【SNS活用術】「朝時間ない」「保護者会」お母さんの琴線に触れる言葉をキャッチーに!【SALOWIN 池袋 SOSHIさん】#2
オーダーの約95%がショートスタイル。ノーアイロン&ノースタイリングを掲げ、何かと忙しいお母さん世代に支持されるフリーランス美容師SOSHIさん。Tik Tokで打ち出したヘアスタイル投稿をきっかけに、SNSからのお母さん世代の来店が増えたのだそう。注目すべきは、クスッとさせるワードセンス。SOSHIさんのユーモラスな投稿から、引きのあるサムネづくりのヒントを得られるはず。
後編では、40〜60代に多いお悩みと反響の良いヘアスタイル、世間のお母さん達にささる言葉選びについて教えていただきます。
教えてくれたのは…
「SALOWIN 池袋」SOSHIさん
都内のサロン2店舗に勤めたのち、2020年にフリーランスに。「ノーアイロン」「ノースタイリング」でキマるショートスタイルを得意とし、来店の多くは40〜60代のお母さん世代。InstagramやTik Tokではヘアスタイル投稿に絞って発信しており、お母さん世代の心を掴むユーモアに溢れたコピーが特徴的。
Instagram:@soshi_sh
Tik Tok:soshi0523
母世代に打ち出しやすいのは「長めショート」
――ショートヘアのオーダーが大半を占めているとのことですが、サロンで上がる声としてどんなお悩みが多いですか?
「ツヤが出ない」「ボリュームがなくなってきた」「子どもが小さいので、スタイリングにかけられる時間がない」などの理由でショートヘアを選ぶ方が多いです。
僕が得意としているのは、やや長めのショートヘア。顔まわりに関しても「エラが気になる」「面長が気になる」「たるみが気になる」「二重顎が気になる」のようなお悩みを多くいただくので、そういうお悩みをカバーできるように、後ろはすっきりさせつつ顔まわりを長めに残すようにカットしています。長めショートはお母さん世代に打ち出しやすいですね。
実際にInstagramでショートヘアを打ち出したとき、短めよりも長めの方が反応が良かったんです。
こちらの方も「ほとんどボブかな」っていうくらいのスタイルなのですが、保存数もいいね!数も圧倒的に多かったんです。美容師のコンサルをやっていた友人曰く、「インサイトが全て。そこにお客様の求めているものが現れているから、保存数といいね!数が多いものを投稿し続けた方が良い」らしく、この投稿を定期的に上げているのですが、毎回必ず数字が伸びるんですよ。だから、一時期は似たようなスタイルを打ち出すようにしていました。
お母さんに関わりのある行事や感情を載せる
――SOSHIさんのヘアスタイル投稿は、引きのあるワードセンスに脱帽です。
美容師さんの投稿を真似するのをやめて、「一年で○万円貯金した」「100均の便利グッズ」などの暮らし系の投稿を参考にするようにしたんです。暮らし系の投稿ってサムネづくりが上手いんですよ。「それってどういうこと?」と思わせる言い回しを意識的に載せるようにしてから数字が伸びるようになりました。
――「PTA」「保護者会」などお母さん世代にとってなじみのあるワードを効果的に使われていますね。
お母さん達が「そうそうわかる!」となるような言葉をサロンワークから拾っています。
――ちなみに、お母さん世代はSNSに自分が載ることに対してどんな反応ですか?
やっぱりSNSに載ることに抵抗を持つ方は多いですね。恥ずかしさと、不特定多数の人に見られることに少なからず恐怖を感じるようで、結構お断りされます。許可してくださる方でも「後ろ姿だけなら」という感じ。
ストーリーに写真を載せたことでお叱りを受けたことも過去にあります。「写真を撮って良いとは言ったけど、SNSに載せて良いとは言っていない」と。なので、「Instagramにアップしても良いですか?」とまできちんと確認するようにしています。
若い世代だと「この美容師さんのインスタに載った〜」と、ある意味ステータスに感じている部分もあると思うのですが、お母さん世代の場合は少し慎重になった方が良いかもしれませんね。
全部やって、全部続けることが大事
――ちなみにSOSHIさんはご自身の顔出しはしないのですか?
一度だけ自分のプロフィールを紹介したことがあるんです。理由は、お客様に「SOSHIさんって思ったより若い方だったんですね」と言われることがすごく多かったから。でも、やっぱりお客様と同じく恥ずかしいので…(笑)。美男美女なら自分の顔を武器にできますけど、僕は自分の顔に自信がないし、もっと武器にし得るものが他にあるなと。
でも、Tik Tokの場合はもっと顔出しをしていくべきかなと思っています。今伸び悩んでいて、フォロワー数は5000人くらいでストップしているのですが、ヘアスタイルの投稿ばかりではInstagramのようには伸びていかないだろうなと。Tik Tokは「カッコいい」「可愛い」で数字が伸びる傾向があるので、自分が映っているカウンセリング動画をこれから出していきたいと思っています。
――最後にSNS集客においてアドバイスをお願いします。
全部やって全部継続すること、ですね。
フリーランスになって、僕も最初の頃は売れない時期はありました。土日なのにお客様はゼロという日もあって、正直めちゃめちゃしんどかったです。そんな状況の中で自分ができることはSNSを全部やることだ!って。「売れていない=時間がある」とポジティブに捉えて、当たるまでずっとやること。暇な時間をどう使うかが集客につながると思います。
お母さん世代の心を掴むヘアスタイル投稿のコツ
1 美容師以外の投稿を見て、引きのあるサムネを学ぶ
2 お母さんにとってなじみのある行事や気持ちをサロンワークから拾う
3 お母さん世代のお悩みを解消するヘアスタイルを打ち出す
取材・文/佐藤咲稀(レ・キャトル)
撮影/柴田大地(fort)
イラスト/なとみ みわ