マッサージ店を開業するには何が必要? 独立するときに注意すべきこととは

マッサージ師として店を開く場合、必要なものやするべきことを理解しておかなければなりません。開業には費用もかかりますし、リスクもゼロではないので、経営を成功させるためにもしっかりとポイントや注意点を頭に入れておきましょう。

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マッサージ店を開業するには何が必要?

まず、マッサージ店を開業するにあたり、何が必要かをリストアップしていきます。自分自身の現状や目標、周りの環境なども考慮しなければなりませんが、最低限必要なものが何かを紹介していきます。

マッサージ師として開業をするには資格が必要

最初に忘れてはならないものとして、あん摩マッサージ指圧師の国家資格があります。マッサージ師とは、街中にある足つぼ屋さんや、もみほぐし屋さんとは違い、国に認められた資格で、専門的な知識や技術を取得しているという証明になります。

そのため、あん摩マッサージ指圧師の資格を持っていれば開業権を得ることができるので、自分の店を開くことも可能になります。あん摩マッサージ指圧師の資格を取るには、厚生労働省や文部科学省に認定された学校に3年以上通い、国家資格試験に合格する必要があります。

合格すると厚生労働大臣より資格が発行され、さらに開業する人は申請登録を行うことで認められるといった流れになります。

引用元:job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET)):あんまマッサージ指圧師 – 職業詳細
引用元:東洋療法学校協会:国家資格をめざす
引用元:厚生労働省:あん摩マッサージ指圧師国家試験の施行

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セラピスト・エステティシャンに必須の資格はナシ

もみほぐしやエステの店を開くには、同様に保健所などへの申請が必要です。しかし、セラピストやエステティシャンにはマッサージ師としての資格は必要なく、無資格でも店を開いて営業することが可能です。

しかし、マッサージを行うことはできず、あくまで医業類似行為としての「もみほぐし」「トリートメント」「エステティック」しか提供できません。

国家資格を持っていないのにも関わらず、また、申請を行っていないにも関わらずマッサージを行ってしまうと、法律違反で罪に問われてしまいます。

マッサージ師は治療目的、もみほぐしはリラクゼーション目的であり、判断の難しいグレーゾーンもありますが、しっかりと資格を取得して開業したほうが良いでしょう。

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必要な手続きを行おう

マッサージ店の開業には必要な手続きがあるので、あわせて行いましょう。

保健所|開設届

開設届とは、マッサージ店を開くことを保健所に報告する書類です。東京都では、事前に店の図面を持参して相談してから工事に着工し、完成後に保健所のチェックを受けなければなりません。

住んでいる地域によって異なる可能性があるため、必ず自身の自治体の規定を確認してください。

引用元:東京都保健医療局:施術所を開設される方
引用元:東京都保健医療局:施術所(あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう、柔道整復)の開設等

税務署|開業届・青色申告承認申請書

開業に関する書類を税務署に提出することも必要です。

最初に最寄りの税務署か、国税庁のホームページから開業届を取得します。税務署では無料でもらえ、国税庁のホームページからも無料でダウンロードが可能です。

同時に、税金対策ができ、申請自体も無料で行える「青色申告承認申請書」ももらいましょう。

それぞれの書類に記入したら、開業する市区町村の税務署に提出します。原則開業してから1ヶ月以内に提出することが必要で、持参が難しければ郵送での提出も可能です。

引用元:国税庁:A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続
引用元:国税庁:No.2070 青色申告制度

マッサージ師として開業をするときに決めるべきこと

開業への準備を進める際に、もう1つ決めておくべきことは、店の方向性です。マッサージやトリートメント、セラピーなど、様々な種類や手法があり、営業方法なども決めなければなりません。

営業内容や営業方法によって、準備や資金が全く変わってくることも多いので、自分が活躍できる方法を考えましょう。

施術の方向性を決める

最初に、どの種類の施術を中心に行うのかを決めます。あん摩マッサージ指圧師だけでなく、はり師、きゅう師の資格も取得していれば、施術内容に加えることが可能です。

また、セラピストやエステティシャンなどの民間資格を取得していれば、他店と差別化することも可能でしょう。

どのような方向で働くのかを決める

次に決めていく内容としては、営業方法になります。店やスペースを間借りして、そこで看板を立てて施術を行っていく方法と、訪問マッサージ師として店を構えない方法の2つが大きく分けてあります。

どちらが良いかは、条件や考えによって違うのでそれぞれメリット・デメリットはあります。

店を構えてマッサージをする

店を用意してお客様を迎えて施術を行う方法ですが、大切になってくるのは立地です。住宅街の中、駅前、大通り沿い、オフィス街、繁華街など、どこに店を構えるかで利用してくれるお客様の層が変わってきます。

住宅街の中に構えれば、子供から年配の人まで幅広い人の利用が見込まれます。病院の近くであれば、医師の診断を受けて治療として来店する人も多くなるはずです。

駅前やオフィス街であれば、サラリーマンやOLといった比較的若い年齢層の人の来店が見込まれます。そういった場合には、治療よりはリラクゼーション目的の施術内容を考えておく方が良いでしょう。

このように、店の場所をどこにするかで利用してくれるお客様や、来店目的も違ってくるので、そういった需要を見込んで場所を探すようにしましょう。

訪問を専門とするマッサージ師として開業する

店を構えて営業する以外には、訪問マッサージ師としてお客様のところへ行って施術するといった方法もあります。この場合は主に高齢の人や、店に通えない人からの依頼が多くあると思います。

店舗を構えて営業するよりも、訪問の方が大変な部分はありますが、その分やりがいもより感じられる形かもしれません。

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開業にはどれくらいの費用がかかる?

前章を踏まえて、開業にはどれくらいの費用がかかるのかという目安をお伝えします。

店舗にかかる費用|自宅・テナントなど

自宅で開業する場合は、改装費用として50万円程度、テナントなどの店舗物件を借りる場合は、物件の取得に100万円前後、改装に50万円前後を見ておきましょう。また、出張施術の場合は物件取得や改装が不要なため、店舗費用は0円です。

設備にかかる費用|ベッド・家具など

施術に必要なベッドや、店内に設置する家具、事務用品などの設備にも費用が必要です。

・ベッド:5~10万円
・家具類:5~10万円
・事務用品:10万円以内程度
・電化製品:20万円以内程度
・消耗品費:5万円以内程度(毎月必要)

持っているものを使ったり、知り合いなどから譲ってもらえたりすると、出費を抑えられます。

運転資金|家賃など

開業後には、家賃・水道光熱費・消耗品費・広告費などのランニングコストも毎月かかります。上記費用とは別に、当面の運転資金としてランニングコスト3ヶ月分程度も用意しておきましょう。

マッサージ師として独立をすれば収入を増やすことができる?

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開業時に気になる大きな点が収入面です。独立して開業することによって、雇われ社員として働くよりも、どのくらい多く収入が得られるようになるのか不安になる人も多いでしょう。

令和5年賃金構造基本統計調査によると、あん摩マッサージ指圧師以外の職業(はり師・きゅう師・柔道整復師など)も含まれる「その他の保健医療従事者」の月給は305,300円です。また、jobtagデータによるあん摩マッサージ指圧師の年収は443.3万円でした。

開業したからと言って確実に収入が増えるとは限りませんが、増やせる可能性は十分あるでしょう。

引用元:e-Stat:令和5年賃金構造基本統計調査
引用元:e-Stat:令和5年賃金構造基本統計調査 職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)(役職者を除く)
引用元:総務省:統計基準等|分類項目名
引用元:job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET)):あんまマッサージ指圧師 – 職業詳細

売上や経理などの管理をしっかりと行う

施術を行うだけでなく、経営者としてお金を扱う立場でもあります。お金の管理が上手くできずに確定申告や納税で苦労してしまわないよう、しっかりと売上や経費の管理を行うようにしましょう。

そういったお金周りの管理もすることで、お金に対する意識や知識も身に付き、無駄な経費を使わないよう気を付けるようになるでしょう。その結果、収入が増えることに繋がるでしょう。

税理士に頼むことも可能

店の売り上げが安定して、収入もそれなりに余裕が出てきたり、店の規模を拡大して従業員を雇ったりする場合には、給料計算や税金の支払いが複雑になってきます。

できるだけ自分で行い、お金の把握や管理を行っていくのが良いですが、仕事に集中するためにも税理士に頼んでしまうという方法もあります。税理士によっても扱うジャンルの得意分野があるので、複数人の税理士と相談して最も良い人を選ぶようにしましょう。

定年がないので辞めるタイミングは自分で決められる

雇われて働く場合、良い意味でも悪い意味でも、雇う側のルールに従わなければなりません。しかし、自分の店であれば、ルールは自分が決められるので、辞めるタイミングも自分で決められます。

施術ができる限りは生涯現役で働くことも可能であり、経営者として、自らは施術を行わずに従業員を雇ったり、店のマネジメントを行ったりと、立場を変えて継続していくことも可能です。すると、定年という考え方をせずに働き続けられます。

上手くいけば大幅な収入UPも

雇用されて働く場合は収入にも限界がありますが、経営者として成功していけば上限なく収入が得られる可能性もあります。

東洋療法学校協会が定期的に実施しているアンケートでは、月収が55万円以上の施術師(あん摩マッサージ指圧師を含む)が全体の約1.5%いるそうです。経営を上手く行えば、多く収入を得ることは可能でしょう。

引用元:東洋療法学校協会:あん摩マッサージ指圧師・はり師及びきゅう師 免許取得者の進路状況アンケート調査報告書

独立をするときに注意するべきポイント

独立開業をする際には、やはりリスクも考えておかなければなりません。周辺や自分自身の状況に合わせて継続して営業していけるよう、情報収集は欠かさないようにしましょう。

周りの店とサービス内容が被らないようにする

ある程度のターゲット層を絞って店を開業すると、より良いサービスが提供できます。

ご年配の腰痛、肩こりに対する施術なのか、サラリーマンや主婦、OLなどにたいしてリラクゼーション要素を多く取り入れる施術なのか、スポーツトレーナーとしてスポーツ動作の痛みに対して施術を行っていくのかなどたくさんあります。

単に、あん摩・マッサージ・指圧を行うのではなく、そこに何かしらのプラスの要素を取り入れて特定のターゲット層に向けて施術を行っていくと、安定した利用が見込まれるのではないでしょうか。

メニューと料金システム

技術はもちろん、メニュー内容と料金システムがわかりやすく、利用しやすいかどうかも大切です。短時間での施術メニューや格安料金のメニューがあると、気軽に利用してくれるお客様が増えるでしょう。

そこで気に入ってもらい、ゆくゆく高額な施術を利用してもらったり、とにかく店の存在を知ってもらう機会を増やしたりする努力は必要です。

周辺の店よりもマッサージ技術が劣らないようにする

マッサージ店において、マッサージの技術が高いことは絶対条件です。研修や技術講習会、勉強会に参加して常に技術を磨くことはもちろん、お客様の悩みに対してどれだけ答えてあげられているかも重要です。

単に知識や技術を押し付けるのではなく、お客様に対して親身になって施術を行い、必要な技術を提供すれば、自ずと店も軌道に乗っていくはずです。

独立する前にしっかりとスキルを磨こう

高い技術を習得するには、経験を積むことが必要です。しっかりと固定客をつけるためにも、まずは他の施術院やリハビリ施設などで十分なスキルを身につけてから開業しましょう。

自分に合った職場を探すには

マッサージ師としての腕を磨くための職場を探すには、どんな方法があるのでしょうか。

1. 就職・転職エージェントを利用する

まず、企業と人材のマッチングを行う就職・転職エージェントを利用する方法です。マッサージ師の仕事を探すには、医療・リラクゼーション系に強いエージェントをおすすめします。

2. 求人サイトで探す

もうひとつは、数多くの求人情報が集まっている求人サイトを利用する方法です。さまざまな条件を決めて自分で検索できます。医療系やリラクゼーション系に強い、「リジョブ」のような求人サイトがおすすめです。

マッサージ師の履歴書で押さえておきたいポイントとは

つづいて、マッサージ師が提出する履歴書のポイントを押さえましょう。

基本的な書き方をおさらいしよう

まず、書く前に基本の書き方をチェックしましょう。

・黒のペンで丁寧に書く
・修正液を使って書き直すのはNG(下書きすると間違えにくい)
・間違った場合ははじめから書き直す
・誤字脱字のないように気をつける など

志望動機に書くべきこととは?

つづいて、マッサージ師の志望動機として書くべきことを見てみましょう。

マッサージ師を目指した理由

なぜマッサージ師になりたいのか、マッサージ師を志した理由を書きます。過去の経験などを振り返り、マッサージに興味を持ったきっかけを伝えましょう。オリジナリティを出すことも大切です。

その店・サロンを選んだ理由

なぜその店・サロンが良かったのか、そこでなければならない理由も重要です。他店でも通用する内容では、本当にそこに就職したいという意欲が伝わりません。企業研究をしたり、客として利用した際に感じたサロンの魅力を書いたりすると良いでしょう。

マッサージ師として活かせるスキル・強み

マッサージ師として活かせそうな自分のスキルや強みも伝えます。性格や得意なこと、過去の生活・仕事で培った能力(例:コミュニケーション能力の高さ)などをアピールしましょう。

マッサージ師の面接で好印象を与えるには?

最後に、マッサージ師の面接時に押さえておきたいポイントを解説します。

身だしなみ・マナーも重要

面接に臨む前に、身だしなみやマナーをチェックしましょう。だらしない格好は避け、清潔感のある服装で、髪型も整えておきます。受け答えの際はハキハキと話し、自然な表情で時々笑顔を向けることや、きちんと相手の耳に届くような挨拶をすることも重要です。

聞かれやすい質問に答えられるようにしておこう

マッサージ師の面接で聞かれやすい質問を前もって調べ、しっかり答えられるようにしておくこともポイント。「どんな施術が得意か」「お客様とどのように接するか」「将来どんなふうになりたいか」など、質問された際にすぐに返答できるよう準備しておきましょう。

開業で成功するためには準備とスキルが重要!

マッサージ師として開業するための申請や準備は比較的簡単に行うことができます。

ただし、店を持つ場合には、スペースを借りたり改装したりする手間や費用が必要です。また、1人でスタートするのか、従業員を雇うのかでも準備の手間は大きく変わってくるでしょう。

しかし、店を開業したからと言って終わりではなく、継続してどれだけ長く続けられるかが勝負であり、マッサージ師・経営者として問われるところなので、努力は怠らないようにしていきましょう。

なお、マッサージ師の仕事探しには、転職満足度が98%※と非常に高い「リジョブ」がおすすめです。豊富な求人のなかから、検索条件を細かく決めて自分にぴったりな仕事を探すことができるので、気になる求人がないかぜひチェックしてみてください。

※ リジョブ経由で採用された1,242名を対象に実施した満足度自社調査より(実施期間:2023年2月8日〜2023年3月8日)

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