お客さまの人生をそっと支える美容室『LOCO HAIR OHANA』
ハワイというコンセプトがそうさせるのでしょうか。『LOCO HAIR OHANA』にはとってものんびりとした空気が流れています。そして、オーナーのAyaさんからも、やわらかくて、優しげな雰囲気がにじみ出ています。
その優しい雰囲気には、どうやら美容師を目指そうと思った原体験が影響している様子。Ayaさんに、いまに至るまでのキャリアを伺いました。
髪の色を変えたら、人生そのものが変わった
――Ayaさんはどのようにして美容師としての道を歩み始めたのですか?
「はい。もともと私の夢は絵描きになることでした。小学生から中学生くらいの頃ですね。でも、画家やイラストレーターになると、自分が好きじゃない絵も仕事で描かなくちゃいけなくなることに気がつきまして。それで高校生の頃に方向転換したのです。
思春期の頃って顔にちょっとニキビがあるだけで、いじめられるようなことがありますよね。私も中学生から高校生のとき、人間関係でうまくいかなくて悩んだことがありました。私はそれまでのイメージを変えたくて、ある日、美容室に行って髪の色を明るくしたんです。そしたら、“いいじゃん!”“明るくなったね!”って、友だちからすごく前向きな評価をもらえたのです。私は衝撃を受けました。“美容師ってすごい、私の人生を変えてくれた”って思いました。
そして、高校2年生の夏、美容室でアルバイトを始めました。私の美容人生のスタートです。初めて勤めたそのお店では25歳になるまで働きました」
小さなお店と大きなお店、それぞれのいいところ
――高校2年生の頃から美容室で働きだすなんてすごいですね。その後はどのようなキャリアを積んだのでしょうか。
「25歳から埼玉にある別のお店に勤めました。そこはオーナーと私、そしてもうひとりのスタッフだけの小さなお店でした。私はそこで小さなお店の魅力を知りました。なんといってもお客さまとの距離が近いのです。たとえば、私たちの誕生日会にお客さまをお招きするそんな距離感。それがとても心地よかったですね。
そこで3年間働いてから、次に銀座にある美容室で働きました。130店舗ほど展開している美容室で、とにかく規模が大きい。お客さまもたくさんいらっしゃるので、とても忙しかったです。そんなふうに、小さなお店の優しさと大きなお店の力強さを見て、それぞれのよいところを取り入れようと試みているのが『LOCO HAIR OHANA』なのです」
――それぞれのよいところとは、具体的にどのようなものになりますか?
「小さなお店はアットホームなところです。お客さま1人ひとりに対して丁寧に接しています。大きなお店はシステマティックなところですね。美容師がフリーランス契約を結んでいて集客と接客が分業体制になっていました」
お客さまの人生を陰から支える美容師に
――高校生の頃から美容業界にいらっしゃるAyaさんにとって、美容師とはどのような仕事なのでしょうか?
「美容師にはふたつのタイプがあると思っています。ひとつ目は、お客さまの美しさを追求する“アーティストタイプ”。ふたつ目は、お客さまの暮らしを支える“縁の下の力持ちタイプ”です。私がなりたい美容師は後者。縁の下の力持ちとして、そっと陰から、お客さまの暮らしを応援したいのです。
美容師をやっているとお客さまの人生の大切なシーンに出会うことがあります。たとえば就職活動であったり、好きな人とのデートだったり、結婚式であったり。また、学校でいじめにあってつらい気持ちでいる子に出会うことも。
私自身が美容の力で人生が明るくなった経験があるので、その力を信じています。もちろん、美容で何もかもできるわけではありませんが、お客さまの大切な人生の一場面をそっと支えてあげることができると思っています。私にとって、美容師とはそういう仕事なんですよね」
――なるほど。すばらしいですね。
「ヘザー・ブラウンの言葉に戻ると『みんなハッピー、みんなスマイル』です。美容師という仕事を通じてそれを実現していきたいのです」