【美容師のカラー技術】ACQUA aoyama 泓田 崇さん流 夜空を想わせる『大人モードな暗髪カラー』#1

昨今、ハイライトを使ったデザインカラーが人気ですが、よりクールで大人っぽいデザインを好む人から支持を得ているのが「暗髪カラー」です。なかでも、ACQUA aoyamaの泓田 崇さんが提案している暗髪カラーは、ただの黒ではない個性的な色味で、髪の質感まで美しく見せてくれます。今回は、2020年おすすめのブルー系の暗髪カラーを提案してくれました。

前編では、技術力アップの方法と、暗髪カラーへのこだわりについてお伺いしました。

ACQUA aoyama 泓田 崇さん インタビュー

ACQUA aoyama スタイリスト 泓田 崇さん

誠心誠意お客様に接すれば、おのずと結果はついてくる

――アシスタント時代に、技術力を高めるためにしていたことは?

アシスタントのときって、自分より上手な人しかいないので、そこでオリジナルをしても上手くはならないなと思って、とりあえず真似をすることから始めていました。先輩の技術を見るときは、同じ角度で見るようにしたり、施術中の体の姿勢とかも全部真似することで、その人と同じ技術ができるようにしていました。

僕の場合は、社長やディレクターなど、トップクラスの方たちのアシスタントにつけたので、とてもいい経験ができました。勉強する場は、人より多かったかなと思います。

――スタイリストになってからは、いかがですか?

スタイリストになってからは、とにかくお客さんをたくさん施術して、経験を積むしかないかなと思っていました。僕は、朝晩の練習はもちろん、作品撮りもずっとしていました。でも、最初のころは売り上げも集客も少なかったので、ほとんどハントでお客さんを連れてきていました。月に30人ずつ。それで経験をつんでいった感じです。

――実際、売り上げにはつながりましたか?

そうですね。その後、インスタグラムでの新規集客がうまくいくようになったこともありますが、売り上げの土台はハントで来てもらった方たちのリピートによるものなので。

――リピートにつながった理由は、何だと思いますか?

なんだろう?(笑)技術を気に入っていただいているというのはあると思うんですが…。あとは、当日の施術の後の話だったり、きちんとお客様の要望を聞くことは大切にしています。美容師は、技術職であり接客業なので、技術を練習するのは当たり前だし、同じように笑顔の練習もしないといけないと思うんです。今はSNSも重要視されていますが、結局のところは、お店でやっていることが全てなので。

うちのディレクターに教えてもらった、「誠心誠意お客様に接すれば、おのずと結果はついてくる」っていう言葉が、すごく好きなんですけど、それに限ると思います。

――若いころ大切にするべき心構えなどアドバイスをお願いします。

美容師のかたちっていっぱいあるので、「自分がどうなりたいのか」っていうのは考えておいたほうがいいかなと思います。目指すところは、その時々で変わっていいと思うんですけど。「俺のつくるスタイルはこうなんだ」って発信するタイプもいれば、お客様の悩みを受信するタイプもいますよね。

僕の場合は、『SHINBIYO』に載っている、いわゆる巨匠に憧れたことで、東京でACQUAに入社しました。でも、実際に働きだして、先輩たちの仕事に触れるようになってからは、メディアでの発信よりも、お店での仕事がすごい大事なんだと思うようになったんです。それからは、サロンに来てくれるお客様を第一に考えて、技術を高める勉強をしてきました。その時その時の目指したいところを持っていれば、それを突き詰めていくだけですから。

あとは、美容師って、お客さんの悩みを解決してあげることが大切なので、人に親切にできる人とか、いい思い出をいっぱい持っている温かい人が、圧倒的に向いていると思います。なので、若いうちにできることって、周りの人にやさしくすること。周りをしっかり見て、親切にできるようになれるといいと思います。

流行と真逆を提案することで確立した自分らしさ

――インスタグラムでの新規集客が増えたとのことですが、きっかけは?

外国人風のハイライトカラーが流行しだしたころに、その逆の暗髪カラーを推していたんです。ハイライトをした人のアフターケアとして。

僕自身が、そんなにハイライトやハイトーンに魅力を感じていなくて。どちらかというとキレイな女性像が好みなので、暗いトーンの髪色が好きだったんです。そこで、地毛がもともと柔らかい色合いの人の髪色をカラーリングでやろうと思って。それが、思ったより需要があったし、時代にも重なったのかなと思います。

でも、インスタグラムは、自分のお客様にデザインの参考として見せるためのツールという面が大きくて。僕は、普通の一般的な暗髪より、さらに深いところまでこだわった暗髪カラーをよく提案しているので、その参考になるように作っている感じですね。

――デザインを考えるときに大切にしていることは?

発信するものについては、直観的に自分がかわいいと思うかっていうのが一番です。あとは、言葉ですね。そのスタイルのテーマが、すっと心に入るようなカラー名やワードを考えます。

よく提案しているのは、「多色配合」という特殊な手法で作った暗髪カラー。美容師の一般常識だと、色が濁ってしまうので、3色以上は混ぜないんです。でも、濁らないように色を選ぶことで、透明感を出しながら髪色を暗くすることができます。どの色を混ぜるとどうなるかっていうのは、今までの経験の積み重ねが大きいです。薬剤の勉強も、かなりしていますから。

サロンワークでは、ヘアカラーとカットデザインのバランスを大切にしています。単純なところで言うと、ロングだと髪が柔らかく見えるカラーも、ショートにしたら重く見えるので少し明るめにしたほうがいい、とか。そういう僕の考えは、お客様にきちんと伝えながらカラー提案をします。

――カラーの動向は?

デザインカラーが今はすごく増えていて、これからも増え続けると思います。薬剤も進化しているので、ブリーチ=悪みたいな考え方はなくなっていくのかな。ハイライト、バレイヤージュ、インナーカラーっていうのは、今後も人気だと思います。

そういう動向があるということは、その逆の需要もあるということなので(笑)。そこも押さえておくと、結果が出るんじゃないかなと思います。

――では、今回のカラーリングについて教えてください。

今回は、2020年のトレンドカラーのクラシックブルーを使った、ブルー系暗髪カラーです。夜空に近い感じの色を作りたくて、いろんな角度から見たときに色が変わって見えるヘアカラーに仕上げました。

ヘアカラーチャートを見てカラーのオーダーをするのって、ちょっと飽きたなっていうのが個人的にあって(笑)。「夜の色」で画像検索して出てきた夜空からイメージして作りました。そのくらい、ヘアカラーって自由でいいかなって思うんです。そういう提案の仕方って、お客様もちょっとワクワクしてくれるんですよね。

泓田さんが提案する『大人モードな暗髪カラー』

ストレートロングの凛とした雰囲気に似合う、ブルー系の暗髪カラー「スカイネイビー」。ブルー系ならではのツヤ感とシャープさが、クールでちょっと個性的な印象に。洗練された大人に似合うカラーリングです。

泓田さん流『大人モードな暗髪カラー』のいいところ

1.髪にツヤと柔らかさを演出できる

2.ブリーチ無しでも透明感が出る

3.ダブルカラーで塗りムラなし!

サロンワークで感じたお客様のニーズからも、暗髪カラーの必要性を確信していった泓田さん。さまざまなカラー知識を応用して、多色配合により透明感を保ちながら髪色を落とす方法にたどり着きました。後編では、そのカラーリング技術について、詳しく教えていただきます。

▽後編はこちら▽
【美容師のカラー技術】ACQUA aoyama 泓田 崇さん流 夜空を想わせる『大人モードな暗髪カラー』#2>>

取材・文:山本二季
撮影:高嶋佳代
ヘア&メイク:泓田 崇(ACQUA)
モデル:モリカワアンリ

教えてくれたのはこの人!

泓田 崇さん
ACQUA aoyama スタイリスト/カラーリスト

カットだけでまとまる、お家で簡単にスタイリングができる再現性の高さが人気。伸ばしかけの方からの指名多数。ACQUA唯一のカラーリスト。7、8レベルの暗髪でも透明感のあるカラーを提案している。
インスタグラム:fukke0108

求人数3万件!リジョブで求人を探してみる

Salon Data

ACQUA aoyama

住所:東京都港区南青山4-20-20
TEL:03-3478-3131
URL:
http://acqua.co.jp/aoyama

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事

近くの美容師求人をリジョブで探す

株式会社リジョブでは、美容・リラクゼーション・治療業界に特化した「リジョブ」も運営しております。
転職をご検討中の場合は、以下の地域からぜひ求人をお探しください。

関東
関西
東海
北海道
東北
甲信越・北陸
中国・四国
九州・沖縄