海外のお客さま、富裕層が多く訪れるサロン『Hair&Esthe HIROIN 西麻布本店』
広尾駅にほど近いサロン『Hair&Esthe HIROIN 西麻布本店』。周辺には大使館が数多く存在し、富裕層や外国人のお客さまがよく来店します。中編の今回は同サロンを運営する株式会社ヒロインのオーナーである長谷川友美さんに、サロンのお客さまの客層と独自の店舗作りについてうかがいました。
お客さまの貴重な時間を何より大切にする
――お店を利用されるのは、どのような方たちですか?
「西麻布には各国の大使館がありますから、海外の方が多いですね。全体で言えば2割程度、ウォークイン(飛びこみ)の新規の方だと4割近くが海外の方かもしれません。また国籍もアメリカだけでなくアラブ系、アジア系のお客さまもいらっしゃいます」
「また富裕層の方のなかには、シャンプー、セットのためだけに利用される方もいらっしゃいます。大変多忙な方が多いので、常にお客さまが想定している時間より少しでも早く仕上げられるように心がけています。多額の資産をお持ちの富裕層の方でも、時間は平等にしかありません。とにかくお預かりしているお客さまのお時間を大切にする必要性は、入社した時点からスタッフにしっかりと教えています」
大切にしているのは“商品よりも情報をお持ち帰りいただく”こと
――接客について心がけていることはなんでしょう?
「自分がされて心地よくないことはひかえる、ということを意識していますね。たとえば販売のために話をするスタンスは取りません。私たちは商品よりも情報を持って帰っていただきたいと考えていますし、実際に有益な美容情報をお伝えしたとしても、それをもとに商品の購入を決めるのはお客さまご自身です。そこを間違えて、『この商品を買いましょう』『この商品がおすすめですよ』とお伝えするのは、売る側のエゴだと思っています」
「だから知りうる限りの美容情報、プロとしてお伝えできることをお伝えするのみで、その先までは踏み込まないようにしています。スタッフにも“数字は目指してとるものではなく、後から結果的についてくるもの”と伝えています。私たちはHIROINを通してお客さまの素材美・健康美を最大限にするための話をさせていただいているのであって、商品を売るために話をしているのではありません。そこがブレないように、いつも意識を向けています」
「内装にはこだわらない」、その言葉の意味とは
――サロンの内装、店作りはどのようにされていますか?
「内装にこだわりは一切ありません。お客さまの目に触れるもの、肌に触れるもの、たとえば椅子や使用機器などに関しては当然、業界でも最高ランクのものを使っていますが、それ以外のことに関してはあまりこだわっていません。清潔であることくらいですね」
「内装にこだわらない理由はいくつかあります。まずひとつは、お客さまがこのお店に求めておられるのは、そこではないということです。たとえば、アクセサリーや服、バッグなどを扱うハイ・ブランドのショップは、毎月お金をかけて店内をデコレーションすることは必須です。そこに来られるお客さまの多くは、それらも楽しみに来店されているからです。一方、当サロンのお客さまが求めることは別にあります」
「もうひとつの理由は、限りある資金はゴージャスな内装よりもスタッフ還元や福利厚生に回す方が効果的なためです。美容室はマンパワーで動いています。ですから彼らの福利厚生や成果報酬に資金を投じた方が、モチベーションやパフォーマンスが上がり、技術の向上や商品について勉強する主体性も生まれますので、あらゆる意味でベストプラクティスでしょう。私は経営者として、こちらの方が当然重要だと考えています」
海外および富裕層のお客さまに鍛えられてきたHIROINは、接客や内装についても独自の考えをお持ちでした。ラストとなる後編では、同サロンのニューヨーク出店の経緯や今後のビジョンについてうかがいます。
Salon Data
Hair&Esthe HIROIN 西麻布本店
住所:東京都港区西麻布4-6-4
TEL:03-3407-8028
http://www.hiroin.co.jp/salon-list/nishiazabu/
海外と日本における美容室文化の融合を目指すサロン『Hair&Esthe HIROIN 西麻布本店』>>