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特集・コラム 2020-02-01

機能訓練指導員になるには資格が必要! 機能訓練指導員の資格要件を詳しく解説します

介護施設などを利用している人の身体機能の回復を目指す「機能訓練指導員」の仕事をご存知でしょうか。さまざまな職種がある介護業界のなかで、近年は機能訓練指導員を目指す人が増えてきています。今回の記事では、機能訓練指導員になるために必要な資格はもちろん、資格ごとの仕事内容の違いについて解説していきますので参考にしてください。

機能訓練指導員になるには資格が必要! 資格による仕事内容の違いとは

機能訓練指導員になるには、特定の資格を保持している必要があります。また、同じ機能訓練指導員であっても、資格の違いで仕事内容や求められる役割も変わるのが特徴です。機能訓練指導員になるため資格要件や、資格ごとの仕事内容の違いについて見ていきましょう。

1. 看護師・准看護師

看護師・准看護師は、施設を利用している人の体調管理、病気やケガの予防処置といった、医療の知識を活かしたケアやサポートをおこないます。デイサービスなどの通所介護施設においては、看護師と機能訓練指導員の両方の仕事を担当するケースも多くみられるようです。

看護師はもともとリハビリの技術は持っていないので、看護師と機能訓練指導員の両方を兼務する場合は、勤務しながらリハビリや機能訓練の技術を習得していくことになるでしょう。厚生労働省の調査によると、機能訓練指導員として働く人のうち看護師資格を所有している人の割合は65.6%に上ります。

2. 理学療法士

理学療法士は、運動療法や物理療法を用いて体の機能回復、筋力強化、痛み・麻痺の軽減などをおこない、日常的な基本動作の改善を目指す仕事を担います。日常生活における身体的な自立を目指すという意味では、機能訓練指導員と仕事の役割が重なっているのが特徴です。施設によっては、機能訓練計画の作成や利用者の身体機能評価などを一緒に担当する場合もあります。

理学療法士は、一般的な介護職以上のプロフェッショナルな技術を用いるので、リハビリステーションにおいては重宝される人材です。

3. 作業療法士

作業療法士は、主に身体機能が低下した高齢者や障碍者に対して、日常生活における応用動作のリハビリテーションをおこないます。理学療法士の場合は日常的な基本動作の改善がメインになりますが、作業療法士は入浴・食事・掃除・着替え・読書といった日常における応用動作の改善を得意とするのが特徴です。

さらに、作業療法士は身体だけでなくメンタルな面からも利用者にアプローチをおこないます。例えば、レクリエーションや地域活動への参加を促し、利用者に対する心理的なリハビリテーションをおこなうのも大切な仕事です。

4. 言語聴覚士

言語聴覚士は、言語能力や聴覚に障害のある利用者に対し、機能回復訓練・指導・支援をおこなう専門職です。言語聴覚士の役割として、嚥下障害のサポート、口腔ケアといった「口の機能」「食べる機能」の回復を目指す仕事も担います。

高齢になればなるほど、言語・音声・発達・認知・食事などの部分で問題を抱える利用者が多いのが特徴です。その利用者の問題を明らかにし、検査と評価、適切な機能回復訓練と指導によって改善を目指すのが言語聴覚士の役割となっています。

5. 柔道整復師

柔道整復師は、筋肉・骨・関節・腱・じん帯など体のさまざまな部位で発生する損傷・故障に対して、整復法・固定法といった手術以外の方法で治療をおこなう仕事です。機能訓練指導員としては、打撲・骨折・脱臼・捻挫といった故障を発症している利用者に対し、専門の治療法を実施して痛みの緩和と機能回復を図っていきます。

柔道整復師は、高齢者にありがちに疾患とそれに対する治療法に精通していることが多いので、高齢者が多く入所している各介護施設で重宝される存在です。

6. あん摩マッサージ指圧師

あん摩マッサージ指圧師は、あん摩、マッサージ、指圧などの手技によって、体のコリ・ハリ・痛み・疲れなどを軽減する治療をおこないます。高齢になればなるほど体の違和感や不具合、痛みが顕著になりやすいので、リハビリにおいても手技による治療が求められることが多いです。

なお、柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師が機能訓練指導員として働く場合、自身の専門分野以外の業務(特に介護業務全般)は、働きながら現場で覚えていくケースが多くなります。

7. はり師・きゅう師|平成30年度改定から

平成30年の介護保険法改定で資格要件が緩和されたことにより、はり師・きゅう師も機能訓練指導員として働くことが可能となりました。はり師・きゅう師は、「はり」「きゅう」を用いて体に刺激を与え、体の不調の軽減・治療をおこなうのが仕事で、いわば東洋医学のプロといえる存在です。

はりを専門に治療をおこなう人は「はり師」、きゅうを専門に治療をおこなう人は「きゅう師」と呼ばれ、それぞれ別々の国家資格になります。

はり師・きゅう師が機能訓練指導員として働けるようになった背景には、高齢化社会における介護人材の不足という面が大きいです。しかし、単にそれだけでなく、はり師・きゅう師が持つプロフェッシェナルな治療技術は、高齢者の身体のケアと機能改善に期待ができるという面もあるでしょう。

鍼灸師が機能訓練指導員になるには実務経験が必要

上述したように、平成30年からはり師・きゅう師も機能訓練指導員として働けるようになりました。しかし、他の国家資格とは異なり、はり師・きゅう師の場合は一定の条件をクリアしていなければ機能訓練指導員になることはできません。

必要な要件は「はり師・きゅう師以外の機能訓練指導員が在籍する介護施設・事業所などに半年以上勤務し、機能訓練指導員としての経験を持つこと」です。

厚生労働省の「平成30年度介護報酬改定に関する Q&A(Vol.1)」によると、この半年間の勤務において「実務時間・日数・実務内容に規定はあるのか?」と質問されています。この問いに対し、「要件にある以上の内容については細かく規定しないが、業務の頻度・内容を鑑みて、十分な経験を得たと当該施設の管理者が判断できることは必要となる」と回答しています。

さらに、「はり師・きゅう師を機能訓練指導員として雇う際に、そのはり師・きゅう師が半年以上の実務経験を持っていることをどうやって確認するのか?」という質問も。こちらの問いに対しては、「当該はり師・きゅう師が機能訓練指導に従事した事業所の管理者が書面でそれを証すことができれば、確認として十分である」としています。

介護福祉士は機能訓練指導員にはなれる?

これまでご紹介した国家資格が、機能訓練指導員になるための要件です。それ以外の資格では機能訓練指導員になることはできません。例えば、介護福祉士や社会福祉士といった福祉系の国家資格は、機能訓練指導員の資格要件には当てはまらないので注意が必要です。

機能訓練指導員は施設やデイサービス・医療機関などで利用者のリハビリを行う大事なお仕事!

現在、機能訓練指導員として働くために必要となる資格は、看護師・准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、はり師・きゅう師のみとなります。いずれの資格も国家資格であり、より高度な知識と技術が求められる職種です。

高齢化が深刻化し、介護人材が不足する中で、これらの資格を持つプロフェッショナルが「機能訓練指導員」として活躍する形が今後増えてくることが予想されます。介護人材の需要の高まりもあって、国家資格を持つ人の機能訓練指導員として給料・待遇は比較的高くなっているという点にも注目です。

既に資格を取得している人も、これから資格取得を目指したいという人も、機能訓練指導員という新しい選択肢を持ってみてはいかがでしょうか。

出典元:
厚生労働省 (3)リハビリテーションと機能訓練の機能分化と その在り方に関する調査研究
厚生労働省 平成 30 年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)

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