【美容師のカラー技術】ACQUA aoyama 泓田 崇さん流 夜空を想わせる『大人モードな暗髪カラー』#2
ACQUA aoyamaの泓田 崇さんが提案する「暗髪カラー」は、カラーリングのレベルとティントだけでなく、髪の質感の印象までコントロールできます。その秘密は、多色配合による色味の作り方。
後編では、サロンワークでも役立つ、カラー履歴のキャンセルから、多色配合、ダブルカラーによる暗髪カラーの作り方を詳しく教えていただきます。
泓田さんが提案する『大人モードな暗髪カラー』
ストレートロングの凛とした雰囲気に似合う、ブルー系の暗髪カラー「スカイネイビー」。トレンドカラーのクラシッブルーをメインに、透明感とツヤのあるカラーリングに。茶以外の色味のみで多色配合することで、暗いカラーを作っている。各色の一番きれいな色を使うことで、色抜け後もキレイなカラーが続く。今回は、黒染めの履歴などもあり、履歴キャンセル+カラーリングのダブルカラーを行う。
『大人モードな暗髪カラー』の施術ポイント
1.カラー履歴の理解とキャンセルは丁寧に
施術後にムラが出ないように、履歴に合わせた配合、塗る順番、放置時間を考えることが大切。きちんと履歴がキャンセルできていれば、ダブルカラーもよりキレイに。
2.茶以外の色味の多色配合で、濁らせながら髪色を落とす
濁り=黒に近づくこと。ここで重要なのが、透明感をキープするレベルの調整。目指すカラーの明るさに対し、色味ごとに一番きれいに発色するレベルを選んで配合していくことで、多色配合で明るさを下げても濁りすぎない色を作っていきます。
3.暗髪のダブルカラーで透明感を出す
通常のダブルカラーでは、ブリーチ後にヘアカラーを重ねますが、暗髪のダブルカラーでは多色配合したアルカリカラーで色を落とした後、さらにレベルの低いカラーを重ねます。ブリーチしないことで、ダメージを抑えつつ、色抜け後も黄みや赤みが出にくい仕上がりに。
HOW TO
A/アルカリカラー サファイア(5レベル):アッシュ(7レベル):グレー(3レベル):シルバー(3レベル):グリーン(3レベル)=2:1:1:1:1(オキシ3%)+ブルーを全体の20%
B/A+ライトナー(13レベル、オキシ6%)を残液に対し10%
C/アルカリカラー サファイア(3レベル)+酸性カラー ブルーを全体の20%(オキシ3%)
BEFORE
根元1cmは新生部。ハチ下から黒染めの履歴あり。1度明るくし、再度カラーで暗くした履歴から、ハチ周りに退色によるオレンジが出ている状態。
1 ハチ上の退色箇所を染める
まずは履歴のチェックから。根元から8cmほど、ハチ上にオレンジが出ている部分を確認。その下からは黒染めの履歴があるのがわかる。
根元から8cm部分にAを塗布。オレンジを解消する色補整の効果ある、ブルーの配合がポイント。
2 黒染めの履歴を解消しながら染める
ハチ下の黒染め履歴がある部分に、黒染めを脱染するためライトナーを加えたBを塗布していく。染まりやすい毛先ワンカール分は外して。
3分放置後、毛先にもBを塗布。15分でチェック。
3 全体にヘアカラーを重ねる
アルカリカラーと酸性カラーを混ぜたCを全体に重ねる。アルカリカラーを混ぜることで、発色が濃くなり、髪表面にハリとツヤが生まれる。10分放置後、シャンプー。30分以内に流すことでダメージレスに。
AFTER
スタイリング
保湿クリームを全体になじませる。ドライは前髪から。分け目がつかないように、左右にテンションをかけながら乾かしていく。全体をブローし、前髪を軽く巻いて完成。
仕上がり
履歴に合わせた2回のヘアカラーで、赤みと現状の髪色を一度フラットな状態にしてからカラーを重ねることで、暗い髪色でも透明感とツヤのある仕上がりに。青みを感じる暗髪カラーは、クールで凛とした印象を与えてくれます。
多色配合により、退色時に日本人の髪に出がちな赤みもカバー。きちんと履歴をキャンセルしてから、髪色を落とせるので、ハイライトを使ったデザインカラーのアフターケアにもおすすめです。
▽前編はこちら▽
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取材・文:山本二季
撮影:高嶋佳代
ヘア&メイク:泓田 崇(ACQUA)
モデル:モリカワアンリ
教えてくれたのはこの人!
泓田 崇さん
ACQUA aoyama スタイリスト/カラーリスト
カットだけでまとまる、お家で簡単にスタイリングができる再現性の高さが人気。伸ばしかけの方からの指名多数。ACQUA唯一のカラーリスト。7、8レベルの暗髪でも透明感のあるカラーを提案している。
インスタグラム:fukke0108