特化していた美容師から肌の手入れが主になるエステティシャンは、美容師から転職しやすい職業と言えるでしょう。また、エステティシャンは未経験からの就職がしやすい職業でもあるという点でも、安心感はあるのではないでしょうか。
美容師はヘアカットやパーマなど施術をするかたわら、お客様の頭部や肩などをマッサージすることもあります。サロンによって細かいサービス内容は異なりますが、美容師として経験したマッサージはエステでも活かしやすいです。
もちろん、エステティシャンとして行うマッサージはまた違うものになりますが、新しい技術の習得がしやすいことが考えられます。マッサージ経験がまったくない人に比べれば覚えやすく、自然に入っていける職業と言えるでしょう。
エステではマッサージやパックなどのほかに脱毛も行います。体毛と頭髪という違いはありますし、使用する機材も異なりますが、知識や経験を活かしやすいです。
エステサロンによって、マッサージやパックに特化したところもあれば、脱毛を専門にしているサロンもあります。自分が向いていると感じるものや新しい才能の発掘を目的に選ぶのもいいでしょう。
髪の美容からトータル的な美容の仕事に就きたいと考えている人にも、エステティシャンへの転職はおすすめです。個人経営のエステサロンから大手企業のエステサロンまで、選択の幅が広いのも就職しやすい部分ではないでしょうか。
このように、エステティシャンは、美容師は辞めたいけれど美容の仕事は続けたいという人に向いている職業のひとつです。
美容部員
美容部員は、百貨店やドラッグストアの化粧品カウンターで肌やメイクの相談に応じ、化粧品を販売する職業です。美容の知識やメイクの技術だけでなく、カウンセリングや接客のスキルも必要とされるため、元美容師として腕の見せ所とも言えるでしょう。
アイデザイナーとしての美容部員の求人には、美容師免許必須のものもあります。
アパレル販売員
美容師は、ヘアスタイルやメイクのセンスも重要ですが、ファッションセンスも必要です。
ヘアスタイル同様、トータル的にトレンドに敏感であることを求められるので、美容師を続けているうちに自然にオシャレも身についたという人も多いでしょう。
ヘアスタイルとファッションの流行は連動している部分も多いので、取り扱っている雑誌が共通していることもあります。
また、美容師として働いていると、サロンモデルの撮影などを通してファッション関係の人と一緒になることも多く、プライベートな交流のある人も少なくはありません。そのため、ファッションの知識が豊富な人も多いです。
美容師として店に立つときのために、普段からさまざまなショップを利用している人もたくさんいます。
もともとファッションも好きだった人であれば、ブランドごとの特徴やトレンドも押さえているでしょう。アクセサリーやシューズなどトータル的な知識が身についていれば、それを十分次の仕事として活かすことは可能です。
営業
美容に関係のある企業の営業職だけでなく、畑違いの企業の営業職でも美容師の経験が活きることもあります。
美容メーカー・ディーラー営業
美容メーカーとは、美容器具や化粧品などの自社製品を製造する企業で、営業担当はサロンや薬局、百貨店などへ販路拡大に回ります。ディーラーとは、美容室で使用する美容商品や物販用の商品を卸す仕事を行う営業職です。
いずれも美容師時代の経験や知識が業務の役に立つほか、美容室への営業の際は、元美容師という肩書きが相手(営業先)からの信用を得やすいというメリットがあります。
異業種の営業
不動産業界や車の販売なども接客の経験を十分活かせる仕事のひとつです。不動産も車もどのような商品を扱うかで、客層が分かれる業界でもあります。
今まで接点のない業界の場合は、扱う商品の傾向や会社の立地などを基本にして応対する客層をイメージして選ぶようにしましょう。そうすることで美容師の経験を活かしながらの接客も可能になります。
例えば、若い層の顧客が多かったサロンで働いていた場合なら、シングル層の利用が多い物件を扱う不動産会社なら同じような客層が見込めます。少し高級路線のサロンなら分譲マンションや上流層向けの不動産会社という選択肢もあります。
どんな経験やスキルが評価されるの?
次に、美容師として得た経験やスキルのうち、転職の際に評価されやすい点とはどんな部分なのかをお伝えします。
美容師免許や実務経験
国家資格である美容師免許を所持していて、かつ実務経験があるということは、それだけで評価されやすいです。
特に、おすすめの職業のなかで紹介したエステティシャン・アイリスト・美容系の営業職・ウェディングスタッフのような美容に関連する業界では、美容に関する専門知識と技術を持っていることにより活躍できると期待されます。
接客スキル
毎日違うお客様と接し、お客様の理想に近づけるため悩みや要望を聞き出すといった、美容師時代のトーク術やコミュニケーション能力は、どの業界でも高評価を得やすいでしょう。
相手に好感や信頼を感じてもらったり他人のニーズを引き出したりする力は、営業で必要なのはもちろん、美容師と同様にサービスを提供する職場や、企画・技術職などでも役に立つ大事なスキルといえます。
忍耐力
美容師として長時間の立ち仕事を続けてきた体力(タフさ)や下積み時代を経験した忍耐力は、美容業界に限らずどんな職種でも求められ、評価されやすい能力のひとつです。
マネジメント能力
小規模の店舗の場合などに、接客以外にも事務・経理・シフト管理などさまざまな業務を兼任していたり、店長のような役職の経験があったりすると、どの業界でもアピールポイントになります。
無事就職できたのちは、スタッフたちを束ね、よりよいチーム・店舗を目指してマネジメント能力を発揮できると理想的です。
美容師からの転職を成功させるには?
美容師からの転職を成功させるためには、履歴書の作成や面接対策のコツをおさえておくことが大切です。美容師としての経験や自身のスキルを見つめなおし、選考に向けて準備を行いましょう。
履歴書の作成|重要なのは自己PRと志望動機
履歴書は、プロフィールや自己PR、志望動機などを記入します。採用担当者が目を通すものなので、ていねいに記入することが大切です。
勤めていたサロンや会社の名前は略称ではなく、正式名称で記載しましょう。また、誤字や脱字には十分に注意し、間違えた場合ははじめから書き直します。
自己PRや志望動機はとくに重視されるため、しっかりとポイントをおさえておきましょう。
履歴書の書き方については、職種ごとに詳しくまとめていますので、以下の記事を参考にしてください。
アイリスト向け:アイリストの履歴書とは?書類選考を突破するためのポイントや注意点、志望動機と自己PRの例文を紹介
ネイリスト向け:ネイリストの履歴書の書き方は?提出方法や印象を良くするポイントも紹介!
エステティシャン向け:エステティシャンの履歴書はどう書く?項目ごとのポイントや基本について知ろう
美容部員向け:美容部員の履歴書はどう書く?ポイントやマナーを押さえよう
自己PR
自己PRでは、美容師時代に習得したスキルや経験をアピールしましょう。このとき、応募先が求めるものとマッチさせ、どのように活かせるのかまでを明確にすることが大切です。
アピールポイントはひとつに絞り、そのポイントについて具体的なエピソードを添えましょう。実績を伝える際は数値があると分かりやすいです。
志望動機
志望動機は、面接でもかならず聞かれる内容です。なぜその企業に入社したいかや、美容師から転職したいと思ったきっかけや理由は明確にしておきましょう。入社後どのように企業に貢献したいかも考えておくことが大切です。
職務経歴書が必要になることも
企業へ転職する際は、職務経歴書を提出するのが一般的です。美容師から転職する場合も、応募先によっては必要になる可能性があるため、ポイントをおさえておきましょう。
職務経歴書では、自身の職歴に特化してこれまでの実務経験や実績、スキル、自己PRを記載します。担当した業務は漏れなく記入し、経験の幅広さをアピールしましょう。また、実績には表彰歴や目標達成率など、数値が分かるものを記載するのがおすすめです。
以下の記事では、職種ごとに職務経歴書のポイントを紹介しています。美容師から転職するケースのものではありませんが、参考にしてださい。
アイリスト:アイリストに転職するために必要な書類とは?職務経歴書の書き方や履歴書との違いについて徹底解説!
ネイリスト:ネイリストの職務経歴書には何を書くべき?書くときのポイントや記載する内容とあわせて職務経歴書の見本を紹介
エステティシャン:【見本あり】エステティシャンの職務経歴書とは?記入する項目や書くときのポイントを紹介
美容部員:【サンプルあり】美容部員の職務経歴書とは?記入するときのポイントや重視されていることも解説
面接対策|マナーや身だしなみも大切
面接では履歴書と同様に、美容師として身につけたスキルや経験から、その企業・その職種で役立つスキルをアピールします。よくある質問を調べ、回答を考えておきましょう。
スマホで録画して見直したり、友人に付き合ってもらったりといった方法で、面接の練習もしておくと安心です。
回答のほかにも、社会人としてのマナーや清潔感のある身だしなみなどもチェックされます。以下の記事も参考に、応募先の職種なども考慮したうえで準備しましょう。
アイリスト向け:アイリストの面接では何を聞かれる?チェックされる点や身だしなみ・持ち物も解説
ネイリスト向け:ネイリストの面接に必要なマナーとは|よく聞かれる4つの質問と回答例
エステティシャン向け:エステティシャンの面接でよく聞かれる質問とは?面接のときに見られているポイントや身だしなみについても紹介
美容部員向け:【例文あり】美容部員の面接でよくある質問と回答|面接を受けるときのポイントも解説
美容師から転職先を探すときのおすすめの方法
ここからは、美容師から新たな転職先を探すときのおすすめの方法を紹介します。
転職エージェントのサポートを受ける
転職エージェントは、担当アドバイザーからさまざまなサポートを受けることができます。具体的には、自分の希望や適性に応じた求人を紹介してもらえるほか、必要書類の添削や面接対策などです。
転職について専門家に相談したりサポートを受けたりしたい人におすすめと言えます。利用するときは、転職したい業界に強いエージェントを選びましょう。
求人サイトで自分で見つける
求人サイトは、スマホやPCから希望の条件に絞って求人を探すことができます。好きな時間に検索して応募ができるので、自分のペースで転職活動をしたい人におすすめです。
美容業界に特化した求人サイト「リジョブ」では、より自分好みの求人を探しやすいよう、詳細な条件を設けています。基本的な条件に加えて、お店の規模や客層、立地、必要な資格も選ぶことが可能です。
美容師免許を活かしたい人や、これまでと違った環境下で働いてみたいという人でも探しやすいでしょう。
美容師からの転職はさまざまなスキルが役立つ!自分に合った求人を見つけよう
美容師からほかの仕事への転職は、多くのスキルが役立ちます。美容業界だとなお、これまでの経験や知識が役立つ場面も多いでしょう。
アイリストやブライダルヘアメイクは美容師免許が必須ですし、ネイリストやエステティシャン、美容部員は美容の知識やカウンセリング、接客のスキルをそのまま活用することができます。
さまざまな職種で役立つからこそ、どんなスキルを活かしたいかをしっかりと考え、自分に合った求人を探しましょう。
求人を探す際は、求人サイト「リジョブ」の利用をおすすめします。美容・ヘルスケア業界に特化した求人サイトで、転職満足度が98%※と非常に高いサービスです。
未経験求人の数も豊富なので、美容師免許を活かしたい人やまったく違う仕事に就きたい人も、好みの求人を見つけやすいでしょう。
ぜひ一度、リジョブをチェックしてみてください。
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