お店のこだわりを貫くことで顧客がファンになる。リピート顧客が増え続ける『THE CENTRAL』の秘訣に迫る
『THE CENTRAL』はニューヨーク仕込みのセンスと技術を提供し、芸能人やモデルといったファッション感度の高い顧客も多い美容室。店舗に面した公園からは、四季折々の風景を楽しむことができます。さらに同サロンは現在、マレーシアに2号店を展開する準備中とのこと。
今回はそんな勢いのある同サロンのゼネラルマネジャーである小嶋猛さんに、同サロン躍進の秘訣を伺いました。
間口は低く。しかし、低価格はウリにしない。
————メニュー設定で工夫されている点は何かありますか?
「価格は全体的に安くはありません。しかしまずは気軽に『THE CENTRAL』の技術を体験してほしいという思いから、前髪カットを500円と格安に設定し、『初回限定』のクーポンを発行しています。割引を初回だけに決めている理由は、一度お越しいただければ気に入っていただける自信があるからです。実際にリピート率は70%を超えていますね。
美容室のなかには、多彩なクーポンを設定して新規顧客を大量に集めるサロンもありますが、私たちは1人ひとりのお客さまを丁寧に接客し再来につなげたいと考えています。おかげさまで開店以来、売上高は前年同月比100%以上を達成し続けていますね」
お客さまとWin-Winになるこだわりの情報発信
————情報発信については、どのようなことをされていますか?
「インスタグラムやツイッターを毎日更新しています。アップする時間は、リアクション率が高くなる夜8時~夜9時ごろ。また許可をいただけたお客さまの後ろ姿を撮影してお店の公式SNSに上げています。これはよろこんでいただけるお客さまが多いですよ。他にもサロンオリジナルのアイテム制作も情報発信の一種かもしれません」
————どのようなアイテムを作られているのですか?
「オリジナルの切手やステッカー、またイベントでは毎回Tシャツも作っています。それらをすべて集めてくださっている方や、知人にオリジナルアイテムをおすすめしてくださるお客さまもいて、とてもうれしいですね。『通っていることを自慢したくなるような美容室』を、これからも目指していきたいです」
技術についての明確な説明。そしてリピートを生み出す「黒い手紙」
————リピートを生み出すコツがあれば、教えていただけますか?
「技術のこだわりを説明しています。たとえば、『今日はこの3種類の色を混ぜてカラーしていきますね』など、どのようなカラー剤を使っているのかを詳しくお伝えしています。詳細をお話しすることで、お客さまが『自分だけのカラーを作ってくれている』という特別感を味わうことができますからね。
また施術の際には、それぞれ工程のポイントを解説しながら進めていきます。『THE CENTRAL』ではすきバサミを使わないカットが特徴的なので、そのメリットなどを交えて会話をしているんです。他にも、初めてご来店いただいたお客さまには、来店されてから3日、3週間、3ヵ月のタイミングでお手紙をお送りしています。それもリピート率を高めている理由だと思います」
————なぜ、そのようなタイミングなのでしょうか?
「3日目に送るお手紙はシンプルに『来店ありがとうございました』という内容です。3週間目は『そろそろ髪が伸びたのではありませんか?』というリマインド的な内容、3ヵ月目はリピートしていただけるかどうかの瀬戸際なので、思い出していただくためのお手紙になります。ちなみに全文を手書きで、かなり長文を書いていますね。1回目はインパクトのある黒い封筒を使い、2回目、3回目はサロンのオリジナルポストカードを使っています」
————「黒い封筒」の理由はありますか?
「存在感のある封筒にしておくと、だいたいみなさん『なんだろう?』と思い開封してくださるんです。そこに手書きの手紙が入っていると、やっぱりお客さまもうれしいんじゃないかなと。 ちょっと何かの招待状みたいですよね(笑)」
新規顧客の獲得とリピート顧客を生み出す極意
渋谷区という美容室の激戦区で、数多くのファンを持つ『THE CENTRAL』。その新規顧客の獲得とリピーター増加の極意をまとめると下記の3つでした。
1.試しやすい価格を設定しつつも、技術の安売りはしない
2.SNSだけでなく、お客さまも巻き込んだ情報発信
3.技術内容を説明して顧客満足度を高め、インパクトのある手紙でサロンを印象づける
「実は店舗オリジナルTシャツは、全部売れてようやくトントンの価格設定なんですよね」と笑う小嶋さん。それでもお客さまのよろこぶ顔が見たいからこれからも続けます、と話します。美容室のファン作りに興味がある経営者の方は、サロンに足を運んでみてはいかがでしょうか。
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お店のファンが増え続ける秘訣とは? 安定成長する『THE CENTRAL』の取り組みに迫る!>>