本当に欲しい人材って? 採用担当のホンネ【Chara 総店長 大西けん太さん】#1
「こんなスタイリストになりたい!」という理想をかなえるには、技術を磨く努力はもちろん、経験の積み重ねがものを言います。その体験の場となるのがサロン。そこで、人気ヘアサロンの採用担当者に、求めている人物像を直撃しました。さらなる高みを目指している人を応援します!
今回はCharaで採用を担当している総店長の大西けん太さんに採用にまつわるホンネをうかがいます。
今回お話しを伺ったのは…
Chara 総店長 大西けん太さん
スタイリスト歴20年以上。ヴィダルサスーンアカデミー・サンタモニカを卒業後、都内にて腕を磨き、15年ほど前にCharaに入社。得意な施術は毛量、流れ、クセを見ながらのドライカット。また、デザインパーマでも支持を得る。趣味は、読書、ゲーム、海外ドラマなど。
「SNSへの取り組みを重視しない採用とは?」
――まずは、Charaグループについて教えてください。
Charaグループは、40年以上続く歴史あるサロンです。サロンコンセプトは、「お客さまのきれいを最大限に引き出す」で、30~40代の働く女性をメインターゲットに設定しています。
また、「AVEDA」と「資生堂プロフェッショナル」というメニューを導入していることも特徴です。メーカーの認定を取得しなければご提供できないハイレベルな内容になっており、お客さまからも好評をいただいています。
――採用では、どのようなことを意識しているのでしょうか?
もっとも注意しているポイントは「時間を守る人物かどうか?」です。当たり前ではありますが、社会人に必要なベースの力ですからね。そのため、書類選考の時には学校の出欠席や遅刻の回数は気を付けてチェックしています。
また現在はインターネットを使った集客が一般的ではありますが、「SNSのフォロワー数」はほとんど意識していません。なぜなら、よい面と悪い面を持った、もろ刃の剣だと実感しているからです。
私たちは、『その方がSNSに対して、どのような考えを持っているのか?』を採用段階では把握できません。なかには、『プロがサロンをPRするために使うツール』だと認識していないこともあり、社外秘や個人の情報、弱音など、本人にとってマイナスになる発信をしてしまうこともあります。
私は『SNSに取り組む姿勢やマナー』を訓練せずに、新人さんに発信を委ねるのは会社としても無責任だと考えています。そのため、初期段階ではSNSを重視しておらず、まったく取り組んでいなくても減点にはなりません。ちなみに私は、サロンのターゲットとSNSのメインユーザー層が噛み合っているなど、SNS集客に成功するためには、ある程度の条件が必要だと思っています。
『Chara』では、新規集客よりも『サロンのヘビーユーザーさまを増やすツール』だと考えており、向いているスタッフは積極的に活用すればよいし、向いていない美容師は頑張らなくてもよい。苦手なスタッフが力を注いでも結果につながらず、「労力と成果のバランスが悪いな」と。そのため、SNSで発信している内容はヘアスタイルのほか、イベントの告知くらいで、フォロワー数も気にしていません。来店しない1,000人よりも、「ご来店してくださる1人を大切にしたい」と考えています。
――採用のステップについて教えてください。
基本的には3段階で、なるべく早くに合否を出しています。まずはサロン見学&説明会、続いて書類選考、そして面接です。場合によっては、その後にもう一度面接をすることがあり技術チェックをすることもありますね。
サロン見学は随時開催中で、学生から電話が来たら対応しており、実際に話をして仕事を見学してもらいます。説明会は美容学校で行い、サロンで開催することはほとんどありませんね。
書類選考では履歴書と成績証明書を送ってもらっています。実際に会わなければその学生の魅力はわかりませんから、この段階で不採用を決めることはほとんどありません。少なくとも一度は、学生に会っています。
次回は、大西さんが採用を決めた人材のひとりをご紹介します。
▽後編はこちら▽
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