SNS運営に必要なのは継続力と楽しむ気持ち! 焦らず自分のペースでOK【フリーランス美容師 カンタさん】#2

SNSでの発信が当たり前になった美容業界。採用に向けてSNSアカウントを聞くサロンも増え、その活用方法が就職活動に与える影響も大きくなってきました。そこで本企画では、就活に効果的なSNSの活用法について、熟練者へのインタビューを通して学んでいきます。

前回に引き続き、フリーランスの美容師・カンタさんにインタビュー。前編では、カンタさんがSNSを始めた経緯や注目される投稿のコツについてお話を伺いました。

アシスタント時代、本格的にSNSを始めたカンタさんですが、もし学生だったらどう活用するのでしょうか? 後編では、今の時代に合った活用方法のほか、多くの人に見てもらえる投稿を作成するコツについてお聞きします。

お話を伺ったのは…
フリーランス美容師 カンタさん

地元の神戸市にある美容専門学校に進学し、卒業後は都内にある有名サロンに所属。在籍時に同サロンの先輩が独立したサロンに誘われ、転職したのと同時にSNS活動をスタート。2年のアシスタント歴を経て、スタイリストデビュー。現在は、フリーランスのスタイリストとして活動中。

「渋谷でイメチェンさせる人」
インスタグラム:@imechen_shibuya

個人アカウント:@ka.n_wl

YouTube

コンテンツよりも認知度を優先! 個性を強調して打ち出すことが大事

――もしカンタさんが現在、学生の立場であった場合にどのSNSツールに取り組みますか?

今から始めるなら、Tik TokとInstagramに取り組むと思います。

第一の目的は自分自身のファンの定着化。コンテンツを生み出していなくても、まずは自分を認識してもらうためにスタートさせます。先に自分を認知してもらえば、その後に考案したコンテンツも受け入れられやすいと思うんです。あとは単純に、手軽で簡単に投稿できるところが始めやすいポイントなのかなと。

――YouTubeを選ばない理由はありますか?

今、最新トレンドを求める層が注目しているツールはTik Tok。比べてYouTubeは、コアなファンがつきやすいツールなんです。選ばないわけではなく、始める順番が重要だと思っていて。Tik TokとInstagramから始めて徐々に注目されてきたと感じたら、YouTubeを始める…という流れがおすすめです。

――では、ファンをつけるコツは?

青髪にしていた頃のカンタさん。

個性を出すことでしょうか。

僕が実際に投稿を始めた頃は、覚えてもらうために青髪にしていました。髪の色じゃなくても、ファッションやメイクなどほかにも目立つための方法はたくさんあるので、自分の強みにできる個性を打ち出すと良いと思います。個性があると覚えてもらえるほか、ほかの方との差別化にもなり得ますから。

――ファンをつくるうえで気を付けるべきことを教えてください。

とにかく継続して投稿することが必要だと思っていて。コンテンツが決まっていない場合でも何でも良いから投稿してみてください。

ただし、それぞれのツールのアルゴリズムを分析して準じて投稿に落とし込むと、もっと良い結果が出ると思います。ツールごとの検索されやすいワードや見られやすい時間、おすすめにあがってくる投稿の特徴など、みんな違うので対応できるようになれば自然と使いこなせるはずです。

コンテンツ確立後のブレは失速に直結。目的に合わせてアカウントの振り分けを

――まずは自分を認知してもらうことが必要だと伺いました。
多くの人に見られる投稿にするためには?

多く見てもらうためには、フォロワーのニーズに合った投稿をすることが必要です。そのためにも、SNSごとに同業者やインフルエンサーなど、人気のある人たちの投稿をたくさん見ること。フォロワーが求めているもののヒントが得られると思います。今までは視聴者として見ていた投稿も、視点を変えるだけで学ぶことはかなり多いはずです。

自分自身もたくさんの投稿を見てインプットし、投稿に活かしてきました。テーマや構成、装飾など…真似をした中で試行錯誤を繰り返していくうちに、自分ならではのコンテンツと人気の投稿を融合することができるのではないでしょうか。

――実際に反応が良かった投稿のポイントをお聞かせください。

どのツールにも共通しているのは、興味を引くタイトルやキーワードがタグ付けされていることかなと。その時々の流行りと話題になっているキーワードを盛り込むと検索されやすく、必然的に見られる確率も上がりますよね。

僕の場合ですが、「イメチェン」を依頼した方の職業や学校名で、たくさん反応があったケースがありました。意外性があると、よりクリック数は増えると思います。

――フォロワーを定着させるために大事なことは何でしょう?

コンテンツが確立できたあとは、なるべくブレない方が良いです。

実際に僕が経験したのですが、アシスタント時代とスタイリストデビューしてからの投稿テーマを変えてしまい、フォロワーが大幅に減ったことがあって。最初はファンをつくるための投稿がテーマでしたが、デビューしてからはスタイリストとしての自分に価値をつける目的に変わってしまったことで、フォロワーに影響してしまったようなんです。

――環境や立場の変化でテーマが変わることはありそうですね。
そうしたときはどうすれば?

僕は、アカウントを分けました。現在は、「イメチェン」アカウントと個人の情報を発信するアカウントを作成し、併用しています。

アカウントは統一感が大事ですから、少しでもブレそうだと感じたら整理すると良いと思います。

今後は自分自身へフォーカスして価値あるスタイリスト像を確立させたい

――今後のSNSの方向性をお聞かせください。

今は「イメチェン」のコンテンツをもとに毎回ゲストを立てた動画をメインにしていますが、徐々に自分にフォーカスしたアカウントも強化していけたらと考えています。

今後、スタイリストとして求められるためには価値をつける必要があるんです。コンテンツに興味を持ってもらっている今だからこそ、より多くの人に自分を知ってもらえるタイミングだと思っていて。僕にフォーカスを当てて存在を認知してもらって、もっと見てもらえる層を増やそうと考え中です。

――これからSNSに取り組む学生にアドバイスを。

楽しみながらがんばってください!

「いつまでにフォロワー●万人を達成する」とか「登録者数を増やすとか」…目標を決めることは大事ですが、その前に楽しんで取り組むと良いかなと。現状、SNSとは今後も向き合っていくものですから、追い込みすぎて嫌になってしまうのは本末転倒ですよね。まずは、自分の「楽しい」と感じる方法や付き合い方を見つけることを意識すると良いと思います。

美容学生がSNSを始めるときの3つのポイント

1.最初はファッションやヘアスタイルなどに個性を出して覚えてもらう

2.コンテンツを定めるより先に継続的に投稿する

3.コンテンツと別の軸で発信したくなったらアカウントを分ける


取材・文/東 菜々(レ・キャトル)

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