【美容師のカット技術】K.e.y 小池康友さん流『大人メンズのアーバンツーブロック』#2
トレンドに左右され過ぎず、お客様にフィットしたデザインを提案し続けることで、男性のリピーターを増やしてきた「K.e.y」の小池康友さん。今回は、大人の男性に人気の高い、セミフォーマルなツーブロックスタイルの詳しい作り方を教えていただきます。
小池さんが提案する『大人メンズのアーバンツーブロック』
定番のツーブロックを、大人に似合う落ち着いたデザインと、ツヤっぽいスタイリングでアップデート。清潔感のあるヘムラインの処理や、浮きやすい髪質に合わせたカットなど、細部にこだわって作り込むことで、あこがれられる大人のヘアスタイルに。
『大人メンズのアーバンツーブロック』の施術ポイント
1.ヘムラインの処理はていねいに
肌なじみよく見せるため、ヘムラインはシェーバーを使ってていねいに処理を。清潔感のある360度かっこいいラインに仕上げる。
2.ツーブロックの位置はハチよりやや下に
ハチより上でブロッキングすると、やや奇抜な印象に。大人っぽい雰囲気にするために、ブロッキングはハチ下でおさまりよく。
3.刈り上げとトップのつながりを意識
ツーブロックでも、トップと刈り上げをつなげてカットすることで、セミフォーマルな雰囲気に。スタイリングなしでもおさまりよく決まる。
HOW TO
BEFORE
約1カ月前にカット。刈り上げが伸びて、野暮ったさが出ている状態。ハチ周りも重くなりクセも出て、おさまりが悪く広がって見える。
1 サイド~バックを整える
ウェットでスタート。サイドのハチ下から、バックのぼんのくぼまで、頭の丸さに合わせてブロッキング。
バリカン6mmで、サイドはブロッキングのラインのギリギリまで、グラデーションになるように上に抜いて刈り上げる。バックは角を残して刈り上げ。
刈り上げ幅2/3を、バリカン3mmでなじませる。毛流れに逆らって刃を入れ、グラデーションになるように意識して。
肌なじみが良くなるように、シェーバーでアウトラインをていねいに整え、360度かっこいいラインを作る。
2 ミドルセクションにグラデーションを入れる
モヒカンラインでブロッキング。サイドはツーブロックのラインに、バックは刈り上げ部分につながるようにカット。
前髪はサイドに流せるように、眉上でカットする。
3 トップにレイヤーを入れる
毛流れと軽い動きを出すため、うしろに向かってオーバーダイレクションをかけながら、トップにレイヤーを入れる。こめかみ付近はグラデーションにカット。
4 セニングを入れる
ミドルセクションは中間からセニングを入れ、一緒に刈り上げとのつながりもなじませる。トップも中間~毛先にセニングを入れて動きを整える。
5 ドライで毛量調整
一度、全体を乾かし、ドライカットで毛量を調整。ハサミを縦に入れ、毛先をなじませていく。仕上がりをイメージしながら、必要な部分だけ間引く。
BEFORE
AFTER
スタイリング
ハンドブローで毛流れを作りながら乾かす。スタイリングムースを全体になじませてウェット感をプラス。オイルワックスを髪の内側からなじませたら、手に残った分でフロントから手グシでかき上げ、全体を整える。
仕上がり
刈り上げツーブロックでも奇抜になりすぎず、ジャケットやスーツにも似合う大人のスタイルが完成。スタイリングなしでもカッコよく決まるフォルム作りも重要。ツヤの出るスタイリングで、アーバンな仕上がりに。
大人っぽい落ち着いた雰囲気のツーブロックは、幅広い世代に人気のデザイン。スーツを着るお仕事の方にも提案できる、おしゃれヘアとして、覚えておきたいデザインです。
▽前編はこちら▽
【美容師のカット技術】K.e.y 小池康友さん流『大人メンズのアーバンツーブロック』#1>>
取材・文:山本二季
撮影:片岡 祥
ヘア:小池康友(K.e.y)
モデル:廣瀬俊朗(元ラグビー日本代表)
教えてくれたのはこの人!
小池康友さん
K.e.y 店長
静岡県出身。都内2店舗を経て、2012年K.e.yのオープニングスタッフとして参加。サロンワークを中心に一般誌や業界誌の撮影、セミナー講師活動などで幅広く活躍中。独自のセンスと卓越した技術でタレントやアスリートなどからも絶大な信頼を集める。
インスタグラム:@k.e.y_koikeyasutomo