女性経営者として軽やかに業界を牽引『ANDRUCHE』
3Dアイラッシュやダイヤモンドネイルなどの先進的な技術やアイデアで話題を集める「ANDRUCHE(アンドルーチェ)」は、サロンだけでなくスクールも展開し後進の教育にも熱心なことで知られています。オープン当初は現在本店を構えるビルのワンルームからスタートし、そこから現在4店舗、さらに大阪と東京にスクールも展開する店へと成長しました。その原動力となっているのが、女性オーナーである西尾育子さん。元々は一般企業でOLとして勤めていた西尾さんが、いかにして現在のサロンを作り上げたのかを伺いました。
具体的なヴィジョンと実行力が鍵
――元々はどう言った経緯でOLさんからネイリストとして起業するに至ったのでしょうか?
「実はOLとして企業に勤めていた時代から、いつかは起業して経営者になりたいと考えていました。その際にネイルという仕事を選んだのは、元々自分の爪が薄くて割れやすいという悩みがあり、その時に知ったスカルプチュアという技術に感銘を受けてから。最初は技術者としてネイルの道に入り、いずれは自身が経営者として店を持つという夢をかなり具体的に計画していましたね。その夢が叶い自分の店を持ったのは2004年でしたが、オープンしてからしばらくの間はそれまで勤務していたネイルサロンに週1で出勤し、自身の店と掛け持ちで働いていました。自身の店に集中するようになったのはスタッフを雇用してからで、同じタイミングでネイルの師匠として尊敬していた方が他界されてしまったこともあり、そこからが本来の意味でのスタートだったのかもしれません」
同じビル内で徐々に店舗を拡大
――当初はワンルームのプライベートサロンのようなお店だと伺いましたが、現在の規模になるまでの道のりは?
「当店は同じビルでずっとやっているのですが、最初は4Fのワンルームから始まり、そこからスタッフを雇い入れたことで5Fの2LDKの部屋に移転、さらに6Fにアイラッシュの専門サロンをオープンさせ、現在は2Fと、このビルで何度も移転リニューアルしているんです(笑)。本当に少しずつお店を拡大していった感じで、移転のたびにより充実した施術ができるようにとブラッシュアップを重ねてきました。もちろんその過程にはスタッフが定着しないなどの経営面の悩みもありましたが、結果として私自身がやりたい店をするのではなく、スタッフと一緒に作り上げられるサロンを目指したことでより良い店づくりができ、現在の規模になれたのだと思います」
計画書を共有することで一体感を
――スタッフと一緒に作る店とは、具体的にどのようなことをしてその一体感を得られたのでしょうか?
「当店では6年前から毎年“経営計画書”という冊子を作り、これを全スタッフに配布しています。計画書の中には基本的なマナーやルールを始め、具体的な目標となる数字も記されており、毎朝の朝礼で読み合わせをすることで、スタッフ全員が同じ目標のもと意思の統一を図れるようにしています。現在は月に2回、全スタッフが集まる勉強会を実施しているのですが、勉強会の内容もこの冊子をもとに行い、私自らが経営計画についてスタッフに解説をするようにもしているんですよ。この計画書自体は実は他の企業のオーナーさんからアイデアをいただいたもので、私自身も経営のことをより深く学ぶために経営者のための塾に通っています。店にとって大切なスタッフが力を発揮でき、かつ働きやすい環境を作るのは経営者である私の役割なので、最新の技術を学ぶだけでなく経営についての勉強も欠かせませんね。」
経営者として、またネイルやアイラッシュ技術を教える技術者としても活躍する西尾さん。女性特有の軽やかな感性で良いと思ったことをどんどん導入し、同じ女性が働きやすい職場環境を作るため、様々な制度の充実にも取り組んでいます。後編では、女性が活躍できる環境づくりや今後の展開について引き続きお話を伺っていきます。
Salon Data
ANDRUCHE(アンドルーチェ)
住所:大阪府大阪市都島区東野田町2-2-16 ビラ六曜舎2F
TEL:06-6353-7770
http://andruche.com/andruche-kyoubashi
Profile
西尾育子さん
大阪出身。
アンドルーチェテクニカルスクール学院長、および西日本ヘアメイクカレッジ特別講師。
一般企業に勤務していた時代に週末を利用してネイルスクールに通ってネイリストとなった経歴を持ち、現在は関西の敏腕女性経営者としても知られる。