【美容師のカット技術】STRAMA 佐藤友哉さん流 「ブラントバングのクロップヘア」#1
大人の男性から根強い人気を持つ、すっきりとしたシルエットのショートヘア。オリジナリティを求める人が増えている今、ニーズを押さえつつ周りと差をつけるのに効果的なのが「バング」の作り方です。STRAMAの佐藤友哉さんが提案してくださったのは、個性的なのに似合わせやすい「ブラントバング」を取り入れたクロップヘア。前編では、新鮮でファッショナブルなデザイン提案で人気を集める佐藤さんの、技術力の高め方や髪に対する考え方を伺いました。
STRAMA 佐藤友哉さんにインタビュー
「ファッションが好き」から始まった美容師への道
――美容師を目指したきっかけを教えてください。
小さいころから、「着飾る」ということが好きでした。自分の身に纏うものへの意識や興味、こだわりが強くて、そのひとつとしてヘアスタイルにも自然と向き合っていました。そんな、ファッションというものに強く惹かれるなかで、身に纏うものにおいては、一消費者でありたいなと思ったこともあり、職業には美容師を選びました。高校卒業後、日本美容学校で美容を学び、卒業後ストラマに入社。23歳でスタイリストデビューしました。
――アシスタント時代、技術力を磨くためにしていたことは?
技術を磨くためには、「見る→感じる→考える→試す」を繰り返すことが大切だと思っています。だからアシスタント時代から、多くの視野・視点を持つこと、それを自分のなかで咀嚼し、消化することを意識していました。とはいえ、そのころは、レッスンを早く進めてスタイリストデビューすることが1番の優先事項でしたから、基本技術のポイントを多く意識しつつ、「上手く見せる」という技術習得のしかたをしていたように思います。
技術力の価値向上と、後輩に伝えたいヘアデザインへの姿勢
――デビュー後、変わったことは?
スタイリストになって、デザインを自分で生んでいく作業や、講師として後輩に教えていくことが増えました。その分、自分の技術が「人に与えられるもの」としての価値が高められるよう、その水準を上げるために、毎日自分の技術と向き合っています。
――チーフデザイナーとして、後輩指導などの際に心がけていることはありますか?
チーフデザイナーとして、ということではありませんが、「最初から親切に与えすぎない」ということは、少し意識しています。個人的な想いも混じってしまいますが…。受け身な子が増えたのか、自分がしてきた、「見る→感じる→考える→試す」のプロセスができる子とできない子の差を感じることが多くなった気がします。疑問、質問の目線が低く、自身で解決に向かう能力の弱さを感じることが多いので、本人が自ら考え、行動できるように、トライ&エラーを自分の力で行っていけるような視点の教育ができたらと…。そうすることで、技術をより深め、自分のものにできるような気がするんです。
真摯にヘアデザインと向き合うということ
――ヘアデザインを考えるうえで、大切にしていることは何ですか?
発信するデザインにおいては、自分の中で「新鮮」に感じられるか、かっこいいと思えるかどうかを重視しています。サロンワークでのデザイン提案では、お客様が求めているニーズを知ることと、そのニーズに合った「理想」を叶えられているかが重要だと思います。そして、どちらにおいても、そのヘアデザインが、モデルやお客様にフィットしているかという点とクライアントの意向を汲んでいるかという点は、意識して考えています。情報のインプットは、友人と会うことで自然とできている部分があると思います。ファッション業界で活躍されている方も多く、その中で生まれる時間の中から、『今』のムードを感じ取れているので、ヘアデザインの表現にも自然と反映されていると思います。
――接客面で大切にしていることを教えてください。
「接客」という言葉があまり好きではないせいか、そういった視点でのコミュニケーションは、そんなに得意ではないんです。「接客する」ということではなく、純粋に、一生懸命ヘアデザインをしていることが伝わるような丁寧な仕事と、お客様の機微を汲み取ることを大切にしながら、サロンワークをしています。
――メンズヘアスタイルの最近の傾向は?
20代後半~大人世代は、フレームをすっきりさせたグラデーションベースのショートが、依然としてニーズが高いです。最近では、そこにプラスオン、パーマの需要が増えてきつつあります。10代~20代は、トレンドヘアとしてウルフカットの人気が出ているので、その流れから、レングスが少し長めのデザインニーズが高まりそうな気がします。
佐藤さんが提案する『ブラントバングのクロップヘア』
今回ご提案いただいたのは、佐藤さんが最近気になっているという『ブラントバング』をメインにしたデザイン。一番目立たせたい前髪以外をタイトに作ることで、意外といろんなタイプの人に似合わせやすく、すっきりとかっこいいスタイルに仕上がる。バングの厚みや柔らかさなどを調整して、その人オリジナルのフィット感を作っていくのがポイント。
佐藤さん流『ブラントバングのクロップヘア』のいいところ
1.スタイリッシュな前髪でオリジナリティを演出
2.タイトなフォルムで頭のかたちがキレイに見える
3.バングの厚みや質感調整で、いろんな人に似合う
消費者ニーズの高いショートヘアと、ファッショナブルなバングデザインを組み合わせた今回のスタイル。おしゃれなお客様の多い佐藤さんならではのデザインは、オリジナリティを求める大人の男性にこそ挑戦してほしいスタイルです。後編では、ご提案いただいたヘアデザインの作り方について、詳しく教えていただきます。
▽後編はこちら▽
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取材・文:山本二季
撮影:奥村亮介(スタジオバンバン)
モデル:ホリ ケント
教えてくれたのはこの人!
佐藤友哉さん
STRAMA チーフデザイナー
質の高いベーシックな技術と、丁寧な施術によるクオリティの高い仕上がりが魅力。1人1人に似合わせたフィット感と、雰囲気・色気を持つデザインに定評あり。サロンワークを中心に、一般紙、業界紙へのデザイン提案、ヘアメイク、外部講師としても活動中。
インスタグラム https://www.instagram.com/satotomoya/
Salon Data
STRAMA
(ストラマ)
住所 東京都港区南青山4-18-10-B1F
TEL 03-6804-5388
URL http://strama.jp/