【美容師のパーマ技術】MILK/MURIEL OMOTESANDO acoさん流『ガーリーなカーリーボブ』#1

首周りがタイトなファッションに似合うスタイルとして、昨年から一気に需要が増えている肩上の短めレングス。そんなショートのデザインに定評がある、MILK/MURIEL OMOTESANDO acoさんに、今おすすめのパーマスタイルを教えていただきました。前編では、技術力を高めるためにしていたことや、サロンワークで心がけていることについて伺います。

「MILK/MURIEL OMOTESANDO」 acoさんにインタビュー

「MILK/MURIEL OMOTESANDO」ディレクター acoさん

小さいころから好きだった「髪をいじる」こと

——美容師を目指したきっかけは?

小さいころから、髪をいじるのが好きだったんです。保育園のころは、母の友人で髪が腰くらいまである人の髪で遊ぶのが好きで。小・中学生時代も、自分や仲のいい友人の髪をアレンジしたり。もちろん独学で(笑)。中学生くらいまでは、趣味でいいと思っていたんですけど、高校を決めるときに「美容師」になることを意識しました。親にも勧められて。高校卒業後、ハリウッド美容専門学校に入学しました。

——東京に出てきたのは、どうしてですか?

昔から東京に憧れがあったんです。中学生のころからファッションが好きで、よく雑誌を読んでいたんですが、オシャレな人や可愛い人は、やっぱり「東京」の人で。そのころから、年に2回は東京に買い物に連れてきてもらっていましたね。専門学校に入るために上京して、すごく楽しくて。いっぱい遊びながら、勉強しました(笑)。就職活動のときは、いろんなサロンに髪を切ってもらいに行きましたが、エルフ(milkの前身)に決めてからはずっとここに通って、ここ以外は一社も受けませんでした。20歳で入社して、アシスタントを4年、2009年milkのオープンとともにスタイリストデビューしました。

——アシスタント時代は、どんな風に技術を磨いていましたか?

私がアシスタントのころは、朝晩しっかり練習していましたね。今ほどうるさくなかったというのもありますが、1年目は深夜1時までシャンプーの練習していたり。ちょうど私がアシスタントになるときに上の人がいなくなったこともあり、たまたま先輩スタイリストのメインアシスタントにつくことができたんです。だから、営業中に吸収することが、すごくたくさんありましたね。先輩も、自分のお客様に関わってくることですから、親身に教えてくれて。接客が終わったあと、たくさん指導してもらえました。

後輩に教えるために、技術を理解し直す

——スタイリストデビュー後の練習法は?

アシスタント時代は、ウィッグでの練習がメインで、たまにモデルさんにお願いして練習する感じでした。デビュー後は、いろいろなオーダーがくるので、アシスタント時代に練習していたことじゃ全然足りなくて。サロンワーク中に迷いがあった技術は、その日のうちに先輩に聞いて練習するようにしていました。スタイリストデビューから2年後に店長、その3年後にディレクターを任せてもらえるようになったので、それからは教えてもらうのではなく、教える側になったので最初は大変でしたね。

——どんなところが大変でしたか?

私は、どちらかというと感覚的に施術するタイプなので、人から学ぶときも「こういう感じに作ったらいいんだな」という感覚的なところが大きくて。でも教える側になると、「なぜこうなるのか」と理論的に伝えないといけない。感覚って教えられないので、今まで習得した技術を、改めて理解し直さないといけないなと思いました。それから、いろんな本を読んだり、自分で切りながら、理論的に理解するようにしていきました。

——接客面で、大切にしていることは?

できるだけ、話しやすい雰囲気を作ることです。初対面ですと特に、お客様も緊張されていると思いますので、最初はとにかく明るく接することを意識しています。もちろん、あまり話したくないタイプの方には必要以上に話しかけることはしませんが、会話の中で髪のヒントを得ることも大切なので。カウンセリングでは、髪の悩みやライフスタイルを中心に聞いていきます。着ていらした服を見て、どんなテイストが好きなのか推測しながら、会話の中で「朝はスタイリングしたくない」とか「ふだんあまり化粧しないなら、やりすぎたスタイルは好きじゃないのかな」とか補足していく感じ。お仕事とか、直接的に聞けないこともありますから、会話の中でどれだけ引き出せるかが大切だと思います。

——最近は、どんなヘアスタイルが人気ですか?

私のお客様は今、鎖骨から上のショートレングスの方がすごい多いんですよ。私、すごいロングヘアだったんですけど、出産を機にばっさりショートにしたんです。そうしたら、すごくショートヘアが大好きになって。長い髪より、短い方がデザイン性が高い気がしていて、技術面が重要になってくるんですよね。リピーターの方はお任せと言ってくださることが多くて、ショートレングスをおすすめすることも多いですし、acoさんみたいに短くしたいと来てくださるお客様もいらっしゃいます。自分が好きなのもありますが、やっぱりすごく可愛いし、おしゃれになるレングスだと思うので、鎖骨上のレングスはすごくおすすめです。

——では、これから提案していきたいパーマスタイルは?

ショートレングスのなかでも、パーマを楽しむなら、重めのミニボブが可愛いなと思っています。全体に1.5回転くらいで、顔周りに無造作なカールがついているスタイルは、可愛い雰囲気に仕上がります。今はツヤ感があることも重要なので、ダメージにならないような施術をしながら、くるくるに仕上げてあげたいですね。

Acoさんが提案する『ガーリーなカーリーボブ』

ミドルから1.5回転の平巻きを重ねた、ミニボブのパーマスタイル。裾に向かって広がるカールの重なりが、女性らしくキュートな印象をアップ。前髪から顔周りにくるくるとカーリーな巻きを作って、無造作な動きを出していく。テンションをかけずに巻くことで、柔らかい質感が生まれ、触れたくなるようなパーマヘアに。

acoさん流『ガーリーなカーリーボブ』のいいところ

1.くるくると柔らかなカールで可愛らしく

2.ダメージレスでツヤもしっかり

3.髪が短くても女性らしさ抜群!

自分らしさを求める人が増えるなか、人気が高まっているショートボブのパーマスタイル。ご自身もショートが好きというacoさんが提案してくれたパーマは、その人の髪質に合わせたオリジナリティを感じるデザインです。後編では、提案いただいた『カーリーボブ』の詳しい作り方を教えていただきます。

▽後編はこちら▽
【美容師のパーマ技術】MILK/MURIEL OMOTESANDO acoさん流『ガーリーなカーリーボブ』#2>>

取材・文:山本二季
撮影:奥村亮介(スタジオバンバン)
ヘア&メイク:aco(MILK/MURIEL OMOTESANDO)
モデル:殿岡しおな

教えてくれたのはこの人!

acoさん

MILK/MURIEL OMOTESANDO ディレクター
丁寧なカウンセリングと話しやすい人柄にファン多数。自宅での再現性の高い、確かなカット技術で、ライフスタイルに合ったデザインを提案してくれる。ショートヘアに定評があり、その人の個性を引き出すデザインが人気を集めている。
インスタグラム https://www.instagram.com/milk_muriel_aco/

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Salon Data

MILK/MURIEL OMOTESANDO
(ミルク/マリエル オモテサンドウ)

住所 東京都渋谷区神宮前5-49-10 SK 表参道 1. 2F
TEL 03-5778-9394
URL http://www.milkomotesando.com

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