【美容師のカラー技術】kakimoto arms 篠田佳奈さん流「彩度のあるインナーカラー」#２

カラーリングの需要が高まるとともに、人気上昇中のインナーカラー。kakimoto armsの篠田佳奈さんが提案してくれたのは、そんなインナーカラーに肌に合わせた色味を加えたカラーリング。後編では、その詳しい施術方法を教えていただきました。

篠田さんが提案する『彩度のあるインナーカラー』

髪の内側に、ほんのりカッパーの色味のあるハイライトをオン。肌や目の色に合わせたハイライトカラーで、派手になり過ぎずに立体感が演出できる。

『彩度のあるインナーカラー』の施術ポイント

１. 顔周りから襟足の生え際は、細かくハイライトを入れる

髪を結んだときに表面に出てくる、顔周り、耳上、耳裏から襟足のアウトラインが美しく見えるように、生え際ギリギリから細かくハイライトを入れる。

２.「バタフライチップ」で立体感を出す

ハイライトの技法「バタフライチップ」を間に挟んでいくことで、毛束の中に影がうまれ、立体感が出る。

３. 肌と目の色に合わせた色をオン

ハイライトにのせる彩度の高いカラーは、肌と目の色を見てチョイス。今回はイエローベース肌なのでカッパーに。

HOW TO

Color Recipe

A：ブリーチ（オキシ濃度6％を2倍）
B：ブラウン8レベル（低アルカリ、オキシ濃度3％）
C：カッパー10レベル（低アルカリ、オキシ濃度3％）

１ ベースカット

ドライでベースカット。アウトラインは前上がりに設定し、インナーカラーが見えるように顔周りにしっかりレイヤーを入れる。

２ セクショニング

全体を11セクションに分ける。

３ ネープのアウトラインに細かいハイライトを入れる

ネープセクションからスタート。セクションのアウトラインは、スライスを5mmで取り、幅5mm×深さ3mm×間隔5mmでチップを取る。生え際ギリギリからAを塗布し、四角くホイルで包む。これをホイル2枚分行う。逆サイドのセクションも同様に。

４ 後頭部にハイライトを入れていく

アウトライン以外はすべて、「四角チップ」と「バタフライチップ」の2段重ねでハイライトを入れていく。下段のホイルの2cm上から1枚目のスライスを5mmで取る。幅5mm×深さ3mm×間隔5mmでチップをすくったら、根元5mmからAを塗布し、四角くホイルで包む。

1枚目の5mm下で、2枚目のスライスを5mmで取り、毛先まで長さのある毛束を見計らって太めにチップをとり、逆毛を立てる。

中間～毛先にAを塗布。毛先のハイライトが、仕上げの毛量調節で削られる分を、補強する効果がある。2枚目のホイルは三角に包み、根元をしっかりねじって留め密封する。

ネープ2セクション、後頭部2セクションに、「四角チップ」と「バタフライチップ」の2枚重ねを、毛量に合わせて入れる。

５ 耳上のアウトラインに細かいハイライトを入れる

髪をアップにしたときキレイに見えるように、顔周りと耳上のアウトラインに細かくハイライトを入れる。耳上セクションのアウトラインから、スライスを5mmで取り、幅3mm×深さ3mm×間隔7mmでチップを取る。

生え際ギリギリからAを塗布し、四角くホイルで包む。これを2枚分行う。耳上のアウトラインも、ホイル2枚分同様にハイライトを入れる。このセクションの残りは、「四角チップ」と「バタフライチップ」の2枚重ねを施す。逆サイドの耳上セクションも同様に。

６ ヒーターで30分加温する

前髪とトップにはハイライトは入れない。ヒーターで加温し、30分でチェック。色の抜け具合を見てシャンプーする。

７ 全体をカラーリング

全体の根元、ハイライトのない表面の中間～毛先にBを塗布。ハイライトを入れた内側の髪の中間～毛先にCを塗布。カッパーを重ねることで、ブリーチにより黄みに傾いた髪に赤みをプラスする。20分放置してシャンプー。ドライ後、毛先を毛量調整して完成。

BEFORE

AFTER

スタイリング

今回は、インナーカラーが見えるように動きを出したスタイリングに。32mmのヘアアイロンで、全体を中間からリバース巻きに。ハイライトを入れた髪の内側は、オイルを手のひらになじませ、揉み込む。髪全体の中間～毛先に、オイルとワックスを混ぜて、揉み込むようになじませる。

仕上がり

肌色に合わせたカッパーのハイライトが、髪全体に立体感をプラス。ベースのブラウンとのなじみもよく、派手になり過ぎないからトライしやすい。スタイリングでハイライトが見える分量を調節できるから、TPOに合わせたヘアアレンジが楽しめる。

篠田さんが提案してくれた「彩度高めのインナーカラー」は、寒色系のハイライトに飽きて、ちょっと温かみのあるカラーを楽しみたいという人にもおすすめです。ぜひサロンワークの参考にしてみてください。

▽前編はこちら▽
【美容師のカラー技術】kakimoto arms 篠田佳奈さん流「彩度のあるインナーカラー」#１>>

取材・文：山本二季
撮影：石原麻里絵（スタジオ バンバン）
ヘア：百瀬 優（kakimoto arms）
メイク：篠田佳奈（kakimoto arms）
モデル：ニーマイヤー・セレーナ美華

教えてくれたのはこの人！

篠田佳奈さん

kakimoto arms 青山店 トップカラーリスト

2007年kakimoto armsに入社。入社1年半でカラーリストとしてデビュー後、早くにトップカラーリストに昇格。やわらかく優しい接客で沢山のお客様の悩みを解決しつつ、パーソナルなカラーリングを提案する。カラーリングセミナーの講師や、雑誌でのカラー提案など、幅広く活躍中。

インスタグラム　https://www.instagram.com/kanashinoda/

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