MOONLIT Kaoriさんに聞く「ニュアンスカラー×手書きアート」の作り方【ネイリストの技術 MOONLIT by mananails Kaoriさん #2】
前編に続き、手書きアートで人気を集める『MOONLIT by mananails』で活躍するKaoriさんにインタビュー。前編では、ネイルアートが苦手だったというKaoriさんがMOONLITでネイリストになった経緯と、アートを克服した方法について教えていただきました。
後編ではそんなKaoriさんに、挑戦しやすい手書きアートを取り入れたネイルデザインをご紹介いただきました。Kaoriさんが得意とするニュアンスカラーと手書きアートの作り方を、詳しく教えていただきます。
お話を伺ったのは…
『MOONLIT by mananails』
ネイルアーティスト Kaoriさん
学生時代からネイルにハマり、独学でデザインを勉強。Instagramでネイルの写真を投稿していたところ、オーナーmanamiさんに技術力を評価されMOONLITに入社。得意なデザインは、ニュアンスネイルとアンティーク調アート。
Instagram:@moonlit_kaori
MOONLIT Kaoriさん流『ニュアンスカラー×手書きアート』
夏から秋に向けておすすめのニュアンスカラーに、手書きが苦手でも挑戦しやすいアートを取り入れたデザイン。ベースカラーは深いネイビーに青みピンクで統一感を出しつつ、くすみイエローがアクセントになっています。手書きアートは花びらをイメージし、イエローゴールドのミラーネイルでパーツのような質感に。複雑さはないものの、アートのベースとなる筆使いが活かされるデザインです。
施術ポイント
1. ニュアンスカラーは余白を残すことを意識
ベースになるニュアンスカラーは、やり過ぎNG。余白を残した色の配置で、ベースのクリア感を出して。
2. 硬めテクスチャー×筆圧調節でアートに立体感を出す
今回は花の筋を描いて立体感を出すのがポイント。筆の毛の質感で表現するためには、ジェルのテクスチャーは硬めが◎。筆圧のかけ方でどんな線が生まれるのか研究するだけで、アートの幅は広がります。
3. ベースとアートを色でリンクさせて統一感を出す
ベースのニュアンスカラーにはアクセントにくすみイエローを使い、アート部分はイエローゴールドに。同系色を取り入れることで統一感が生まれ、仕上がりがレベルアップして見えます。
施術のポイントを踏まえて、『ニュアンスカラー×手書きアート』に挑戦。Kaoriさんが提案するネイルデザインの詳しいHOW TOをチェック!
HOW TO
使用アイテム
ベースジェル、トップジェル(マット)、トップジェル(クリア)、パレット、カラージェル(イエローブルー、グレイッシュピンク、ネイビー、くすみイエロー)、マグネットジェル(翡翠色、ローズグレー)、マグネット、カラージェル(硬めブラウン)、ミキシングジェル(硬め)、ミラーパウダー(ゴールド、ビートルイエロー)、チップ、リングパレット、筆
1.パレット上にベースで使う色を並べておく
ニュアンス系のベースカラーはパレット上で色を混ぜながら作っていくため、事前にパレットに使用色を出しておく。
翡翠色とローズグレーのマグネットジェルに、イエローブルーのカラージェルを少量混ぜて色を作る(A)。
クリア感のあるネイビーと柔らかいグレイッシュピンクのカラージェルを混ぜて色を作る(B)。
2.ベースを塗る
ベースジェル(クリア)をフラットに一度塗りして硬化。
3.マグネットネイルを塗る
奥から発光するようなニュアンスを出すため、マグネットネイルから塗布。Aを柄が長くしなる筆で爪の上下にランダムに乗せていく。爪のフチ側が濃くなるイメージで重ねて濃淡を出す。
4.カラージェルでグラデーションを作る
3とグラデーションになるように、Bのカラージェルをのせる。筆の角を使ってジェルを取り、ジェルをのせていない側に圧をかけながら外から内に筆を動かすと、自然なグラデーションになる。ピンクのカラージェルをのせる。凹凸ができないように量に気をつけて、クリア部分が残るように置いていく。くすみイエローのカラージェルをのせる。柄の長いブラシで表面をなでるように、圧をかけずにのせること。1色だけ異なる色味なので、全体のバランスを見て入れる位置を決める。
5.マグネットを当てて輝きを調整
全体のバランスと色の濃淡を見て、輝きを出したいところにマグネットを当てる。少し時間をおいてセルフリベリングしたら硬化。
6.色の濃淡を調節
色を濃くしたい部分のジェルを、筆の角に取って少しずつ重ねてグラデーションを強め、深みを出す。硬化。
7.マットコーティング
マットコーティングを薄く1度塗りして硬化し、ブレッブで拭きとってマットに。下の色が削れないように全体を軽くサンディングし、ブラシでしっかり落とす。
8.アートを描く
ミキシングジェルを硬めのブラウンのカラージェルで色付けする。細く先端がとがったチャビー筆に多めに取り、花びらの先端をイメージして筆圧強めに描き、筆の筋を出す。仮硬化。極細筆で花びらの筋を描き足して立体感を出す。硬化。
9.ミラーパウダーを塗布
ゴールドとビートルイエローのミラーパウダーをチップに取り、ペーパー上でなじませる。アート部分だけにのるように、しっかり擦って塗布。ベースカラーのくすみイエローとリンクする色味。ブラシをパウダーで払う。
10.アート部分をコーティング
ミラーパウダーがはげないように、アート部分をトップコートでコーティング。少しオーバーめにのせ、エッジまでしっかりと。仮硬化。
11.トップコートを塗る
全体をトップコートでコーティング。いろんな角度から見てフラットになるように塗布。硬化して拭き取り完成。
仕上がり
ベースカラーのグラデーション部分は、余白を残してクリア感を演出。表面をフラットに仕上げることでツヤ感もアップして見えます。アート部分はパーツのようなザラッとした質感と立体感を出すと、ベースとのコントラストでより際立つように。ベースとアートを色でリンクさせれば、統一感が生まれてアートが浮いたりしません。
全体の仕上がり
ネイビーベースの濃い色味なので、5本すべて同色でもオシャレに見えます。そのうえ統一感もアップ。アートは、メインの指に大きめに入れたら他は控えめにすると、バランスが取りやすく失敗しません。
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「施術の際は、ケアとフォルム作りも重要です。キワまでしっかり塗れるように丁寧にケアをしておくと、ネイルの仕上がりと持ちが変わってきます。フォルムは、横から見た時にボコボコしていないことが大切。ベースから整え、アートがあってもハイポイントがちゃんと作れるようにしましょう」(Kaoriさん)
手書きアートが苦手でも挑戦しやすい今回のデザイン。基本となる筆使いの練習だけで取り入れられて、いつものニュアンスネイルが格段にアップデート!アクセサリーの有無やお客様の雰囲気に合わせて、アートの本数を減らしたり色を変えたりと、取り入れ方は自由です。ぜひ挑戦してみてくださいね!
▽前編はこちら▽
ニュアンスカラー×手書きアートで急成長! MOONLITのデザイン力の秘訣とは【ネイリストの技術 MOONLIT by mananails Kaoriさん #1】>>
取材・文:山本二季
撮影:高嶋佳代