【鬼滅カラーの方法】TORNADO 関口詩織さん流2.5次元カラーの極意とは #1

カラー剤のバリエーションが増え、さまざまなデザインが可能になった今、「あのキャラクターの髪になりたい!」というオーダーがあることも。そんな2.5次元カラーを得意としているのが、TORNADOのトップスタイリスト関口詩織さんです。そこで今回は、関口さんに話題の鬼滅カラーの作り方を教えていただきました。

前編では、関口さんが美容師を目指したきっかけや技術力アップ法、2.5次元カラーを始めた理由についてお聞きします。

「TORNADO」トップスタイリスト 関口詩織さんにインタビュー

美容師歴8年。山野美容専門学校卒業後、「TORNADO」に入社。デザインカラーを得意とし、再現性の高い2.5次元カラーのオーダー多数。アニメキャラクターの髪色を、その人に合う現実の髪に再現する。
Instagram:@gummi_candy_

お客様にとって唯一無二の存在になるために

―まず関口さんが美容師を目指したきっかけを教えてください。

中学生のとき、担当してくださっていた美容師さんが、いつも素敵な髪形にしてくれて。それが嬉しくて、毎月サロンに通うのが楽しみだったんです! でも、その方が他店舗に移動になって担当してもらえなくなって…。すごく悲しかったのと同時に、「担当してもらいたい」とお客様から思ってもらえる美容師さんって、すごいなと思ったんです。私も将来、誰かにとって「唯一無二の存在の美容師になりたい」と思ったのがきっかけでした。

―専門学校卒業後、TORNADOに入社されたんですね。若手時代に、技術力を磨くためにしていたことはありますか?

雑誌やヘアカタログを一冊買って、載っているモデルさんたちのカラー選定をする、という訓練をしていました。お客様としてご来店されたと想定して、ブリーチで何レベルまで明るくして、どのカラー剤を使って表現するか…。そういうのを、ひたすら考えて、先輩にチェックしてもらって。

ご来店されるパターンとして、黒髪、茶髪、金髪のそれぞれで考える訓練をたくさんしたので、自分の中でカラーを表現するためのレシピみたいなものが確立されていきました。

また、使っている薬剤を理論的に理解して使いこなすために、サロンにあるすべてのカラー剤の色出しをして、PCCSのどこに位置しているかを明確にしました。これは、新しいカラー剤を取り入れるたびに、今でも継続しています。

―逆に、スタイリストになって始めたこと、アシスタント時代と変わったことは?

スタイリストになってからの技術は、お客様に似合っていることが第一なので、そのための勉強と流行のリサーチは欠かせません。とくに、こだわるようになったのが、なるべくダメージを抑えてデザインを作ること。来てくださるお客様に「今まで至上1番かわいい」と思っていただけるデザインを表現し続けるためには、ダメージを最低限にすることが大切だと感じています。

そのためには、その人の髪の毛の状態に合ったデザイン、ブリーチの種類、カラー剤の種類、トリートメントで対応すること。自分の施術で髪の毛がどうなっているかを感じて、より良い施術を見つけられるように、常に意識してサロンワークをしています!

また、2.5次元カラーは、お客様の求めている再現性に応えることが必須。そのために、カラーのレシピを明確化して、ブラッシュアップし続けるようにしています。

キャラクターの髪色を、お客様のパーソナリティに合わせてデザイン

―2.5次元カラーを始めたきっかけは?

きっかけは、お客様からオススメしてもらった『鬼滅の刃』にハマったことです。それから、キャラクターの髪をカラーで表現するようになりました。それ以前からも、キャラクターの髪色の再現をオーダーいただくことはあったので、ニーズは感じていましたね。

―デザインを考えるうえで大切にしていることは何ですか?

2.5次元カラーですと、コスプレでかつらをかぶっているような再現性じゃなくて、あくまでリアルな世界で、推しのカラーを楽しめるように作ることです。

私もアニメが好きで、推しカラーを自分の髪の毛にカラーしたりもするので、お客様の好きなキャラや作品への愛の深さ、こだわりたいポイントがあることも共感できます。

だからこそ、お客様が持っているイメージを崩さずに、お客様のメイクやお洋服などのパーソナリティに合うようにデザインすること。希望のキャラクターの髪色やイメージカラーをそのまま作るのではなく、2次元と3次元のあいだのベストな次元に落とし込めるように考えています。

あとは、作品を実際に感じ取ることで、キャラクターのイメージと掛け合わせてデザインを考えます。黒髪や茶髪のキャラクターでも、透明感や絶妙な色ってけっこう多いので、それを再現したり、キャラクターのイメージカラーをプラスしてモチーフカラーにするなど、お客様に楽しんでもらえるようなデザインを心がけています。

―では、今回のデザインについて教えてください。

キャラクターの髪色をそのまま作るよりも、インナーやグラデーションで取り入れたデザインのほうが、挑戦しやすいと人気があります。今回は、『鬼滅の刃』の煉獄杏寿郎をモチーフに、キャラクターの髪色でもある黄色と赤を使って、インナーカラーで再現しました。煉獄さんの黄色はベージュ寄りなので、バランスを考えてベースカラーとインナーカラーの選定をしました。ポイントになる赤とのグラデーションもキレイに出るように施術しています。

関口詩織さんが作る『鬼滅の刃「煉獄杏寿郎」インナーカラー』

キャラクターカラーであるイエローと赤のグラデーションを、耳前のインナーカラーで取り入れたデザイン。ベースは、インナーカラーと相性のいい黄み寄りのベージュでカラーリング。違和感のないナチュラルなグラデーションで、2次元の髪色を再現している。

関口さん流『鬼滅の刃「煉獄杏寿郎」インナーカラー』のいいところ

1. インナーカラーでなら初めてでも挑戦しやすい

2. カラーバターだから色持ちがいい

3. 好きなキャラクターの髪色と同じになれる!

キャラクターの髪色をただ再現するのではなく、お客様に合ったカラーデザインに落とし込んでいる関口さん。そのデザインは、お客様のパーソナリティだけでなく、髪の状態まで考えて作られています。後編では、ご提案いただいたカラーデザインの詳しい作り方を教えていただきます。

▽後編はこちら▽
【動画で解説:鬼滅カラーの方法】TORNADO 関口詩織さん流2.5次元カラーの極意とは #2>>

取材・文:山本二季
撮影:片岡 祥
ヘア:関口詩織(TORNADO)
モデル:青木百花

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Salon Data

TORNADO(トルネード)

住所:東京都渋谷区神宮前4-5-10 野口ビル2F
TEL:03-6804-2517

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