本当に欲しい人材って? 採用担当のホンネ【December 北田ゆうすけさん】#1
「こんなスタイリストになりたい!」という理想をかなえるには、技術を磨く努力はもちろん、経験の積み重ねがものを言います。その体験の場となるのがサロン。そこで、人気ヘアサロンの採用担当者に、求めている人物像を直撃しました。さらなる高みを目指している人を応援します!
今回は2018年にオープンして以来お客さまの笑顔を生み出し続けている、Decemberで採用を担当しているオーナーの北田ゆうすけさんにホンネをうかがいます。
今回お話しを伺ったのは…
December 代表 北田ゆうすけさん
美容師歴13年目。専門学校を卒業後、表参道のサロンにて腕を磨く。2018年にDecemberをオープン。2020年には、もう1店舗をオープン予定。前髪カットとボブを得意とし、髪質に悩んでいた人に対して、扱いやすく、可愛いスタイルを作り上げることに定評がある。
「間口を狭べ、本当にサロンが好きな人だけに応募してもらう」
――まず、Decemberの特徴を教えてください。
Decemberはやわらかい質感デザインをウリにしているサロンです。お客さまは1人ひとり、骨格や生えグセ、好みのタイプが違い、お悩みは少しずつ違っています。確かにトリートメントなどでもそれを解消できるでしょう。しかし、髪質を変えると予想以上に多くのお悩みを一度に解決できます。実際に、とても驚かれるお客さまが多いですね。
――採用では、どのようなことを意識しているのでしょうか?
Decemberというお店で本気で働きたい人、サロン側としても本気で育てたいと思える人を採用することです。採用はお店側にとっても、応募者側にとっても人生に関わるとても大きな選択ですよね。なので、サロンの理念に共感できる人、自分のなかになりたい美容師像をきちんと持っている人、そしてその美容師像にサロン側がちゃんと共感できて、一生懸命育てられると思う人だけを採用して、応募者とサロンのアンマッチを防ぐようにしています。
そのためDecemberではわざと応募の間口を狭めているんです。美容学校への求人は出さず、サロンのホームページ、インスタからのみ応募可能となっています。
応募者数は少なくなりますが、Decemberへの思いが強い人、Decemberを好きでいてくれる人が集まりマッチングの確率が上がるため、非常に効率的です。とにかくたくさん応募者を呼んで、数多く採用し、そこから何人かが残ればいいというサロンもありますが、これはアシスタントを育てるスタイリストにとって、大きな負担になります。どんなスタッフに対しても、スタイリストは自分の時間を割き、育てていかなればならないからです。
採用のアンマッチを防ぐために、採用のプロセス、基準を試行錯誤しながら確立してきました。そのためスタッフの定着率も非常によくなっています。
――採用はどのようなステップがあるのでしょうか?
説明会、サロン見学は行わず、まずはインスタから見られる応募用の動画を見てもらい、興味を持ってもらったら、半額クーポンを用意しているので実際にお店でカットを体験してもらいます。そこで合いそうだと思ったら応募してもらう形です。
応募の際に履歴書とインスタのアカウントを送ってもらいますが、そこでとくに選考はせず全員が1次面接に進みます。1次面接は、Decemberのスタイリスト全員と応募者全員の集団面接です。その後、2次面接ではサロンワークを行い、3~4時間ほど実際にお店で働いてもらいます。3次面接では、私、人事担当の徳永、学生の3人でカフェに行き、ざっくばらんにお話しています。ちなみに、選考内容は毎年の反応を見て、少しずつ変化させていますね。
――インスタのアカウントでは、何をチェックしているんでしょうか?
人となりですね。履歴書や面接で話すことよりも、その人の人となりや好きなものが分かりやすいんです。ただそのインスタを見て、「こういう人だ」と決めつけるのではなくて、面接ではむしろ逆の面がないか探してみたり、可能性を広げるようにしています。
――説明会をせずに、動画を見られるようにしているのはなぜでしょうか。
説明会でこの動画を流しても、自宅で見てもらっても変わらないのでは、と思ったことが大きいです(笑)。昨年からこのスタイルを始めて、今年はとくにコロナの影響もあり集団での説明会は厳しかったので、この動画で説明会の1ステップを省けることは学生から非常に好評でした。
次回は、面接でチェックしているポイント、北田さんが採用を決めた人材のひとりをご紹介します。
▽後編はこちら▽
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