【美容師のカット技術】GOALD 米田星慧さん流 メンズの前髪悩みを解消する『Vマッシュバング』#2

話題のメンズサロン『GOALD』の執行役員として、若者を中心に絶大な人気を集めている米田星慧さん。熱い発言と、多岐に渡る活動で注目される彼ですが、その人気を支えているのが、お客様の悩みを確実に解消する技術力です。

後編では、米田さんが今イチオシしているメンズスタイルの作り方と、スタイリング方法について教えていただきました。

米田星慧さんが提案する『Vマッシュバング』

ツーブロック×マッシュの韓流男子風ショート。ややVラインの前髪がユニセックスな印象。髪のクセを見ながらグラデーションとレイヤーでフォルムを作っていくため、スタイリングなしでも自然と頭のかたちがキレイに見える。

『Vマッシュバング』の施術ポイント

１. ガイドは長めにとり、細かく削る

一気に長さを切ってしまうと、クセが出る位置が曖昧に。きちんと見極めるために、ガイドは長めにとっておいてから、少しずつ削っていく。

２. ハサミを斜めに入れる

ハサミを斜めに入れることで、透け感、束感を調整。

3. 梳きすぎない

メンズの前髪で、「透ける」「割れる」はNG。全体はチョップカットなどで調整し、梳きバサミはデザインを整える程度に。

HOW TO

BEFORE

前回のカットは3カ月前。マッシュベースで、襟足の刈り上げが伸び切った状態。

１ アンダーセクションをカット

ハチが浮きやすいので、生えグセに合わせて、ハチ下ギリギリでブロッキング。

シェーバーで、もみあげを刈り上げる。ベースは6mmで刈り上げ、骨格のへこみに合わせて頬骨上は3mmで刈り上げて、色の濃淡が出ないようにする。

バックは奥行きを目で見ながら、面で刈って長めにガイドを作る。下からえぐるようにシェーバーを動かして。

コームを当てて、少しずつ削っていく。襟足は5mmで濃淡が出ないように整える。

２ トップセクションをカット

トップセクションのバックのアウトラインをカット。長めにガイドをとっておく。

前髪は、クセの種類を見極めてブロッキング。髪自体のクセと、生えグセの境で分けとる。

ややVラインにカット。生えグセのあるサイドは毛流れに沿って、髪自体にクセがあるサイドは斜め気味にカットすると、まとまりやすい。

サイドは耳上までまっすぐカットして、やや前下がりのフォルムを作る。

３ グラデーション＆レイヤーで整える

前髪の一段上にレイヤーを入れて丸みを作る。サイドは角度をつけてグラデーションカットを施し、軽くしていく。

バックは、骨格と生えグセに合わせてパネルを取る。骨が出るところにはレイヤー、凹むところにはグラデーションを入れて、全体のフォルムを整えていく。浮きグセが解消されるところまで、全体を細かく削っていくイメージ。

４ セニングで質感調整

梳きバサミを使って質感を調整する。細かく毛束を取り、ハサミは斜めに入れる。毛束に対して3カ所ほどハサミを入れ、曲がる位置を作るイメージで。最後は、鏡に映る顔を見ながら微調整。お客様と同じ目線で見ることが大切。

カット前

カット後

目を魅力的に見せる長さのV字バング。耳周りと襟足はスッキリさせ、頭のかたちがキレイに見えるように高い位置にボリュームをオン。スタイリングなしでも、サラッと決まるスタイルに。

スタイリング

短いところは細いストレートアイロン、長いところは12mmのアイロンを使用。細く毛束を取り、ねじりながらアイロンに巻きつけて、ランダムに動きをつける。ソフトワックスとハードワックスを3：1で混ぜ、髪の内側にもみ込んで全体を散らす。

仕上がり

ランダムな動きをつけて男っぽい雰囲気ながら、柔らかな質感でユニセックスな印象に。

スタイリングなしでも、前髪ありでも、前髪を上げてもOKという、米田さんが提案してくれた『Vマッシュバング』。クセの種類を見極めたカットで、男性に多い「前髪が決まらない」という悩みを解消してくれます。マスクをつけるのが当たり前になった今、すっきりとした耳周りとデザイン性のある前髪を兼ね備えた今回のスタイルは要チェックです！

▽前編はこちら▽
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取材・文：山本二季
撮影：高嶋佳代
ヘア：米田星慧（GOALD）
モデル：合田悠樹