男性美容部員にはどんな需要があるの?目指す人が持っておきたい心得と男性ならではの強みも紹介
美容部員とは、お客様の肌やメイクの悩みを聞き、アドバイスをしたり、解決できるような適切な商品を提案、販売する職業です。
かつては、”化粧品は女性が使うもの”というイメージが強く、美容部員も女性がなるものとして認識されていました。
しかし最近では、売り場には男性向けの商品が増えてきています。男性の美容部員が働いていたり、男性のお客様が出入りすることも珍しくなくなりました。
ここでは、男性美容部員の需要や、これから美容部員を目指す男性が知っておくとよい心得などについて紹介します。
美容部員は男性でもなれる!需要はあるの?
美容部員は、女性が働いているというイメージは強いものの、女性しか美容部員になれないというわけではありません。美容部員になるための必須資格もないため、男女問わず美容部員を目指すことができます。
では、男性の美容部員にはどんな需要があるのでしょうか?
男性美容部員が必要とされる理由
近年は、化粧品やコスメが女性だけでなく、男性にも浸透しつつあります。
肌の悩みや、メイクの悩みは女性だけが感じるものではありません。そういった悩み事を相談するのに、相手が女性美容部員だと抵抗を感じる男性もいます。女性しかいない売り場には入りにくい、という人も少なくありません。
また、男性ならではの悩みは、同性だからこそ分かってもらえるという安心にもつながり、男性美容部員には需要があるのです。
男性の美意識が高まっている
最近、スキンケアやメイクなど、美容に関心を持つ男性が増えており、性別にかかわらず誰もが自由に美容を楽しめる時代になってきました。
「メンズ化粧品」とも呼ばれる男性向けの化粧品やコスメが、さまざまなメーカーから発売され、化粧品売り場で見かけることも珍しくありません。男性が化粧品を使うことは、身だしなみの1つとしても浸透しています。
こういった男性の美意識の高まりによって、男性美容部員は今後も需要が拡がっていくとみられています。
メンズ化粧品が増加している
株式会社インテージが行った化粧品市場実態調査によると、コロナ禍となった2020年、化粧品市場全体は前年に比べて89%の市場規模へと縮小したにもかかわらず、同じ年のメンズ化粧品市場は104%に拡大しています。
10~20代の男性は、女性用基礎化粧品の購入率が高い一方、30代以上の男性は、男性向けの化粧品を購入しており、2019年よりも2020年の方が年間の購入金額が高くなりました。
10代の男性がメンズ化粧品を購入する割合は約3割、20代で約5割ですが、30代になると約6割、40~60代で約7割にものぼり、メンズ化粧品は、年齢が上がるとともに男性の購入率も上がっていく傾向にあります。
こんなときに男性美容部員だと嬉しい!
どういったシーンで、お客様は男性美容部員に話を聞いてもらいたいのでしょうか?こういうときに男性美容部員だと嬉しい!というシーンを紹介します。
メンズ化粧品のブランドやメーカーを選ぶとき
メイクで使用する化粧品やコスメは「女性のためのもの」というイメージが強い方も多いでしょう。実際にそのほとんどは女性が使用することを前提として開発・販売がされています。
しかし最近では男性向けの化粧品やメンズコスメも多くなっており、なかには男性向けの化粧品やコスメを専門的に扱うブランド・メーカーも増えつつあります。
このような男性向けの化粧品やコスメは、男性の肌質や使用シーンなどを考慮して開発がされているため、使用方法は女性向けの化粧品・コスメとは異なります。そのため、女性の美容部員では適切なアドバイスがおこなえない恐れがあるのです。
男性の美容部員の場合、このような男性ユーザーに対して適切なアドバイスができるため、接客をスムーズにおこなえるという点はお店にとっても大きなメリットとなります。
女性から男性へメンズ化粧品のプレゼントを選ぶとき
男性向けの化粧品やコスメは、女性が彼やご主人へのプレゼントとして購入するというケースもあります。しかし、いくら日常的に化粧品やコスメを使用している女性であっても、男性用の化粧品やコスメの選び方まで心得ている方は少ないでしょう。
このようなシーンでも、男性の美容部員であれば男性の目線からプレゼント選びのアドバイスが有効なのです。
男性が美容部員として働くと、女性目線では難しい化粧品・コスメの選び方に関するアドバイスが可能になります。このことはセールスチャンスを損なうことなく、お店にとってもお客様にとっても大きなメリットになるのです。
男性目線のアドバイスがほしいとき
女性がメイクをする際には、男性受けのよさを重視することもあるでしょう。たとえばデートの前や婚活イベントなど、男性の好みに合うメイクをしたい場合です。美容部員は、このようなシーンに適したメイクやコスメをアドバイスすることも少なくありません。
しかしながら、男性の好みを熟知しているという点では、女性の美容部員よりも男性の美容部員の方が、より説得力のあるアドバイスができる場合があるのです。
男性の美容部員がいるお店では、男性受けのよいメイク方法のアドバイスができる点だけでなく、そのまま化粧品のおすすめや販売ができるという点で需要があるのです。
男性美容部員を目指す人が持っておきたい心得
男性美容部員には需要もありますし、実際に働いている人も多くいます。しかし、女性美容部員に比べると男性美容部員は少ないといえます。
これから男性美容部員を目指す人にとって、心得ておくべきことを紹介します。
女性の多い職場環境である
化粧品の数から考えてみても、男性向けのものよりも圧倒的に女性向けのものが多く、男性美容部員は、女性美容部員よりもまだまだ少ないのが現状です。
同性の同僚が少ない、あるいは職場に男性は1人しかいないということも考えられます。それによって、悩みなどを相談しにくいと感じることもあるかもしれません。また、着替えやメイク直しなどにも配慮が必要です。
はじめは慣れないこともあると思いますが、力仕事や高いものを取ってほしい、男性のお客様への対応を任せたいなど、頼りにされる存在ともなり得ます。知識やスキルを身につけ、誠実でいることを心がけましょう。
女性のお客様が多い
男性の美容への意識の高まりから、メンズ化粧品が増えていて、男性のお客様が来ることはもちろんありますが、女性のお客様が多いことも事実です。
なかには、男性美容部員ではなく女性美容部員に話を聞きたいというお客様や、男性美容部員に抵抗感があるお客様もいることは知っておきましょう。
とくに、直接肌に触れるタッチアップなどは、女性美容部員にしてもらいたいという要望を持つ方もいるので、その場に合った対応を心がけましょう。
男性美容部員ならではの強み
お客様からの信頼を得るために、知識やスキルを磨くことはもちろん必要ですが、男性ならではの強みを活かした対応ができることも大切です。お客様も、働く人も女性が多い環境ですが、男性美容部員の存在が喜ばれる場面もあります。
男性のお客様に喜ばれる
女性ばかりのフロアに男性だけで入りにくい、抵抗があるという男性のお客様にとっては、男性美容部員がいることが安心材料となります。
メンズ化粧品は男性向けのものですし、同性の方が話を聞きやすい場合や、男性特有の肌の悩みは男性の方が理解できることもあるので、そういったお客様にも喜ばれます。
男性目線でのアドバイスができる
男性目線でのアドバイスは、女性美容部員とはまた違った説得力を持っています。
男性特有の肌の性質や、メンズ化粧品のことはよく分からないという女性は少なくありません。男性へのプレゼントにメンズ化粧品を購入する女性のお客様にとって、男性美容部員からのアドバイスは貴重です。
女性向けの化粧品を購入しに来た女性のお客様であっても、男性ウケのいいメイク術や、デートに適したメイクを知りたいという人もいるでしょう。
こういった男性目線での対応ができることは、男性美容部員ならではの強みです。
頼りにされることも
美容部員は華やかに見えますが、重い荷物や在庫を運んだり、高い場所にあるものをおろすなど、女性だけで行うにはハードな一面もあります。女性が多い環境のなかで、力仕事をお願いできる男性美容部員は頼もしい存在となり得るのです。
また、女性美容部員だけではなく男性美容部員がいることで、お店の雰囲気が和やかになるなどの影響を与えることができます。
男性美容部員にも需要はある!
男性美容部員を歓迎している職場としては化粧品メーカーの直営店がとくに多く、そのほとんどはデパートやショッピングモールなどの一角にあります。
これらのお店の所在地としては東京・大阪・名古屋をはじめとした都心部が非常に多く、それ以外では京都や横浜、さいたまなどの各都市も多い傾向があり、勤務地の選択肢は比較的多岐にわたっているといえるでしょう。
また、男性美容部員を必要としているお店の特徴としては、男性向け化粧品・コスメを扱っていることが挙げられます。これらの商品を販売しているメーカーの直営店を中心に探してみるのも一つの方法です。
それに加え、女性向けの化粧品をメインとして扱っているお店のなかにも、男性目線でのアドバイスを提供することなどを目的として男性美容部員を歓迎しているケースもあります。
したがって、業界全体でも男性美容部員向けの求人数は一定数存在し、かつてに比べれば男性の美容部員も活躍しやすい環境が整備されているといえるでしょう。
実際に、男性が多く働いているサロンやクリニックなどから求人もあり、「男性歓迎」といった美容部員の求人も探せます。
男性美容部員として働くことを検討されている方のなかには、雇用形態が気になるという方も多いかもしれません。男性美容部員の雇用形態は正社員と契約社員が多い傾向があります。
就職・転職活動の過程でいきなり正社員として就職するのは難しいと感じたら、まずは契約社員として就職し、正社員として登用してもらうことを目標としてみてはいかがでしょうか。
男性美容部員は職場にもお客様にも必要な存在
女性に比べてまだまだ数は少ないものの、男性の美容部員は職場にとってもお客様にとっても必要な存在です。
メンズ化粧品の種類や品数も増え、男性のお客様も増えていますし、今後も需要が増えていく見込みのある職業ですので、美容に関心のある男性はぜひ美容部員を目指してみてはいかがでしょうか。