大切なのは、自分の「好き」。美容師の安部圭司さんが語る「差別化できる投稿」の作り方

2021年4月からインスタグラムを始め、祖母・きみこさんにカットやネイルをする投稿で、わずか1年足らずで、1万2000人以上のフォロワーや、14万以上のいいね!を獲得している安部さん。前編では、話題のリールが生まれた背景についてお話を伺いました。後編となる今回は、安部さんがインスタの投稿において大切にしていることや、気をつけていること、今後のビジョンなどについてお話をうかがいました。

今回、お話を伺ったのは…

安部圭司さん

「cell代官山」のスタイリスト。インスタのフォロワーは1万人超え、祖母のカットやネイルケアのリールが14万いいね!を超えた。

安部圭司さんのインスタグラム:@keejiab

技術やおすすめとあわせて、自分らしさも出していく

きみこさんとの投稿と一緒に、カットの種類や仕上がりも投稿

――ここからは、安部さんのインスタグラムの運営についてお話を伺えたらと考えております。きみこさん以外に、カットの写真なども掲載されていますが、どういった構成でアップをされているのでしょうか?

時期にもよるのですが、インスタを開いたときにはじめに目に入る、9枚の写真で関心を持っていただけるようにしています。基本的には、祖母の投稿が真ん中にきて、周りに僕がカットやカラーをさせていただいたお客様の写真を掲載しています。

カットやカラーの写真も、ただ仕上がったものを掲載するのではなく、テーマや伝えたい内容に合わせて見せ方を変えています。例えば「白髪ぼかしハイライト」のビフォーアフターの載せるのであれば、ひと目で変化が分かるようにし、ショートヘアについて紹介するなら、バリエーションを持たせるために数枚合わせて投稿、「職場が(髪色に)厳しい場合」のカラーであれば、一番はじめに4種類の色の変化が分かる写真をのせて、2枚目からそれぞれ詳細について載せるなど、見やすさを重視していますね。

――確かに、どれも丁寧に作り込まれていて見やすいですね!先程の、構成にする理由についてもうかがえますか?

単純に、同じようなヘアスタイルの写真がズラーっと並んでいても、少し退屈かな、というのと、投稿を見てくださる方に、僕のことも知って欲しいなと思いがあり、自分らしさが伝わる祖母との写真を真ん中に配置するようにしました。ただ、美容師としての技術やお客様へのおすすめについても知っていただきたいという思いから、現在のような形になっています。

インスタを見て、来店してくれるお客様も

人気があるのは、白髪ぼかしのハイライト

――安部さんのフォロワーさんはどういった方が多いのでしょうか?

幅広いフォロワーの方がいらっしゃいますが、35〜54歳までの方が全体の60%以上になりますね。インスタを見て、実際にお店まで足を運んでくださる方が多いのですが、本当に優しい方ばかりで、初めてお会いした気がしないと言いますか、すぐに打ち解けられる人が多いです。お客さまには本当に恵まれていると思いますね。

――インスタから来店される方も多いのですね。実際にお店にいらっしゃるまでに、何かやり取りなどもされているのでしょうか?

人によりますね。そのまま来てくださる方もいれば、DMでカットやカラーに関する相談をされてから、「今度、お願いします」と来店される方もいらっしゃいます。僕の投稿に何らかのアクションをしてくださる方に対しては、できる限り、しっかりとお返しするように心掛けています。あとは、このためにやっている訳ではないですが、インスタのアルゴリズム的にも、コメントやDM、メッセージのやり取りをしている人の投稿は表示されやすくなるという傾向もあるようです。

――なるほど。「これからインスタを頑張りたい!」という美容師の方に向けてアドバイスをいただけたらと思うのですが、どんなポイントを大切にすればいいのでしょうか?

僕も、まだまだ勉強不足なところもありますが、カットやカラーの投稿が飽和している中で、いかに差別化し、それを自分の強みに変えていくことが大事なのだと考えています。

その上で、「自分の好きなことを見つけること」が大切だと考えています。理由は、インスタってすぐに結果がでるものではなく、結果が出ても続けていかないと意味がないんです。そのためには、続けることが一番。差別化や自分らしさはやっていくうちに出てくるものなんです。そして、続けるためには、「好きであること」が大切。嫌いなことをずっとやっていくのは、本当に大変ですからね。あと、好きなことであれば、いろんな角度からそれを試すことができるし、それが最終的な「自分らしさ」になっていくと思います。

――安部さんの場合、お祖母さまなのですね。あとは、若いカットモデルさんの投稿が多い中で、素敵なお祖母さまのカットという意外性や、お二人の温かい関係性といった物語性も、多くの人の共感を呼んだ理由の一つの気がします。

確かに、そういったものもあると思います。僕自身としては、若い綺麗な方だけでなく、どんな方でもそれぞれの魅力があって、それを引き出してあげることが大事だし、美容師の仕事の一つだと思っています。そんな思いがあったのも、祖母の動画を投稿した理由の一つかもしれませんね。

今後も美容師という仕事を通じて、多くのつながりを作っていきたい

お二人の仲の良さが伝わってくる投稿

――ここからは、店舗にいらっしゃったお客さんに対して、安部さんが大切にされていることについてうかがえますか?

カウンセリングを一番大事にしています。その方がなりたい理想の髪型について、詳しいお話をうかがいつつ、できることと、おすすめできないことは、明確にお伝えするようにしていますね。髪に大きな負担をかけてしまう、また日本人の髪質上難しいことについては、「ここまではできますが、あとはこういった理由で難しいです」としっかりお伝えした上で施術に入るようにしています

――ありがとうございます。最後に、安部さんの今後のビジョンについて教えいただけますか?

これまで通り、お客様に寄り添える美容してありたいというのと、インスタグラムを通して、多くの方と関わっていきたいですね。僕の場合、お客様との間にできたつながりってとても大事で、長く通ってくださる方も多いのですが、学生の頃から通い続けてくれた学生さんが、社会人になったタイミングに、男二人で飲みに行ったり、昔カットさせていただいて、今は沖縄に引っ越しをされた方が、沖縄旅行に行った時、現地を案内してくださったり。髪を通して、素敵なつながりができていくことが美容師の魅力だと思うんです。今後も、更に多くの方に素敵なスタイルを提案し続け、たくさんのつながりを作れたらと考えています。


安部さんがインスタグラムの投稿において大切にしていること

1.自分の技術やおすすめのヘアスタイルについて、わかりやすく投稿

2.祖母のきみこさんとの投稿で、自分らしさもアピール

3.自分の「好き」を投稿に盛り込むことで、継続しての更新や自分らしさを出していく

印象に残ったのが、自分の「好き」を大切にすることの大切さ。安部さんの場合は、祖母のきみこさんだった訳ですが、「好き」を見つけるにあたり、いったん美容師という立場を離れて考えてみたり、自分がこれまでずっと続けてきたことを振り返ってみたりするのも有効だと感じました。そこに、「意外性」や「自分らしさ」が隠れているのかもしれませんね。

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