経営者・ネイリスト・母親、多彩な生活を送る秘密は失敗を糧に夢を持ち続けること
ネイリスト、経営者、画家、ユーチューバー、妻、母親、さまざまな顔を持ち、多彩な才能を発揮しながら働く橋本実花さん。前編では登録者数21万人を超えるYouTubeチャンネルの人気の秘密をご紹介しました。芸術大学や画家として学んだ専門知識を活かしたわかりやすいレビューや、橋本さん自身の出演、プライベートチャンネルの開設などによって多くのファンを獲得してきたそうです。
後編では、仕事と家庭を両立するためのポイントをお伺いします。どちらも周りの支えがあってこそだと語ってくださいました。さらに現在の会社が成長を続ける理由にも注目。数々の失敗の末に気づいたのは将来のビジョンを明確にして事業を進めることでした。
今回お話を伺ったのは…
ネイリスト・画家・経営者・ユーチューバー
橋本実花さん
芸術大学在学中に独学でネイルの技術を習得する。大学院に進学してからは個人事業主としてネイルやデザインの事務所を運営。大学院卒業と同時にネイルキットの製造販売やネイルスクールのプロデュースなどを行う会社「合同会社WORLDLY」を立ち上げ、代表を務める。同時にジェルネイルブランドLetizia（レティジア）を設立。2016年11月に開設したYouTubeチャンネル「橋本実花 – nailist mika. -」では初心者でも簡単にネイルができる方法や新作のネイルを紹介し、2021年10月現在、登録者数21万人以上という人気を獲得している。
Instagram：@mika__youtube
YouTube：https://www.youtube.com/c/NailistMika
失敗を恐れずにやりたいことをやり続けた結果が今の成功につながっている
ネイル施術ではリラックスした雰囲気で楽しんでいただけるよう心がけている。
――ネイリストや画家などさまざまな働き方をされていますが、現在はどのような仕事をされているのですか？
現在は主にネイル関係の会社経営を行っており、スケジュールを調整しながらアートの依頼を受けたり、YouTubeを更新したり、会社では行っていないネイルの施述を知り合い限定で行ったりしています。
――橋本さんの会社の事業を詳しく教えてください。
ネイル用品の販売、ネイルスクールのプロデュース、アプリ開発などのwebサービスの3本が今メインで動いている事業です。「プロ品質だけど初心者でも使いやすい」そんなセルフネイルのパフォーマンスが発揮される製品が少ないと感じていました。
そこで自分でプロデュースをしようと思ったのが、最初に会社を立ち上げたきっかけ。それからスクールやwebサービスなどやってみたいことが増えて、それをひとつずつ叶えているところです。アプリも最初にリリースするのはネイル関係のものなので、すべてネイルをより身近に、手軽に楽しんでもらって、ネイル人口を増やすことを目標に取り組んできます。
――自分のやりたいことを叶えながら働くことは多くの方にとって憧れだと思います。すべてあきらめずに叶えられた理由はなんだと思いますか？
私は昔から常に夢があるタイプで、どんどん突き進んできたんです。そのため今までは失敗も本当にたくさんありました。それを恐れずにやりたいことを全部やった経験があるからこそ、知識や直感で何が成功するか、失敗するかがわかるようになったと思います。新しいことを始める際にとくに不安はなく、怪我して学ぼうってタイプですね（笑）。
将来のビジョンが見えるかどうかが事業を続けるポイント
橋本さんが得意な色彩の知識を活かしたカラフルなネイル。
――失敗談もお聞かせいただけますか？
たとえば音楽とダンスを融合させたイベントをやってみたり、アパレルブランドやデザイン事務所を立ち上げてみたり、学生時代からネイルやアートに関わらず、興味のあることはどんどんやっていました。しかし売上が伸び悩み、どれも長続きしなかったんです。いろんな経験を経て、今の会社は2018年から安定して経営を続けることができています。
――それでは今の事業が継続できている理由を、橋本さんご自身はどうお考えですか？
これまでの失敗は長期的なビジョンがなかったことだと思います。長く続くニーズやお客さまの満足度を継続することが考えられていなかったんです。
今の事業は、いいネイルの商品を作れば多くの人に長く使ってもらえる、それで終わりではなく、お客さまの成長に合わせて新しい商品を作り、その使い方をYouTubeで発信できる。もっと専門的に学びたい人に向けてはスクールの運営、さらにネイル業界全体を発展させたいから、一般の人もネイリストも巻き込むアプリを作ろう、というふうに、ひとつひとつの事業がきちんと繋がって続いていく将来が見えるんですよね。業界全体を見ながらお客さまにとって必要なニーズを長く届ける事業を生み出せたことが、会社を安定して続けられている理由のひとつだと思います。
従業員や家族の支えがあるからこそ会社も家庭も両立できる
1歳になる息子さんとの一枚。家族で協力して子育てに力を注いでいるそう。
――経営者として大切にしていることは？
チームで働くことを意識して、従業員みんなに対して尊敬の気持ちを忘れないようにしています。会社をここまで続けられているのって一緒に働いている人たちの力が本当に大きいんです。私の場合、採用の際に、自分を含めた今いるメンバーができないことをできる人を採るようにしています。みんなそれぞれ得意分野をもっていて、それを活かして働いているので、ひとりも欠かすことができません。自然と尊敬しあえる関係が築けていると思います。
それから、自由に働ける環境を作ることも大切にしています。うちの会社のことだけでなく、従業員ひとりひとりの目指すところを聞きながら、そのために必要な他の仕事があればそちらに時間を使うこともいいと思うんです。外で学んだことって一見会社に関係なくても新しいアイディアが生まれたりすることってあると思うんですよ。それを社内でも活かせる優秀な社員が集まっているので、人と一緒に会社も成長していると実感しています。
――さらにお子さんもいらっしゃるとのことで、仕事と家事・育児の両立はどのようになさっているのですか？
1歳になる息子がいます。幸い私も夫も在宅勤務で時間に縛られない仕事なので、曜日や時間を決めて育児を分担することにしました。とはいえ育児も仕事もきっちり割り切れないので基本1週間時間を調整しながら働いている感じですね。お互いの実家が近く、本当に忙しいときは両親がサポートしてくれるのも大きいと思います。
両立するポイントはできるだけ家事を楽にすること。洗い物を減らすためにワンプレートで完結させることや、時間がないときはそのまま捨てられる紙皿を使うこともありますよ。私たちはその時間を息子に対して注ごうと決めました。夫婦で話し合って手を抜けるところは抜くというのは大切だと思います。私たち夫婦も、仕事と家庭の両立が大変すぎて、喧嘩を繰り返しながらたどり着いた結果なんですけどね（笑）。
自分のやりたいことで多岐にわたって活躍する方法
橋本さんが考える、自分のやりたいことで多岐にわたって活躍する方法をまとめると、ポイントは以下の3つでした。
1． 長くニーズのある事業を考える
2． 自分の苦手を補う人と一緒に働いて尊敬しあえる環境を作る
3． 家族で方針や優先順位を話し合って家庭と仕事を両立する
さまざまな夢を持ちながらも、ネイルを通して多くの人を幸せにしたいという芯はずっとブレずに話をしてくださった橋本さん。インタビューを通じて強い想いを持つことが成功の秘訣だと感じました。今後どのように事業が広がっていくのか楽しみです。
