【マナー講師・真山美雪さんが伝授】カジュアルな美容業界でもこれだけは覚えておきたい! 社会人のマナー#3
マナー講師の真山美雪さんに教わる、第3回覚えておきたい社会人の常識。元客室常務員の経験にもとづいた、素敵な立ち居振る舞いを身につけてワンランク上のサービスを目指しましょう!
1.ホスピタリティマインドで接客上手に
ホスピタリティマインドは、相手の立場に立って考え、行動する心のことを指します。接客における基本の挨拶や立ち居振る舞いも、このホスピタリティマインドに基づいているか否かで印象は大きく変わります。
「例えば、条件反射のように『いらっしゃいませ』と上っ面の言葉だけを発するのと、相手の目を見て笑顔で『いらっしゃいませ』と言うのと、どちらが相手にとって気持ちがいいでしょうか。もちろん、後者ですよね。笑顔で出迎えてもらえると関心を持ってくれていることが伝わり、嬉しい気持ちになります」
「また来たい」と思わせる質の高いサービスは、挨拶のような言葉のコミュニケーションだけでなく、姿勢やお礼にも表れます。早速、正しい立ち居振る舞いをチェックしてみましょう!
2.美しい立ち姿を身につけよう
▼正しい立ち姿と悪い例
「ほどよく緊張感のある立ち姿は美しく、きちんとした印象を受けます。いつ見られてもいいように、正しい姿勢を覚えておきましょう」
★POINT
1.ひざとかかとをつけて真っすぐ立つ
2.肩が内側に入らないように胸を少し張る
3.手は自然に体の前で組む
3.好印象を残すご案内の仕方って?
「席に案内するときもホスピタリティマインドを忘れずに。スタスタと先に歩いていってしまうと、顧客は急がされていると感じることも。相手の速度に合わせたり、荷物がいっぱいあるようなら手を貸す、預かるといった心配りをするなど、常に相手に気配りができると好印象に繋がります。手を添えて行く先を示す、段差がある場合は注意を促すとさらに丁寧な印象に」
また、席にご案内したら「こちらへどうぞ」とひと声かけて、椅子を回して押さえておきましょう。「お席はこちらです」とひと言で終わるよりも気配りが伺えて相手は嬉しい気持ちになるはずです。
就活や転職で役立つ! 美しい椅子の座り方
これから就職活動や転職活動を控えている人は必見! 面接時に役立つ美しい座り方を伝授します。
★POINT
1.両ひざをしっかりとつける
2.ひざとつま先をそろえる
3.かかとをひざより前に出す
「ひざ下を少し前に出して座るほうが、美しさが格段にアップ! 面接だけでなく、社内の面談のときにも使えるテクニックなのでぜひ覚えておいてくださいね」
4.最後のお見送りは「分離礼」で丁寧に
お礼は大きく分けて同時礼と分離礼の2種類あります。同時礼は言葉とお辞儀を同時にしますが、分離礼は言葉と動作をわけて行うお辞儀のことです。どちらも間違いではありませんが、ここではより丁寧な印象を残す「分離礼」を紹介します。
step1.
相手の目を見て「ありがとうございました」と言う
step2.
おじぎをする
Step3.
最後にもう一度アイコンタクトを取る
「終わりよければすべてよし、というのは言い過ぎかもしれませんが、そのくらい最後のワンシーンは印象に残るものです。施術やお会計が終わったからといって気を抜かず、最後まで丁寧な応対を心がけましょう」
アイコンタクトも大切なコミュニケーション!
「相手の目を見て挨拶をしましょう」。これは、真山さんが客室常務員時代に何度も何度も教えられたことだそう。基本中の基本のことのように思えますが、おじぎをしたあとのアイコンタクトを省いてしまっている人は多いようです。
アイコンタクトは、相手を受け入れていますよ、という意思表示にもなります。ちょっとしたことでも相手に与える印象が変わるので、ぜひ実践してみてくださいね。
Profile
真山美雪さん
株式会社ビジヨンテツク代表取締役。一般社団法人日本CA協会代表理事。公益財団法人日本電信電話ユーザ協会電話応対技能検定指導者。米国カリフォルニア大学に留学後、日本航空株式会社に国際線客室乗務員として皇室をはじめ数々のVIPを担当。出産を機に退職後、CAの経験を活かし研修講師として仕事を再開。ワールドカップラグビー2015では、ロンドンに開設されたJAPAN パビリオンでVIP接遇やスタッフの教育を担当。現在はホスピタリティのみならず、ストレスケア、メンタルヘルスをテーマにした研修をはじめ、講演も数多く行っている。『誰にでも愛される人の「気くばり」ルール』(宝島社)『人間関係が楽になる「気づかい&マナー事典」』(池田書店)など著書多数。