【美容師のパーマ技術】JENO 若奈さん流『パーマで作る波巻き風ウェーブ』#2

ヘアアイロンで髪を巻くのはマストだけど、毎朝するのは大変…。そんな方におすすめのパーマスタイルを、ヘアサロン「JENO」の若奈さんが提案してくれました。
後編では、その詳しい施術方法を教えていただきます。

若奈さんが提案する『パーマで作る波巻き風ウェーブ』

パーマでは再現が難しいとされた、人気の波巻きを実現。ヘアアイロンで巻いた髪をほぐしたような、フラットなウェーブがナチュラルで柔らかな印象に。アレンジ前のひと手間を省く効果も。

『パーマで作る波巻き風ウェーブ』の施術ポイント

１．ねじり巻きでフラットなウェーブに

ロッドに巻き付ける際、毛束をねじることで、フラットなウェーブに仕上がる。各ロッドを同じテンションで巻き付けていくと◎。

２．中間からしっかりカールがつくように前処理を

薬液に反応しやすい毛先に、施術前にしっかりトリートメントを施しておく。これにより中間との反応時間の差を埋め、パーマがかかりにくい中間部分にもしっかりカールがかかるように。

３．前髪はサイドとつなげる

前髪は流しやすくカットし、サイドとつながるようにパーマをかけていく。分け目からだんだんカールを大きくしていくのがポイント。

HOW TO

BEFORE

ほぼワンレングスのストレートヘア。ハリコシがあり、少しパーマがかかりにくい髪質。

ベースカット

アウトラインは、少し前上がりでフラットに。表面にレイヤーを入れ、動きが出るようにする。前髪は斜めに流れるようにカット。

１ ブロッキング

ハチ上を左右に分ける。ミドル～アンダーは、イアトゥイアで前後、センターラインで左右に分け、バックはミドル、アンダー、ネープの3段にブロッキング。

２ ネープ → アンダー → ミドル → サイドの順に巻く

トリートメントミストで濡らしながら巻いていく。
ネープ（アウトライン）は、20mmロッドで2回転の毛先巻き。

アンダーはセクションをさらに左右で半分ずつに分け、4セクションに。23mmロッドを使用。根元付近の内側にロッドを当て、毛束をフォワードにねじりながら巻き付ける。

フォワード巻きになるように巻き付けることで、ゆるっとした仕上がりに。根元からしっかりうねりができる。

ミドル、サイドも同様に巻いていく。同じ巻き方をすることで、フラットなウェーブになる。

３ トップ、前髪を巻く

トップは、左右の耳前とバック4カ所の6セクション。

耳前からリバース→フォワード→リバースの順にミックス巻き。26mmロッドを使用し、中間から毛先まで巻き付ける。

前髪のみクリームパーマを使用。設定した分け目から、17mmロッドで1.5回転、20mmロッドで1回転の順に、カットラインに対して平行に毛先巻き。サイドバングはなじませる程度に、ピンパーマでワンカールさせる。

４ パーマ液をかけて加温

コールドパーマを使用。1液を全体にかけて、ヒーターで加温。5分でチェックし水洗。前髪は一度ロッドを外して流す。

2液を塗布。前髪は再度クリームパーマをつけて巻きなおす。10分放置し、シャンプー。

巻き上がり

スタイリング

根元からドライ。中間～毛先は持ち上げるようにしてパーマを出しながら、毛先に少し水分がある状態まで乾かす。パーマを戻すようにスタイリングムースを揉みこむ。保湿力の高いスタイリング剤で、柔らかな質感に。

AFTER

チークラインから動き出すラフなウェーブが魅力の、リラックス感あるパーマスタイルが完成。秋冬に似合う重めのアウトラインと、フラットな波ウェーブが今っぽい。内側からしっかり動きが出るので、ヘアアレンジも決まる。

そのまま下ろしても、サッとまとめても、手の込んだヘアアレンジでも活躍する『波巻き風ウェーブ』。いろいろな楽しみ方ができるロングヘアだからこそ、提案したいパーマスタイルです。

▽前編はこちら▽
【美容師のパーマ技術】JENO 若奈さん流『パーマで作る波巻き風ウェーブ』#1>>

取材・文：山本二季
撮影：石原麻里絵（スタジオバンバン）
ヘア＆メイク：若奈（JENO）
モデル：高井明日香