美容部員になるには?高校生が知っておきたい情報や進路の選び方を紹介

高校時代は進路に悩む人も多い時期。しかし、現在高校生で、「美容部員になりたい」という夢を持っている人もいるのではないでしょうか。

そこで、高校生から美容部員になるまでの道筋にはどんなものがあるのか、進路ごとのメリットと注意点も含めて詳しく見ていきましょう。さらに、高校生のうちにできる、美容部員としての就職に向けた準備についても解説します。

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美容部員について|仕事内容・雇用形態・給与など

美容部員の活躍できる場所は、百貨店や化粧品専門店、ドラッグストアの化粧品売り場などさまざまです。美容に関する知識や技術が求められますが、美容部員になるための資格はありません。

そんな美容部員の仕事内容や雇用形態、給与について紹介します。

仕事内容|お客様の美容の悩みを解決するプロ

主にお客様の美容に関する悩みに対して、ニーズを聞き出し、ニーズに合った商品を提案したり、使用法やコツといった情報を提供したりと、アドバイスをおこなう美容のプロフェッショナルです。

また、お肌の状態を計測する美容機器や、さまざまなコスメを使用して、お客様個人に合った商品や使用法、アドバイスをおこなっていきます。スキンケアからメイクアップ・肌の状態改善や維持など総合的にサポートするため、多くの知識や技術が求められます。

また、仕事場によっては商品の在庫確認や発注・売り場作り・お客様の情報管理・発送作業など、仕事内容も多岐にわたってこなさなければなりません。

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雇用形態|おもに正社員・契約社員・アルバイトの3つ

化粧品メーカーに就職した場合の雇用形態は、正社員と契約社員が多く、ドラッグストアではアルバイトの求人も多く見られます。

ほかにも、派遣会社に登録し派遣社員として直営店で働く方法があります。

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給与|雇用形態によって異なる

働くにあたって気になるのは、給与事情ではないでしょうか。令和6年の「賃金構造基本統計調査」では、10人以上の規模の企業における「販売店員」(美容部員以外の販売店員を含む)の「きまって支給する現金給与額」(月給)が27万1,200円。また、「年間賞与その他特別給与額」(ボーナスなど)が43万9,900円です。

この金額を年収に換算すると、369万4,300円になります。

また、求人サイト「リジョブ」に掲載されている、美容部員の求人から見る給与データは、以下のとおりです。

正社員

月給下限

月給上限

スタッフ

21万6,680円

39万9,910円

店長(候補)

23万9,967円

42万4,162円

アルバイト

時給下限

時給上限

スタッフ

1,189円

1,593円

店長(候補)

1,249円

1,761円

※2025年4月現在

なお、このデータは、化粧品販売・美容部員全体の平均年収であるため、実際の収入は雇用形態によって異なります。あくまで目安程度として、参考にしてください。

引用元
ee-Stat|令和6年賃金構造基本統計調査職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
e-Stat|令和6年賃金構造基本統計調査職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)(Excelダウンロードデータ)
厚生労働省|令和4年賃金構造基本統計調査業種別主な職種早見表

離職率は高い?

美容部員を含む「卸売業・小売業」の令和5年の離職率は14.1%で、産業計の15.4%より低い水準です。とはいえ、離職者数は135万4,600人と決して少なくありません。

離職する理由はさまざまで、結婚や子育てなどによる体力的な厳しさや、同僚やお客様と上手くコミュニケーションをとれないことへの悩みなどが挙げられます。ただし、他のブランドへ転職し、美容部員は続けるという人も多いです。

美容部員は、美容に関する知識や技術はもちろん、接客業でもあるため、コミュニケーション能力が求められます。華やかな職業に感じられますが、見えない部分で努力が必要と言えるでしょう。

引用元
厚生労働省:令和5年雇用動向調査結果の概要 産業別の入職と離職

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美容部員を辞めたいと思ったらやるべきこと|退職の理由や注意点、美容部員の転職におすすめの職種も紹介

美容部員の求人|必要な学歴

ここからは美容部員の求人について、雇用形態とあわせて必要な学歴や求められる人材について紹介します。

正社員|4年制大学・短大・専門学校のいずれかを卒業

たとえば、美容メーカーとして有名なKOSEや資生堂といった企業では、美容部員の募集エントリーを見ると、4年制大学・短大・専門学校を卒業する人を対象にしています。

デパートや総合スーパー・化粧品専門店・ドラッグストアといった場所での勤務が一般的で、年収としては300~350万円くらいが平均です。

なお、各社の実際の求人情報を見てみると、大卒は短大や専門学校卒に比べ、月給にして1~3万円程度、年収にすると10~数十万円程度高い傾向が見られます。

もちろん実績によって差をつけることも可能なので、モチベーションを維持して努力していけば、昇給に繋がっていくでしょう。

引用元
SHISEIDO RECRUITING SITE|募集要項 / 美容職
リクナビ2026|コーセー化粧品販売株式会社の採用情報(初任給/従業員/福利厚生)
マイナビ2026|(株)アルビオン【ビューティアドバイザー職】の採用データ
IPSA 公式サイト|リクルート

契約社員・アルバイト|高校生は不可のところが多い

契約社員やアルバイトの求人の多くは、美容部員経験者や美容関連に携わったことがある人が対象で、学歴よりも即戦力となれる経験を重視している傾向にあります。

とくに、化粧品メーカーの直営店だと社会人経験が必要とされることがほとんどで、必然的に高校生は対象外です。

一方、美容部員未経験者を歓迎している企業もあります。経験がない人でも戦力になれるようなセールスポイントをアピールすることで、採用に繋がるかもしれません。

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4年制大学・短大・専門学校はどれが合ってる? メリットと注意点を比較

これから進学するにあたり、美容部員になるなら大学・短大・専門学校のどれが自分に合っているのかが気になるはず。それぞれのメリットと注意点を押さえましょう。

4年制大学を目指すメリットと注意点

4年制大学の大きなメリットとして、上記のように給与が高いことが挙げられます。年収では数十万円もの差が出ることも。さらに、大手ブランドなどでは大卒以上が採用の条件になっているケースもあり、そのような場合は就職に有利です。

注意点は、4年分の学費が必要な点や、美容に特化した学部学科があまりないため、専門的に学ぶには選択肢が少ないことなどが考えられます。美容に腰を据えてみっちり学びたい場合は、専門学校のほうが合っているかもしれません。

短大を目指すメリットと注意点

短大の通学期間は2年または3年で、4年制大学より短い期間で卒業できます。そのぶん早く就職できるのは、大きなメリットでしょう。また、学生の数が少なめで、就職などに関するサポートが手厚い傾向があります。

ただし、在学は短期間でありながら、専門的な科目以外の内容も学ばなければなりません。そのため、専門学校と比べて学べる範囲に限界があることには注意が必要です。

専門学校を目指すリットと注意点

美容系の専門学校に進学すれば、短期間で集中的に実践的な内容を学べることがメリットです。在学中に美容や接客などのスキルを身につければ、卒業後は即戦力の美容部員としての働きに期待できます。期間が短いぶん、学費も安く収まるかもしれません。

ただし、前述のように給与水準が低い可能性が高いことは注意点。また、「大卒以上」などの条件がある求人には応募できないため、大卒に比べて就職の間口が狭くなる傾向も見られます。

高校生の間に接客技術を学ぼう

高校に在学しているあいだは化粧品メーカーでは働けないことが多いため、接客技術を学んでおくことがおすすめです。

アルバイトで経験を積む|ドラッグストアや大型スーパーの化粧品コーナーなど

在学中に接客技術を学ぶ方法の一つは、アルバイトです。とくに、化粧品販売やアパレルなどの接客・販売のアルバイトは、就職後にも役立ちます。

化粧品を扱うドラッグストアや化粧品販売のイベントスタッフとして、高校生でも応募が可能なアルバイトの募集が出ていることがあります。

化粧品の知識を教えてもらうことはできなくとも、接客技術を学ぶには適した環境であり、早いうちから化粧品販売に携わりたいという人にはおすすめです。

高卒で正社員の美容部員を目指す方法

大手化粧品メーカーは、4年制大学・短大・専門学校を卒業する人を対象としていることが多いのが現状です。高卒で正社員として美容部員を目指すにはどうしたらよいのでしょうか?

「高卒可」としている化粧品メーカーなどを探す

高卒以上で応募可能の求人もあります。たとえば株式会社アルビオンは、4年制大学や短大を卒業した人よりも給与は低くなりますが、高校を卒業した人の募集もしています。

なかには、社会人経験1年以上という条件やセカンドキャリアの募集もありますが、高卒だからといって美容部員になれないわけではありません。

ただし、ライバルが社会人経験者となることも珍しくないため、就職活動は苦労する可能性もあります。

アルバイトからキャリアアップを目指す

化粧品メーカーのなかには、正社員登用をおこなっているところが多くあります。そういった企業でアルバイトや契約社員からスタートし、正社員登用制度を利用してキャリアアップを目指すことも可能です。

はじめから正社員になるのではなく経験を積むことで、真摯に仕事に打ち込む姿勢を会社も評価してくれるでしょう。正社員になりたいからこそ、アルバイトや契約社員を経験するのもひとつの手です。

他の仕事から転職する

入れ替わりの激しい美容部員は、中途採用で人員を確保することも多いです。まずは、ほかの仕事で経験を積み、転職して美容部員を目指す方法があります。

美容部員への転職を有利にすすめられる仕事は、アパレルや化粧品販売、ブライダル、エステティシャンなどお客様とやりとりの多い接客業です。

接客や販売の経験があれば、お客様に直接メイクをする「タッチアップ」をしたことがなくても、評価される傾向にあります。

美容部員は中途採用・転職組が多い?

上記でも伝えたように、美容部員は離職率の高い職業です。華やかに見える一方で努力も必要なため、途中でリタイアしてしまう人も少なくありません。そのためメーカーや美容会社側は、中途採用せざるをえないのが現状です。

とくに新卒で入社した人は研修が始まり、人材育成をしていきますが、最初で挫折してしまう人もいるため、夏から秋にかけて中途採用の募集が出始めます。

クリスマスや年末年始といった、イベントの時期に合わせて戦力を強化していきたいため、とくに美容部員経験者や、同じような業界経験者を中心に募集が行われるようです。

習得しておくとよいスキルや資格

美容部員になるための必須資格はありませんが、化粧品の知識やメイクの技術などは就職してから必要になります。そういった知識や技術は、もちろん就職後に研修で学ぶ内容ではありますが、事前に習得しておくことがおすすめです。ここからは、習得しておくとよいスキルや資格を紹介します。

言葉づかいやマナー、接客のスキル

言葉づかいやマナーは、社会人にとって必須のスキルともいえます。敬語の使い方やマナー・姿勢・立ち振る舞いなどは面接のときから注視されているため、しっかりと身につけておきましょう。

また、接客の経験は大きな役割を果たすといえます。なぜなら、美容部員は接客スキルが欠かせないものであり、見た目よりも体力がいるハードな仕事だからです。アルバイトを通じて、接客のスキルを習得したり体力をつけたりしておくことで、就職後にも大いに役立ちます。

化粧品やメイクに関する資格|専門知識が得られる

化粧品の知識やメイクの技術などを習得するためには、資格を取得することがおすすめです。事前に取得しておくことで、知識や技術があることの証明にもなりますし、美容部員になる意欲をアピールすることもできます。

美容部員におすすめの資格は、メイクや化粧品に関連するものをはじめ、いくつかあります。次項でおすすめの資格について、詳しく紹介します。

美容部員におすすめの資格5選

専門的な知識や技術を持っていると、美容部員としてさらに活躍することができます。ここからは、キャリアアップやスキル向上に役立つおすすめの資格を5つ見ていきましょう。

1. 日本メイクアップ知識検定試験

日本メイクアップ知識検定試験は、メイクアップに関する基礎的な知識や技術を証明するための資格試験です。下位資格のベーシック試験は、メイクアップの基本的な知識や化粧品の成分、肌や顔の構造に関する理解を求められます。

一方、上位資格のアドバンス試験は、メイクアップの応用知識を試す試験です。どちらもマークシート形式の筆記試験がおこなわれます。

この資格は、美容部員やメイクアップアーティストとしてのキャリアアップに役立ち、信頼性のある知識を証明するため、業界内でも広く認知されています。

引用元
一般社団法人 JMA|日本メイクアップ知識検定試験(ベーシック・アドバンス)

2. 日本メイクアップ技術検定試験

日本メイクアップ技術検定試験は、メイクアップの実技に特化した資格試験で、メイクアップアーティストや美容部員に求められる高度な技術を証明するための試験です。

メイク技術力・接客力・知識力を高めることを目的とし、主催元である一般社団法人JMAが定める正しいメイク基準を基本として評価されます。

試験は、基本技術の過程と仕上がりを審査する3級から、モデルの悩みや要望に沿ってイメージメイク技術を審査する1級まで、3つの難易度があります。

引用元
一般社団法人 JMA|日本メイクアップ技術検定試験

3. 日本化粧品検定

日本化粧品検定は、化粧品や美容に関する専門的な知識を有していることを証明する資格です。試験は、間違えがちな化粧品の正しい知識を問われる3級から、化粧品の中身や成分といった幅広い知識を問われる1級までの、3つの難易度があります。

さらに、化粧品の種類ごとの特徴を学ぶことで、肌悩みに合わせた化粧品を選び提案する「化粧品の専門家」とも言える、コスメコンシェルジュ(特級)の資格も。

美容部員としてのスキルアップを目指すなら、ゆくゆくはコスメコンシェルジュまで取得することをおすすめします。

引用元
日本化粧品検定

4. コスメマイスター

コスメマイスターは、化粧品に関する基本的知識から化粧品関連の仕事に従事できる、専門知識の習得を目指すための資格です。化粧品や美容に関する深い知識と、適切なアドバイスを提供できるスキルを有している証明になります。

試験では、化粧品の表記や正しい使い方や化粧品成分の効果・効能、皮膚・アレルギー・光老化・関連法規など、コスメの総合的な知識を問われます。

コスメマイスターの資格を取得することで、美容部員やカウンセラーとしての専門性が高まり、顧客からの信頼を得ることができるでしょう。

引用元
一般社団法人 日本コスメティック協会|Cosme Meister - コスメマイスター

5. 色彩技能パーソナルカラーアドバイザー

色彩技能パーソナルカラーアドバイザーは、一人ひとり異なる肌や髪の色・目の色などに基づいて、最適な色を提案できる専門家としての資格です。パーソナルカラーの理論や実践的な色彩の選定方法を学び、お客様に似合う色をアドバイスできるスキルを有している証明になるでしょう。

パーソナルカラーアドバイザーとしての知識は、メイクアップだけでなく、ファッションなどライフスタイルのさまざまな場面で役立ち、キャリアにおいて強力な武器となります。

引用元
NPO法人日本パーソナルカラー協会|色彩技能パーソナルカラー検定®

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