お客さまに美を届けるキーマンを目指して!『K.e.y原宿』のブランディング術に迫る
2012年の6月20日にオープンしたヘアサロン『K.e.y原宿』。SNSでの発信が集客のメインになりつつある業界において、ご来店理由の大半はご紹介。知り合いに伝えたくなるほどの感動を提供するサービスで、着実にファンを増やし続けています。そんな『K.e.y原宿』が厚い支持を集めている背景には、的確なコンセプト設定や、シーンに合わせた提案によりギャップを生む施術スタイルがありました。
今回はCEOの田中祐次さんにインタビュー。前編では、成果を上げるブランディング術の極意に迫ります。
コンセプトは「美容のキーマンになる」
————まずは『K.e.y原宿』が支持を集めている理由について教えてください。
「『美容のキーマンになる』をコンセプトに掲げているからだと思います。ご家族で足を運んでいるお客さまが多く、ファミリーでのご利用が多い理由は、オープン時にターゲット年齢を当時の結婚平均年齢だった29.8歳の女性に決めたからです。
『きれいになりたい』という思いがもっとも強い世代の理想を叶え続けたところ、ご結婚された後に、旦那さんやそのご家族を紹介してくださって、ファミリーで賑わうサロンができ上がりました。ちなみに、毎年ターゲットの年齢を1歳ずつ上げていて、今は37.8歳のスタイルにとくに力を入れています」
「世代美」の創造を目指して
————なぜ、ターゲット年齢を毎年上げているのでしょうか?
「理想の接客スタイルを心掛けていたところ、自然と年齢が上がっていきました。私たちが目指している接客は、お客さまのご要望を80%取り入れるスタイルです。そして、残りの20%に私たちのセンスを加える。この接客を意識している理由は、『自分に似合う雰囲気』や『今の気持ちにフィットする髪型』など、お客さまのほうが自分に対しての情報を持っているからです。
私が若手の時は、美容師が提案するスタイルが一般的で、現在も同様の雰囲気を感じることがあります。このスタイルを続けている技術者は、おそらく自分たちのほうが、美容に対してスキルもセンスもあると自負があるからだと思います。しかし、そういったプライドは一度捨てなければ、お客さまと良好な関係を築くことはできません。そのため私は、8対2の割合でお客さまを立たせることをオープンの際に決めました。もちろん、カウンセリングのなかで感じたことはお伝えしています。
オープン当初のターゲット設定は29.8歳でしたが、サロンのファンになってくださった方の気持ちに寄り添えば、メインの年齢層が毎年少しずつ上がるのは自然の流れです。このスタイルを続けるなかで生まれたもうひとつのコンセプトが、『世代美の創造』でした」
「シーンに合わせた提案」でお客さまをプロデュース
————「世代美の創造」について具体的に教えてください。
「時代の進歩に合わせて美しいスタイルを作ることです。現代は、美容商材の発展などもあり、ひと昔前よりも努力次第で圧倒的に若さを保つことができます。そのため、私たち美容師は、きちんと知識を身に付けて、お客さまにできる限りの美しさを届けることが大切です。また、ただきれいな女性像を目指すだけでなくシーンに合わせた提案を重視しています」
————「シーンに合わせた提案」とは、どのような接客方法でしょうか?
「30代の働く女性を例に挙げて説明すると、施術の際にまずもっとも魅力的に見られたいシーンを聞きます。それが、気になる男性との食事だとしましょう。この場合はアレンジが効くスタイルをおすすめします。普段からパリッと決まる必要はなく、仕事場ではカジュアルで上司からも部下からも親われそうな髪型のほうがよい。そして、その男性と会う時だけガラッと雰囲気を変えられるアレンジが利くスタイルを作ります。すると、ギャップができて大人の魅力を引き出すことができる。
また、40代のママさんから『学校の行事がある』と聞いた時は、少し控え目にすると好感度があがります。行事の主役はお子さまですからね。あえて、一歩引いた雰囲気に落ち着けると、とてもよろこんでいただけます。
他にも、オーディションのために美容室を訪れた若いお客さまの場合は、絶妙に抜けているスタイルをご提案すると好評です。他の参加者は、おそらくみんなパキっとキメてくるはずなので『ダサいまでいかないギリギリのライン』を攻めると、『ダイヤの原石』のような印象を与えることができます。このように、さまざまなシーンをプロデュースすることも、美容師の大切な仕事ですね」
成果を上げるブランディング術の極意
緑に囲まれた外観が印象的だった『K.e.y原宿』。成果を上げるブランディング術の極意をまとめると、下記の3つでした。
1.サロン全体のコンセプトを掲げる
2.ターゲット年齢を明確にし、柔軟に変化させる
3.「シーンに合わせた提案」を心掛ける
後編では、強いチームを作る方法や今後の目標などに迫ります。
▽後編はこちら▽
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