転職活動を通して見つけた、なりたい自分の姿「MaNo」ayaさん
再現性の高いカットを前面に押し出し、東京の世田谷を中心に3店舗を展開する「MaNo」。2021年に入社し、現在はスタイリストとして活躍するのがayaさんです。前編ではどのようなことを大切に、自分に適したサロンを選んだかを伺いました。
後編では実際の採用試験を振り返っていただき、事前にしておくとよい準備について伺います。就活をスムーズに進めるために大切なのは、自分がどうなりたいか、何をしたいかというビジョンをしっかり持つことだとayaさんは考えているそうです。そのビジョンを見つける方法についても教えていただきました。
今回、お話を伺ったのは…
ayaさん
「MaNo」スタイリスト
都内のサロン1店舗を経て、2021年「MaNo」に入社。高い技術力を身につけたいとの思いから、アシスタント期から意欲的に練習に取り組む。2023年10月にはスタイリストデビューを果たし、ウルフカットとブリーチを得意とする。
面接ではうまく答えられない質問も。思いだけは伝えることを意識
――採用試験はどんな内容でしたか?
面接とサロンワーク試験です。サロンワーク試験は2日をかけて3店舗すべてで行う形でした。当然試験なので技術を見られる面もあったとは思うのですが、基本的には一緒に働いてみて、お互いに働くイメージがつくかを見る、アンマッチを防ぐ面が強かったのではないかと思います。
緊張もしましたが、みなさんが楽しそうに仕事をしていることが印象的で、私もここで一緒に働けたら楽しいだろうなと、強く思いましたね。逆にキラキラしすぎていて、私はここでちゃんと働けるかなと不安になったりもしました(笑)。
――面接で聞かれたことで印象的だったのは?
どういうスタイリストになりたいですか?と聞かれたことです。私は技術を磨きたい思いはあったものの、それがどんなスタイリストかと聞かれると、あまりはっきりとしたイメージがなくて、うまく答えることができず焦りました。ただ、技術を磨ける「MaNo」で働きたい気持ちは強かったので、その思いだけはしっかりと伝えました。
――ちなみに就活試験を受ける際に、事前に準備をしていたことはありますか?
面接で聞かれそうなことは、事前にかなり細かく準備をしていました。ただ、「MaNo」の面接は、かしこまった面接というよりは面談に近い形で、よくある想定質問はあまり聞かれなかったのですが(笑)。それでも面接に際して準備をしたことで、自分や自分の仕事について振り返るいい機会になったとは思っています。
――その後、採用連絡を受けたわけですね。どんな気持ちでしたか?
はい、1週間ほどで採用の連絡がきて、とてもうれしかったことを覚えています。緊張感はありましたが、働き出すのがとても楽しみでした。
人に相談することで、思いを言語化できることも
――これから就活試験を受ける方に、準備しておくといいことのアドバイスはありますか?
自分の進みたい方向性を見つけておくことが大切だと思います。美容室というのは本当にたくさんあるので、自分が何をしたいのか、どういう自分になりたいかを意識しておくと、スムーズにサロン選びができるのではないかと思いますね。
――自分が何をしたいのかを見つけるのも難しいことだと思います。何かおすすめの方法はありますか?
私は、周りに相談することで気付いていくタイプでした。前職を辞めたいと思ったときも、最初は何が嫌なのかが言語化できていなかったんです。親や友達に相談したときに、「なんでやめたいの?」、「本当はどうしたいの?」と聞かれて、そこで話しているうちに自分はもっと技術を磨きたいんだ、という気持ちに気付けました。人に話すことで気持ちに気付いたり、整理できたりして、段々と方向性が定まっていくこともあるのかなと思います。
あとは私は現場を見ることで、自分がそこにいたらどんなことができるかを想像するタイプだったので、サロン見学に伺ったときに、「ここだったら働きたい」とか、「少しイメージと違うな」という感じで、なりたい姿が想像できた気がします。
――入社後のお話も聞かせてください。入社後は、まずどんなお仕事からスタートしましたか?
以前に働いていたお店でアシスタント業務は2年ほど行ってきましたが、サロンによってやり方が違うので、技術面に関してはゼロからの再スタートという感じでした。シャンプーもチェックを受けてから、お客さまに入る形でしたね。ただ、その後技術練習をしていく際には、カリキュラムの一部を飛ばしてもらったりはしました。
――入社後にはどんなことを感じましたか?
素直にいい会社に入社できたと思いました。まずは週1でスタイリストに技術を見てもらえる勉強会があるということに、衝撃を受けました。以前働いていたサロンにはそういった機会がなかったので、やはり技術に真剣に向き合える環境だと思い、それはすごくうれしかったです。
あとはサロンの雰囲気も、思った通りでとてもよかったです。よくアットホームという言葉がありますが、このサロンほどその言葉が似合うサロンはないなと思ったんです。会社の1年の経営計画を話すような全体会議があって、「みんなでがんばろう!」と結束したり、社内の飲み会にスタッフの家族が参加していたり。そしてアットホームななかにもメリハリがあって、楽しむときはしっかり楽しんで、真剣に取り組むときは取り組む空気がありました。
この環境のなかでなら自分は成長できると思いましたし、実際、スタイリストデビューまで走り抜けることができたと思います。
大変なことがあっても、お客さまが喜んでくれればすべてがチャラに
――就活を振り返ってみて、どういう学びがあったと感じますか?
就活は自分を見つめ直せる機会なのかなと思います。正直、新卒採用のときよりずっと自分や、これからの仕事について考えましたね。仕事をしながらの就活は大変な部分もありましたが、自分を知り、自分にあったサロン選びを諦めなくてよかったと思っています。
――これから美容業界を目指す方にアドバイスをお願いします。
私が転職を経験して、成長するためには環境がとても大事なんだと改めて気付きました。自分の進みたい方向性が決まったら、そこに少しでもあうところを探すのがいいのかなと思います。
この仕事をしているとお客さまの人生の節目にも携われますし、一緒に人生を経験させていただいているような気持ちになるんです。大変なこともありますが、お客さまが目の前でうれしい反応を返してくださることもあるので、きついことがあってもチャラになるくらい、やりがいがある、とても楽しい仕事だと思います。もちろん同じくらいプレシャーもありますが、それがあるからもっと勉強しよう、練習しようというモチベーションにもなると思うんです。そんな美容の仕事の魅力に気づき、美容の楽しんでくれる人が増えたらうれしいなと思います。
ayaさんが就活で大切にした3つのこと
1.質問にうまく答えられないことがあっても、思いだけははっきりと伝えた
2.人に相談したり、サロン見学を通して、なりたい自分の姿を明確にしていった
3.自分にあった環境に出合えるまで、諦めなかった
お話を伺っていて、ayaさんが本当に美容師の仕事が大好きで、だからこそ仕事をしながらの就活という大変なことでも乗り越えられたのだと感じました。美容師になりたい方、転職を考えている方はぜひ参考にしてみてくださいね。