この仕事に就いてよかった! 業界ならではの感動体験【美容師編】
一日に何人ものお客さまと合い、会話をして身体に触れ、きれいになってお帰りいただく―—。ビューティシャンという職業は、ほかのどんな仕事よりも“対 人間”のコミュニケーション力が必要となる職種なのではないでしょうか。ただ、それだけに通常ではできないさまざまな経験をすることができたり、心動かされるシーンに立ち会う機会も多いはず。美容業界ならではの感動体験、ここでこっそり教えてもらいましょう。
【感動体験】出会いの多さは美容師ならでは。お客さまの門出に立ち会える幸せ
お仕事でさまざまな世代のお客さまと接する美容師の皆さん。自分のおばあさまのような年齢の方から、初々しい学生のお客さま、なかには自分の子供のような年齢のお客さまと接する機会があるという方もいらっしゃるかもしれませんね。スタッフ側から見てそう思うなら、お客さまにとってもその感覚はおなじこと。一生懸命働く姿が自分の息子と重なったり、頼れるお母さんやお姉さんのようだったり。そんなふうに見ず知らずの方と親密なコミュニケーションが築ける職業である美容師ならではのエピソードがこちらです。
「そのお客さまとは、僕がサロンに入社した頃からの長い付き合い。自分の母親くらいの年齢の方で、当時アシスタントとして働いていた僕は緊張して二言三言しか話ができませんでした。そんなある日、ふとしたことで彼女の息子さんと僕の年齢が一緒だということがわかって会話が弾み、以来シャンプーデビューしたときにはシャンプー指名を、スタイリストデビューしたときには担当に指名してくださるなど、節目節目でお世話になるように。ときには僕の恋愛にアドバイスくれたり(笑)。ほんとうに息子のような感覚で接していただいていたんです。」
「ところが先日、そのお客さまから旦那さまの転勤で海外で暮らすことになると連絡が。渡航前にサロンに寄ってくれたのですが、最後の施術は向こうの強気なマダムたちに負けないようにと、今までに挑戦したことのないような明るめのカラーリングと華やかなパーマに挑戦。これが予想以上にハマって、これまででいちばんおしゃれな雰囲気になったんです。
帰り際に手作りのお菓子とお手紙をいただき“ほんとうによくがんばったね。日本に帰国したときは必ず寄るから、それまでにもっともっと成長できるように頑張れ!”と言葉をかけてもらって、胸がいっぱいに…。また立ち寄っていただいたときに、自信を持ってお迎えできるよう今まで以上に頑張ろうと思いました」
(26歳男性 美容師)
まとめ
定期的にサロンを訪れることで、成長の様子や変化をつぶさに見守ってくださるのが、常連のお客さま。いいときも悪いときも知っているそんなお客さまとは、なんだか昔からの知り合いのような不思議な絆が生まれるものです。この体験から学んだことを忘れずに、他のお客さまとのコミュニケーションに活かしていきたいものですね。
【感動体験】仕事の技術を活かして大切な人を笑顔に
手に職、とはいいますが、お仕事で得た知識や技術で自分の家族まで幸せにしてあげられたら、こんな素敵なことはありません。つぎの体験はそんな家族愛あふれるエピソードです。
「実家のおばあちゃんが米寿(※八十八歳)ということで、親戚一同でお祝いすることに。東京に暮らす兄弟・従兄弟同士でなにかできないかと考えて、美容師の僕がヘアスタイルを担当、ネイリストの従兄弟が爪とマッサージ、妹と弟がファッションコーディネイトと料理を担当して、おばあちゃんに写真とお祝い会をプレゼントしようという話になったんです。」
「お祝い会当日は午前中から始動。高齢で美容室なんてあんまりいかなくなったおばあちゃんの髪の毛をきれいにシャンプーしてあげてから、縁側に椅子を出してヘアカット。同時に従兄弟がネイルと簡単なマッサージ。さいごにヘアセット&ナチュラルメイクを施して、新しい服に着替えたら完成! まちがいなくこの町で一番きれいなおばあちゃんになったと思います。(笑)地元の写真館の方にお願いして自宅の庭まで来てもらい、親戚一同の集合写真を撮って、ポートレートも作ってもらいました。おばあちゃんの体力が心配だったけど、すべて自宅でできたので疲れもあまりなかったみたい。そのあとの宴会もすごく楽しんでいましたよ。鏡をみた後“ありがとね”と嬉しそうな顔をしてくれたことが僕にとっても一番嬉しくて、ちょっと泣きそうになりました。」
「この先、結婚や出産で家族が増えたりしても、節目節目で大切な人を笑顔にすることができる…。それが叶う“専門技術”を身につけられたことは、自分にとって誇りです。ただ、家族は身内に対する評価が甘いから(笑) 鵜呑みにしないよう、東京でお金を払って来てくださるお客さまにももっともっとご満足いただけるようにプロとして精進していきたいと思います」
(31歳男性 美容師)
まとめ
成長した自分の姿を大切な人たちに見てもらえる機会があるのは、幸せなこと。家族の嬉しそうな顔を見れば、仕事に対する誇りも産まれ、モチベーションのアップにも繋がりますよね。忙しい毎日ですが、たまにはちょっと立ち止まってまわりを見わたし、親孝行・祖父母孝行をしてご家族を笑顔にしてあげてくださいね。