本当に欲しい人材って? 採用担当のホンネ【Nail salon No.6 chihiroさん】
安定した経営を行うためには「採用」への工夫が大切。魅力的な人財の確保は、お店全体を一段上のレベルに導きます。それでは、いったい、どのような選考を行えばよいのでしょうか?
今回お話を伺ったのは人気ネイルサロンNail salon No.6の採用担当、オーナーのchihiroさん。採用への取り組み方について聞くと、そのポイントは「面接」と「技術チェック」、そして「ニュアンス系のネイルが好きであるかどうか」と答えるchihiroさん。
採用担当が、応募者の何をみているのか、どうすればいい人材を獲得できるのか、その方法を探っていきます。
今回お話しを伺ったのは…
Nail salon No.6 オーナー chihiroさん
ネイリスト歴7年。新宿や自由ヶ丘のサロンで腕を磨き、2019年9月1日に『Nail salon No.6』を下北沢にオープン。長持ちネイル、ニュアンス系、天然石アート、女性らしいナチュラルカラーが得意。また、透明感のある大人ネイルやくすみ系カラーでも支持を集めている。趣味はゲーム、夢の国、映画鑑賞、都市伝説など。
新作ネイルの発表でスタッフ同士の技術を共有!
――まず、Nail salon No.6はどのようなサロンでしょうか?
Nail salon No.6は、ニュアンス系のネイルをウリにしているサロンです。「下北沢っぽい、おしゃれ」が好きな方から反響をいただいており、ご紹介をきっかけに多くの方が足を運んでくださっています。
実は、オープン当初のデザインは少し違う雰囲気でした。その頃は、以前勤めていたサロンで人気があったデザインの流れを汲んでいて、原色系のニュアンスネイルを作っていたんです。ですが、「お客さまにハマっている!」という手応えをつかむことができず…。以前勤めていたお店は、自由ヶ丘にあり、少し年齢が高めの方がメインのお客さまでしたが、下北沢のお客さまにそのデザインは受け入れていただけませんでした。
そこで、スタッフ全員で試行錯誤をしながら「シモキタ好きの方」にマッチしたネイルを作っていったんです。
――「シモキタ好きの方にマッチしたネイル」とは?
淡い色やくすんだ色をまとったネイルです。お店では、ベージュやピスタチオカラーなどがとくに人気を集めています。お客さまの雰囲気に合わせ、店内の壁もニュアンス系のデザインを意識してブルーにしたんですよ。すりガラスが入ったブースの仕切りやウッド調の施術デスクなど、小さなポイントにもこだわって居心地のよい空間を作っています。
――サンプルもとても多いですね。
店頭には、およそ400~500種類くらいのネイルチップが揃っています。その時々の流行に合わせて更新されており、入れ替えるタイミングは、毎月1日。サロンでは、1人2~3個の新作を、完全にお任せスタイルでスタッフに作ってもらっています。新しいデザインには、それぞれの個性が反映されているので、本当に毎回おもしろいですね(笑)。
お店が強みにしているデザインと、ネイリストの資質や相性が大事
――それでは採用の流れを教えてください。
「面接」と「技術チェック」、大きく2つに分かれています。お店では求人サイトに募集を出しているので、応募の連絡はそのサイト経由で届くことが多いです。採用には、いくつか条件があり募集の欄に細かく書いています。これまでは、面接と技術チェックを1日で行うスタイルでしたが、これからはより応募者のことを知るために、二次面接や研修期間などを設けるかもしれません。
――ちなみに、サロンでは何名のスタッフが働いていますか?
私を含めて3名です。それぞれのネイリストには高い技術が備わっており、得意なテイストは1人ひとり少しずつ違います。先ほども言ったとおり、サロンでは新作の発表があり、私たちは、その都度新しいデザインを作るノウハウを身に付けなければなりません。
時には「どうやって作るんだろう?」と思うこともあるので、そんな時はお互いに教え合っていますね(笑)。この共有はサロンのレベルを高めるためには、とても大切です。
――採用の際に設けている条件はありますか?
「ネイリスト技能検定試験の2級以上を取得していること」と、「サロンワークの経験が1年以上あること」です。Nail salon No.6では、専用機器を使ってジェルを削る「フィルイン」という技術を導入しています。このオフの方法は、サロンのウリの1つです。
機器の扱いには、ある程度の経験が必要になりますから、未経験の方は身に付けるまでに時間がかかってしまいます。将来の計画では、ゼロからネイリストを目指す方の採用にも乗り出す予定ですが、今は経験を持っている方のほうがうれしいですね。
――面接では、どのようなポイントをチェックしていますか?
「ニュアンス系が好きであるか?」を大切にしています。ネイリストには、きれい目系が好きや可愛い系が好みなど、さまざまなタイプがあり、その資質は働くうえでとても大切です。自分の個性とサロンの方向性がマッチしていなければ、ネイルへの研究心が湧きませんからね。そこで私は、技術の前にニュアンスへの想いをチェックしています。
――サロンとの相性がよい人柄があれば教えてください。
「サバサバした性格よりも、ふんわりした雰囲気のある方のほうが向いている」と思います。お客さまには、ゆったりした印象の方が多いので(笑)。また、現在働いているスタッフも、どちらかというと緩い空気感を持っていますね。「下北沢っぽくてよいな」と、思っています。
ここからはchihiroさんが選んだ鈴木広大さんにお話を伺います。
chihiroさんが採用を決めた人材:ROOKIE’S FILE 鈴木広大さん
福島県出身の27歳。ヒューマンアカデミー宇都宮校卒業後、都内のサロンに入社。2年ほど腕を磨いた後、2019年1月から『Nail salon No.6』のネイリストに。憧れの人は、中島淳さん(ネイリスト)。趣味、ハマっていることは、YouTubeでスピリチュアル系の動画を見ること。
――ネイリストを目指した理由は?
もともと細かい作業が好きだったからです。また「将来的には男性の活躍が期待されるだろう」と思ったので、ネイリストを目指しました。
――Nail salon No.6への入社を決めた理由は?
以前、オーナーと同じ職場で働いていたのがきっかけです。またNail salon No.6では、得意な施術である「透け感のあるニュアンスアート」を生かせるとも思いました。他にも、お客さまの希望に寄り添える空間だったことも理由の1つです。
――将来の目標は?
独立して自分のお店を持つことが目標です。
ホンネから分かった採用に大切な3つのポイント
1. デザインの好みがサロンの方向性と合っているか
2. 服装や人柄など、下北沢とマッチするポイントがあるか
3. お客さまや店内に流れている空気感とのマッチングも大切にする
下北沢は居心地がよいというchihiroさん。「おしゃれだけど緩い地元感があって、とても落ち着きますね」と笑顔で話します。採用に悩んでいる人事の方は、Nail salon No.6の採用方法を参考にしてみてはいかがでしょうか?