2021年はコミュニケーションが鍵! 広告からSNS主流の時代へ

世の中の流れが新型コロナウィルス感染症(covid-19)に大きく左右された2020年。今年もその影響を受けて引き続き変化の大きな1年になりそうです。

とくに大きく流れが変わったのが対人関係です。飛沫感染を避けるためソーシャルディスタンスという言葉があっという間に世の中に浸透し、接客業である理美容院は大きな影響を受けたサロンも多かったことでしょう。

withコロナといわれる現在の状況とこれからを、2021年のトレンド要素や経営の先読みをふまえ、多くの理美容院で経営をV字回復させた実績をもつ、船井総合研究所で美容室のコンサルタントを務める、田崎昌美(たさきまさよし)さんにお話を伺ってきました。

お話を伺ったのは…

田﨑昌美(たさき まさよし)さん

美容室のコンサルティング部門の統括
20年以上に渡り300件以上の企業の業績アップに携わる。
手がけた企業の多くは即時に業績アップさせる
船井総研のレジェンドコンサルタント。
現在は長年の研究成果の集大成として
年商10億円突破企業の育成に注力。
年商10億円突破を目指す多くの経営者が船井の門を叩いている

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新規集客から既存顧客の囲い込みに流れが変わった

まず、この1年で大きく変化をしたのは外出に対してのハードルです。新型コロナウィルス感染症(covid-19)の影響下での行動変化を6月末と9月末の2段階で追った調査によると、コロナ前と比べて私的手段である「自家用車」「自転車」の利用が増える一方、公共交通機関の利用は減っており、とくに「電車やバス」では 36.2%も減少しています。

外出を避けるようになったことで美容院にいくこと自体はどうなったのかというと、やはりハードルがあがっているようです。

いつもは年間4回以上美容院を使うという25歳以下の女性へ行ったコロナ禍での美容院利用についての調査によると、このような結果になっています。

出典元:資生堂プロフェッショナル 【コロナ禍で美容室に使う金額に変化が!?】Z世代のお財布事情 in Salon

実に半数以上の方が、美容院へ行く回数が減ったと回答。別の調査ではコロナ禍における美容室や理容室利用について調べており、その意識調査によると、実に80%の方が前回行ったお店に再来店していました。

設問:来店したお店は普段利用しているお店でしたか?「ファンくる(株式会社ROI)調べ」コロナ禍における美容室や理容室利用についての意識調査「ファンくる

また、普段利用するお店に行かなかった方のうち、行かなかった理由の内訳としては、「繁華街にあるため」「コロナ対策がしっかりとされていなかったため」「休業中だったため」「営業時間短縮中だったため」とほとんどが新型コロナウィルス感染症(covid-19)の影響で行かなかったという調査結果でした。

『しっかり顧客管理ができていて、お客様とコンタクトをとれているサロンはコロナ禍でも強いです。
新規の来店は10~50%以上ダウンしているところがほとんどですが、既存顧客の売り上げベースはあまり変わっていません。
都心型の美容院は、広告媒体を使って新規顧客を獲得していたケースが多いので苦戦しています。』

調査結果からもわかるように、新型コロナウィルス感染症(covid-19)を気にするお客様が大半で、よく知らないサロンには行きたくないという思いも強くでています。

金額や立地、ヘアデザインなどの要素をメインで売っていたサロンの場合は、コロナ禍においてどのような取り組みをしているかをきちんとお客様に伝えていく必要があるといえそうです。

ダークホースはLINE集客 2021年はコミュニケーション型の集客がさらに伸びる


美容院の集客といえば、ホットペッパービューティーといわれるくらい、クーポン型広告の独り勝ちの時代が続いていましたが、新規のお客様がとりづらくなったということで、広告のあり方も変わってきています。

まず、広告費のかけ方としては、新規顧客を集客するためのツールから、既存顧客を囲い込むためのツールに注目が集まっています。その中でも群を抜いて目立つのがLINEです。

『現状集客としてはコミュニケーションツールの強化が課題なので、LINEの活用が注目されています。まだ導入期なので伸びしろもあるといえるでしょう。
Youtubeは伸びてきてはいますが、かける時間や費用に対して明確なリターン(売上)が分かりにくい状況なので、当面は店舗ではなく美容師個人が活用する媒体です。
そもそもSNSの場合、エリアに絞っての戦略ではなくなるので、あくまで認知度向上で、ホットペッパ―ビューティーなどローカルの集客アプローチとは別物にとらえる方がよいでしょう。』

「LINE」の月間アクティブユーザー数は、2020年9月末の段階で8,600万人を超えており、現在さらに増加が見込まれています。日本の人口の約68%の利用率という非常に高い数字です。

情報を発信したり情報収集・共有に使用する要素が強いFacebookやTwitter、InstagramといったSNSに比べ、電話やメールに準ずるコミュニケーションツールとしてLINEを活用する従事者が多いのも特徴です。これまでサロンのSNSではアプローチのできなかった、より幅広い層にアプローチできるのもLINEが活用される理由といえます。

出典元:LINE Business Guide_202101-06_summary_v1.pdf

LINEには個人が使うLINEと公式LINEと呼ばれるビジネス仕様のものがあります。

ビジネスアカウントも、月に1,000通まで無料配信できるので、まずは無料の範囲で使い方に慣れてみても良いでしょう。LINEの中でクーポン発行やスタンプカード、営業時間の案内などWEBサイトのような見せ方をすることができます。

配信とは別に、お客様からのお問い合わせなど1対1のやりとりは通常のLINEのように制限なく操作できるので、自社のWEBサイトがなく、クーポンサイトの掲載に頼っているサロンも顧客としっかりコミュニケーションをとることができます。

しつこい配信はブロックされる原因にもなるので注意が必要ですが、お客様とのコミュニケーション手段として、LINEを取り入れていない場合はぜひ取り入れて、既存顧客とのコミュニケーションを強化していきましょう。

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物販売上は信頼度に比例する、鍛えるべきはオーダーメイド提案力

既存顧客とのコミュニケーション強化の重要性をお伝えしましたが、コミュニケーションを強化するメリットは来店促進だけではありません。物販にも同じことがいえます。

たとえば、新規のお客様の場合、髪質や好みなどすべてヒアリングから入っていきます。ある程度の情報と信頼関係を得て、はじめて提案という土俵に立てるようになるのです。

『本業で業績が悪いところこそ、もっとお客様と仲良くなる意識を強めていかなくてはいけません。
売上が好調なところは前年比200~300%以上の売上をキープしており、物販でいうとシャンプーやトリートメント、サプリメントは安定して売れています。
お客様は、ブランドや大量生産の流行りものではなく、自分のためのサービスや自分のことをよくわかっている人に重きを置く傾向に変化しつつあります。』

たとえばオイルタイプのヘアトリートメント剤が苦手というお客様には、流行っていてもオイルトリートメントはあまりおすすめできません。物販のトークで「今この商品がすごく人気で、この成分がおすすめです。」と言われるのと、「以前髪にコシがないのが悩みだとおっしゃってましたけど、このヘアトリートメントは髪にハリ・ツヤを出してくれてオイルフリーのミスト美容液なので、〇〇さんには相性良いと思うんです。一度お試ししてみたらいかがですか?」と言われるのとでは、自分への親密度がまったく違います。

物販では、「あなたのためだけ」という要素をいかに打ち出せるか、ここが非常に重要になります。

そのためには、情報の引き出しが必要になり、お客様とのコミュニケーションがかかせません。

ものを売る場合でも、きちんと相手に寄り添いながら提案ができるかがポイント。お客様の不安や不満、不快など、なにかしらの「不」を解決してあげると、そこで信頼がうまれ、また次の提案も受け入れてもらいやすくなります。

この人に言えばなんでも理解してくれるし、いいものを提案してくれる、そのような信頼関係があってこそ、物販も伸びるのです。

技術も大事ですが、ひとりひとりのお客様としっかり向き合うコミュニケーション力、これがゆくゆくは大きなブランド力となり顧客の囲い込みにつながります。

これからの時代は既存顧客の囲い込みも意識を強め、LINEのようなコミュニケーションツールを活用しながら、できることからコツコツとお客様との信頼関係を作っていきましょう。

出典元:
資生堂プロフェッショナル 【コロナ禍で美容室に使う金額に変化が!?】Z世代のお財布事情 in Salon
ニッセイ基礎研究所 2020年度特別調査 「第2回 新型コロナによる 暮らしの変化に関する調査」
【コロナ禍における美容室や理容室利用についての意識調査】
「ファンくる」
画像はPRTimesより
【LINE LINE for Business媒体資料】
LINE Business Guide_202101-06_summary_v1.pdf

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