美容師の仕事に秘められた、大きな可能性を信じて 「CHAINON」下田鉄也さん
2019年の創業から4年で14店舗を出店し、10億円企業にまで成長した美容室「CHAINON」。2023年に入社し、2024年にオープンした「CHAINON」初の旗艦店、「THE CHAINON AOYAMA」の中心立ち上げメンバーとして活躍しているのが下田鉄也さんです。
前編では有名店、都内美容室の立ち上げ、中国のサロンでの勤務と、これまで在籍してきた3社での経験についてお話を伺いました。
後編では中国から帰国した下田さんが「CHAINON」に転職した理由について伺います。当初は東京で1年ほど美容師として働いたらマレーシアに行きたいと考えていたという下田さん。しかし「CHAINON」の企業としての成長スピードに驚き、考えを改めたといいます。またさまざまなフィールドで活躍してきた下田さんが考える、転職の醍醐味や、美容師という仕事の可能性についても語っていただきました。
今回、お話を伺ったのは…
下田鉄也さん
「𝐓𝐇𝐄 𝐂𝐇𝐀𝐈𝐍𝐎𝐍 𝐀𝐎𝐘𝐀𝐌𝐀」スタイリスト
美容専門学校卒業後、「SHIMA」へ入社。4年半後に、先輩から声をかけられたのをきっかけに「BELEZA」の立ち上げに参加する。2018年には中国に渡り、月の売上が500万円を超える人気美容師に成長。2023年中国からの帰国後、「CHAINON」に入社し、2024年にオープンした「CHAINON」初の旗艦店、「THE CHAINON AOYAMA」の立ち上げ中心メンバーに抜擢される。顧客からは本場仕込みのワンホンヘアやレイヤーカット、ケラチントリートメントなどで絶大な支持を集めている。
早すぎる事業拡大のスピード。会社にいる方がやりたいことを実現できる
下田さんが中心立ち上げメンバーとして携わる「THE CHAINON AOYAMA」。急成長する「CHAINON」初の旗艦店
――「CHAINON」に入社したきっかけは？
2023年の2月末に中国から帰国したタイミングで、「CHAINON」代表である坂口のインスタに「マレーシアへの『CHAINON』出店を考えている」と書かれてあるのを見て、こちらからDMをしたのがきっかけです。
当初は、日本の薬剤が色々変わっていることもあったので1年くらい東京で美容師として働いてから、マレーシアに行こうと考えていました。せっかく中国語ができるようになったので、マレーシアであればそれが活かせると考えていたんです。マレーシアは中国と比べるとマーケットは小さいですが英語文化もあるので、英語が勉強できるのも自分にとってはプラスだと思っていました。
――マレーシアに行きたい気持ちは、今でも変わりませんか？
いえ。最初はマレーシアに行くまでの準備期間という気持ちでしたが、「CHAINON」で働いているうちに、段々と気持ちが変わって。今は会社のなかでもう少し成長したいという気持ちになり、「CHAINON」の旗艦店となる青山店の立ち上げを中心となって進めています。
というのも「CHAINON」の事業拡大スピードが早くなっていて、坂口と各所のつながりも強くなってきているからです。また自分にとって一番大きかったのは、「CHAINON」に所属しているほうが、自分のやりたいことの実現を会社がサポートしてくれるという点でした。
あと「CHAINON」は、会社としての魅力もとてもあると思っています。先日も会社で制作発表会があったのですが、坂口が会社やスタッフのために動いてくれていることが感じられました。そしてそれに応えるように、マネージャー陣がスタッフの写真を集めて坂口にメッセージを送ったりしていて。そういう場面を見ていても、みんな心からの笑顔なんですよね。良い会社に出合えたなと思っています。
自分が作りだしたものをほめてもらえることが、美容師のやりがい
下田さんが作り上げるワンホンヘア。その技術を求めてお客さまがきてくれたときにも大きなやりがいを感じるという
――今後の展望はどのように考えていますか？
最終的には自分がプロデュースした商品を世界に向けて発信したいと思っています。ただやはりサロンワークをしていないと現場の感じもわからなくなってしまいますし、お客さまを担当するのは好きなので、美容師を続けながらプロデュース業もできればいいなと思っています。
――美容師の仕事が好きと思えるような、魅力はどんなところにあるのでしょうか。
単純にお客さまとお話するのも好きですし、お客さまへの提案がうまくスタイルに落とし込めたりしたときにはやりがいを感じます。この楽しさはアシスタント時代からずっと変わりませんね。練習は大変でしたが、モデルさんを担当するのはとても好きでした。自分が作ったものを世に出してそれをほめてもらえるとか、反応をもらえるのがとても好きなんだと思います。承認欲求が強めなのかもしれません（笑）。
あとは技術を探求する楽しさがありますね。新しい商材や技術が次々と出てきて、美容師の技術探求には終わりがありません。ひとつの道を追求していくのも、好きな方なんだと思います。
――お話を伺っていると中国のマーケットの可能性を感じていたりと、かなり広い視野をお持ちですよね。それは元からなのでしょうか？
いえ、これまで何度か転職を経験して、徐々にそうなっていったと思っています。転職をして活動の場を移すたびに、ほかの美容師さんの技術の高さや知識の多さ、世界の広さを感じることができました。そうするとどんどん視野が広がっていきます。ただ転職をすればいいというものでもなく、だれと一緒に仕事をするかもとても大きいと思っていてます。世界観や視野の広がりに触れられるような出会いが、これまでもたくさんありました。
美容師は、技術があれば可能性がいくらでも広がる仕事
美容師の持つ可能性について話す下田さん
――最後に、これから美容師を目指している人へ、アドバイスをお願いします。
僕は美容師の仕事には大きな可能性があると信じています。技術があれば僕のように外国に行くなど、どこでも活躍の場を広げることができると思うんです。日本人の美容職ブランドというのは、中国だと少しブームが落ち着いた感はありますが、まだまだ需要はあります。そしてやった分だけ結果が出やすい仕事だとも思っています。技術をつければ収入を大きくあげることも夢ではありません。
ただ、技術があれば、と先ほどいいましたが、実は美容師の仕事は技術を追求する以外にもやらなくてはいけないことがたくさんあります。スタイリストになって売上をあげたいと思ったら、集客がとても重要で、そのためにはSNSでの発信力も問われるようになるでしょう。
でもだからこそ、その仕事のなかにどう楽しさを見つけるかが大事だと僕は思っています。夢もあるし、やりがいもあるこの仕事をどう楽しむか、その方法をぜひ見つけてほしいですね。
下田さんが美容師として活躍の場を広げた3つの理由
1.ビジョンを持ちながらも、自分に必要なことだと感じれば臨機応変に対応をしてきた
2.自分の視野を広げてくれる場所を、常に探してきた
3.美容師の可能性を信じ、技術の探求など仕事を楽しんでいる
自らの技術を武器に活動の舞台を広げてきた下田さんだからこそ、「美容師の仕事には大きな可能性がある」という言葉に大きな納得感がありました。これから美容師になろうと思っている人、もっと活躍の場を広げたい人はぜひ参考にしてみてくださいね。
