【美容師のカット技術】GOALD 米田星慧さん流 メンズの前髪悩みを解消する『Vマッシュバング』#1

メンズサロンとして話題を集め、躍進を続けている人気ヘアサロン『GOALD』。美容室としての新たなマインドを打ち出し続けることで注目されていますが、その実績を支えているのは技術力の高さです。

今回は、『GOALD』の執行役員を務め、若者から絶大な人気を集めている米田星慧さんにインタビュー。これまでの美容師としての活動と、ヘアカットに込めた想いをお聞きしました。

『GOALD』執行役員 米田星慧さんにインタビュー

美容師歴7年。都内2店舗を経て、『OCEAN TOKYO』に6年在籍後、『GOALD』の立ち上げに参加。お客様との密なコミュニケーションを武器に、従来の美容師のイメージを覆す「心と心でつながる美容師」として厚い信頼を獲得。テレビ出演やバンド活動などを通して社会問題とも向き合い、若者を中心に高い人気を集める。お客様との日々を綴った著書『15分後、最高にカッコイイ自分になる』が発売中。
インスタグラム:@yonedaseie

―米田さんの活動は多岐に渡りますが、そもそも美容師になろうとしたきっかけは?

中学生のころ、進学校に行っていたんですけど、1日15時間とか勉強していたんです。それがもうイヤすぎて(笑)。そのころに、美容師さんに「美容師は勉強しなくていいんだよ」って言われて、美容師になろうと決めました。

きっかけはそんな感じですけど、真剣に美容師になることを考えていくなかで、「人の笑顔を見るのが好き」なんだなって気づいて。それはずっと核にありますね。

―現在27歳という若さで、『GOALD』の執行役員を務めてらっしゃいます。その経緯は?

実はOCEANを辞めるとき、独立しようと思っていたんです。中村さん(『GOALD』代表取締役 中村トメ吉さん)が辞める前なんですけど。でも、中村さんと話していくなかで、目指すお店のビジョンが一緒だって気づいて。僕は社長になりたいわけじゃなかったので、じゃあ一緒にやろうと。

社長になると、経営のことを考えないといけないじゃないですか。そちらに頭を使っちゃったら、今までの美容師とやってることが変わらなくなっちゃう。でも中村さんなら、美容師として、経営者として、いろんな成功をみんなに作ってくれる。その分、自分は自分のやりたいことを広げていけるんです。本当に、自由にやらせてもらってます。

―執行役員として米田さんの役割とは?

僕の使命は、『GOALD』を今までにない場所に連れていくこと。今までの美容師が見たことのない景色を作ることです。

たとえば、政治家とかオリンピック選手とか、今まで美容師が触れ合わなかった人を、僕はここに連れてくる。あとは、今まで隔たりがあった市販製品と美容室との垣根を取り払って、いろいろな企業様と新しいものを作り出したり。

そういう活動も、僕個人でいろいろなところに連絡をとって、心と心でつながることで実現させています。

―今までの美容師像とは、違った活動をされているんですね。

「美容師=髪を切る人」っていう認識が、僕は嫌いなんです。もちろん、髪を切るんですけど、それだけじゃなくて。髪に触れるのではなく、心に触れる仕事であるということを、美容師の大定義として世の中に打ち出したいんです。

美容師の魅力は、「人の心に直接触れられる」ということ。その子の人生のことを考えて、そのために髪を切る。それが、美容師として、世の中に貢献できることだと思うんです。

―社会問題への発言や、バンド活動などの原動力も、根底は一緒なんですね。

僕は、「世の中にどれだけ貢献できるか」っていうのが、人間として生きるうえで大切なことだと思っています。だから、手段は何でもいいんです。髪を切ろうが、歌を歌おうが、本を出そうが。それが、世の中や自分の周りの人の価値になるか。そこが大切なんです。

『人の心に触れる』仕事だからこそ、失敗はできない

―米田さんは、ずっと男性メインでカットされていますよね。

そうですね。僕の美容師のスタートが、単純に「メンズをかっこよくしたい」という気持ちからだったんです。でも今は、価値観がちょっと変わって。『GOALD』は今「メンズサロン」と謳っていますけど、その「メンズサロン」って言葉を、世の中からちょっとずつなくそうと思ってるんです。LGBTQの観点からなんですけど、繊細な男性がいていいし、強くたくましい女性がいていい。その一歩目を作ろうと思っています。「メンズ」のサロンではなく、「かっこよくなりたい人」すべての髪を切りたいなと。

―施術で意識していることは何ですか?

僕のお客さんは、スタイルをこうしたいっていうより、変わりたいという気持ちで来てくれる人が多いんですよね。「この人だったら自分をわかってくれそう」とか「内側を見てから丁寧に切ってくれそう」と思って、僕と話すために来てくれる。だからこそ、なぜ髪を切りたいと思ったのかっていうところを、すごく大事にしています。

「髪を切りたい」っていうことは、人生の裏側が何か絶対にあるので、そこまで僕ら美容師は入り込めないといけないんですよね。

―技術面では?

とにかく丁寧に切ること。美容師は「心に触れる」以上、髪を切ることで、その人の人生に関わることになります。だから、絶対に失敗はできない。

男性の場合、とくに顔周りは、その人のイメージを決めるところなので、かなり丁寧にカットします。あと、長さが短くなる分、生えグセや浮きグセも出やすいので、そこも丁寧に見ていますね。

―技術力アップのために、必要なことは何だと思いますか?

「努力」しかないですね。僕自身、今27歳でここまで来られたのは、努力してきたからだと思っています。本当に、技術から、接客から、目の前のことすべて頑張りました。自分で説明できるまで、追求していくこと。どんな練習でも、始めたからには何としてでも最後までやり切ることが大切だと思います。

―では、今回作っていただいたスタイルについて教えてください。

僕のカットのモットーは、セットしてもしなくてもいいっていうこと。自分のでその日の髪型を選んで欲しいので、何でもできるようにしておきたいんですよね。そのために、生えグセ、浮きグセをリセットして、乾かすだけで収まるようにカットしています。ポイントは、ややVラインでカットした前髪。韓国っぽくて、少し女子っぽいスタイルは、これからもっと流行りそうだなと思っているので、そんなニュアンスを入れました。

米田星慧さんが提案する『Vマッシュバング』

ベースでクセを解消するカットを施した、ツーブロック×マッシュの韓流男子風ショート。ややVラインの前髪が、ほんのりフェミニンさをプラス。男性の髪悩みに多い「前髪が決まらない」を解消するカット技術を取り入れている。

米田星慧さん流『Vマッシュバング』のいいところ

1. 顔が小さく見える

2. ハチの張りをカバーできる

3. セットしなくても決まる

お客様の心に触れる密なコミュニケーションはもちろん、その人のイメージを決定づける顔周りのデザインで絶対的な信頼を集める米田さん。「前髪カットなら誰にも負けない」と言い切る自信を裏付けるのは、積み上げてきた努力によるものなのだと感じました。

後半では、そんな米田さんの施術の流れを詳しく教えていただきます。

▽後編はこちら▽
【美容師のカット技術】GOALD 米田星慧さん流 メンズの前髪悩みを解消する『Vマッシュバング』#2>>

取材・文:山本二季
撮影:高嶋佳代
ヘア:米田星慧(GOALD)
モデル:合田悠樹

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Salon Data

GOALD(ゴールド)

住所:東京都渋谷区神南1-22-7 岩本ビル5F
TEL:03-6455-2283

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