【美容師のパーマ技術】ZACC vie 要 優義さん流『レイヤーカットに合うウェーブヘア』#1
レイヤースタイルの人気が続くなか、パーマを合わせたいという需要も上昇中。今回は、そんなレイヤースタイルに合わせるパーマについて「ZACC vie」店長の要 優義さんに教えていただきました。
前編では、大手サロンを取りまとめている要さんの技術力アップのための意識の持ち方、スタッフの教育についてお伺いします。
ZACC vie 要 優義さんにインタビュー
練習をするかより、いつ何に気づけるかが今の時代は重要
——美容師を目指したきっかけを教えてください。
就職を考えたときに、なんとなく…というの正直なところです。あまり覚えていませんが、モテたいとかそういう不純な動機だったと思います(笑)。とはいえ、美容学校に入ってからは、美容師になることを目指してちゃんと勉強していました。人に喜んでもらえる経験が増えたことで、モチベーションも上がったし、美容が楽しくなっていったんです。
——卒業後はZACCに入社されたんですよね。
はい。自分でも切りに来ていたので、お店の雰囲気とかが気に入ってZACCに決めました。その後、5年アシスタントをして、25歳でスタイリストデビューしました。
アシスタント時代は、直属のスタイリストについて勉強していました。上の人の真似をして、とにかく練習して、失敗したら理由を考えて、また練習して…その繰り返しでしたね。スタイリストになってからも、それは変わりません。技術力を自分のものにするには、基本は練習だと思ってやっていました。
——現在は店長として育てる側かと思いますが、心がけていることは?
ZACCでは、毎月サロン内で技術の講習をしていて、各技術をそれぞれスタイリストが担当するので、その講師たちを育てるのが今の仕事です。後輩への指導では、その子に合わせるという大前提はありつつも、きちんと思ったことは伝えるようにしています。
僕が若いころは、たしかに今よりスパルタだったと思いますが、だからと言って「今の若い子は…」とは思いません。意識の高さ、低さはいろいろありますが、僕のころだって人によってその差はあったし、今の子たちは今のやり方で頑張っていると思うので。必要なものを、かみ砕いて提供して上げられればと思っています。
当時、全然練習していなかった子が、今ダメかって言ったら、そんなこともありませんからね。大切なのは、いつ何に気づくかだと思います。
——「若いころにこれはしておくといい」というアドバイスはありますか?
僕が若いころは「作品をつくれるようになれ」とよく言われましたけど、今は作品よりもSNSの日常っぽいスタイルをつくれるほうが受けますからね。時代のニーズに合った技術や知識があると思うので、そういうところにアンテナを張れるといいのかなと思います。
情報が無限に入ってくる時代ですから、膨大な情報の中から自分が何に特化していくのかを考えていかないといけません。その方向性を決めるのは自分次第だからこそ、アンテナはしっかり磨いておくことが大切だと思います。
お客様の希望を拾いながら、足りない部分は補って一緒にスタイルをつくる
——接客面で心がけていることはありますか?
一番大切にしているのは、お客さまとの距離感ですね。近すぎず遠すぎずというか…。美容師なので美容のこともちゃんと話すし、それだけにならないようにもします。そういうバランスは、お客さまに合わせて変えながら。
——日々のスタイル提案で心がけていることは?
自分の考えよりも、その人に寄り添いたいという気持ちが最近は強いですね。
以前は「こういう感じがいいんじゃない?」って、お客様を引っ張る感じが多かったんですけど、年齢と共に…じゃないですけど(笑)。お客様も長年ご一緒している方が多く、「望めば引っ張ってもらえる」という信頼がある前提で希望を伝えていただけていると感じるので、まずはそれを取り入れるように。
もちろん、その希望のイメージがゴールまでないことのほうが多いので、ぼんやりした部分は任せてもらったり、提案したりしながら、一緒に考えていきます。
——では、パーマの動向はいかがですか?
レイヤースタイルの人気が続いていて、髪に動きを出したい、軽く見せたいという方が多いので、その分パーマの需要も高まっていると思います。求められているのは、朝のスタイリングを楽にしたいとか、ふんわりさせたいとか。クセがあってバサバサしがちな人は、ヘアアイロンで巻いたような雰囲気にしたいし、直毛で髪が硬い人は、柔らかい質感に見えるパーマを求められることが多いです。そういうふうに、髪質に合わせて質感をコントロールしてあげるのが、パーマでは重要かなと思います。
要さんが提案する『レイヤーカットに合うウェーブヘア』
顔周りのレイヤーからつながるように、髪に大きく動きを出すパーマスタイル。流行のウエイト高めのレイヤーカットにパーマを加えることで、もっさり感なくしっかり動きが出せる。ミドルセクションにスパイラル巻きを入れて、絶妙にボリュームをコントロール。
要さん流『レイヤーカットに合うウェーブヘア』のいいところ
1.もっさりせずに動きとボリュームが出せる
2.ヘアアイロンで巻いたような質感に
3.朝のスタイリングがラクになる!
人気サロンで16年、技術力を高めてきた要さん。お客様との信頼関係をつくるなかで、希望を叶えるための引き出しを増やすことに努めてきました。今回提案いただいたパーマスタイルも、需要の高いレイヤーカットに合わせるパーマを考え生み出されたもの。後編では、そんな『レイヤーカットに合うウェーブヘア』の作り方を詳しく教えていただきます。
▽後編はこちら▽
【美容師のパーマ技術】ZACC vie 要 優義さん流『レイヤーカットに合うウェーブヘア』#2>>
取材・文:山本二季
撮影:高嶋佳代
ヘア&メイク:要 優義(ZACC vie)
モデル:天野一菜
教えてくれたのはこの人!
要 優義さん
ZACC vie 店長
大人っぽくカジュアルでナチュラルなスタイルを得意とし、幅広い客層から高い支持を得ている。とくにパーマのオーダーが多く、指名を得続けている。長年の現場と撮影で培った技術と経験でその人の魅力を最大限まで高め、簡単にスタイリングできるスタイルを一緒に創りあげる。美容師向けの外部講師として、カラーやパーマのセミナーも行う。
インスタグラム:kaname__yuuki