こだわりはニューヨーク×日本!『Hair Mates』の流行に左右されないサロン作りに迫る
約40年前にニューヨークでスタートした美容室『Hair Mates』。その後、自由が丘に日本1号店をオープンし、現在は都内に4店舗、ニューヨークに2店舗、テキサスに1店舗を展開しています。そんな『Hair Mates』が、長年にわたりお客さまから愛され続けている背景には、海外と日本のよさをミックスしたスタイルや個を尊重するチーム体制がありました。
今回は、学芸大学店の代表、飯塚ノリトさんにインタビュー。前編では、流行に左右されないサロン作りに迫ります。
スタイルは、ニューヨーク×日本
————まず、なぜ『Hair Mates』はお客さまから支持を得ているのでしょうか?
「ニューヨークと日本の長所を上手にミックスしているからだと思います。実は『Hair Mates』は、1978年にニューヨークのミッドタウンでスタートしました。ニューヨークは多人種が集まって形成されている地域で、お客さまやスタッフの価値観や文化がバラバラなので、良好な関係を築くためには1人ひとりの意見を尊重して個性を認める必要があります。
そんな環境のなかで、オーナーのTOSHIは『髪を通じて出会った仲間の大切さ』を肌で感じたそうです。ちなみに、店名にもこの想いが込められており『Hair Mates』は『髪を通してつながった仲間』を表しています。ニューヨークと日本をミックスしたポイントは、『スタイル』と『環境』の大きく2つですね」
————それでは、そのスタイルについて教えてください。
「テーマは『普遍的な美しさ』です。このスタイルは、『美しいモノは、いつの時代でも美しい』というニューヨークの考え方から影響を受けています。女優さんの髪型を見るとわかりやすく、日本では20年前のスタイルは古く見えてしまいますが、アメリカでは今でも変わらず魅力的です。
そのため『Hair Mates』ではベースの技術をとても大切にしています。ニューヨークでは主流の髪型がクールな雰囲気なので、そのスタイルはとくに自信があり、メインの客層はその髪型を好む30~40代の女性です。もちろん、日本の流行もきちんとチェックして落とし込んでいます。『普遍的な美に、流行を添える』というイメージですね」
シンプルな内装の理由
————続いて「環境」は、どのようなポイントを意識しているのでしょうか?
「ブームに乗ってしまうと、それが過ぎた時に『古いサロン』と思われてしまうので、流行に左右されない内装作りを意識しています。できるだけシンプルでカッコイイ雰囲気を意識しており、参考にしたのはニューヨークのロフトです。
私は、ニューヨークで美容師として働いていた経験があり、その時にアーティストの友人が倉庫を改装してアトリエとして使っていました。その雰囲気がとても魅力的で、『この空間ならいつの時代でも受け入れられるだろう』と。年月とともにはげて風合いがでる木製の床をはじめ、あえてラフに塗って仕上げもらった壁などが、こだわりのポイントですね。他にもシェーバーやカラー剤もアメリカ製を使っています」
ニューヨークで感じた、人生観の違い
————その他に、海外のスタイル取り入れていることはありますか?
「組織作りも外国のスタイルかもしれません。『Hair Mates』では、個を尊重したチーム体制を目指しています。そのため、休みは周りのサロンよりも多く、ルールも最低限です。また、若手とのコミュニケーションを取りやすくするため上下関係もゆるくしています。
ちなみに、私は海外で働いた時にニューヨークと日本の『仕事についての考え方の違い』を強く感じました。多くのニューヨーカーの考え方は、『人生のために仕事がある』でした。つまり、自分が豊かになるために美容師をしていました。豊かになるためには、ある程度のお金が必要で、そのためには、お客さまをよろこばせないといけない。そのため、一生懸命にサービスをする。
一方、日本のスタイルは『仕事のために人生がある』と考えている方が多いと感じています。仕事をしてお客さまをよろこばせることが第一で、もちろん素敵なことではありますが、その反面、生活はおろそかになっている。残業でプライベートをつぶすこともありますし、給料が低いこともある。
それでは、モチベーションが上がりませんから、個人を尊重して自由さを残すことは、とても大切だと思っています」
流行に左右されないサロン作りの極意
外国人のお客さまも多いという『Hair Mates』。流行に左右されないサロン作りの極意をまとめると、下記の3つでした。
1.ニューヨークと日本のよさをミックスしたスタイルを打ち出す
2.流行に左右されないシンプルな内装を作る
3.チーム作りでは、個を尊重する
後編では、採用や教育の取り組みに迫ります。
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