子育てとの両立のため始めた自宅サロンがリピーターで埋まる人気店に!ネイリスト・チヒロさんの生活に合わせた働き方

結婚、出産後も仕事を諦めずキャリアを重ねていきたい、そう考える美容業界の方は多いのではないでしょうか。今回お話を伺うのはシングルマザーとして子育てをしながら自宅でネイルサロンを経営するチヒロさん。OL、ネイルサロン勤務、シェアオフィスでのフリーランスネイリストを経て、現在の働き方にいきついたそうです。ライフステージに合わせて働き方を変えてきたチヒロさんのキャリアプランや集客方法についてお伺いします。

前編では自宅でネイルサロンをオープンするまでの経緯や売上向上の秘訣についてお伺いしました。その時々の生活に合わせて働き方を柔軟に変えるコツは、自分自身が楽しみながら常に丁寧にお客さまと接すること。リピーターが絶えないサロンづくりとライフステージに合わせた働き方のポイントをご紹介します。

今回お話を伺ったのは…

チヒロさん

ネイリスト
新卒で都内の企業にて営業事務として勤務。退職後は派遣社員として働きながらヒューマンアカデミー原宿校に通い、ネイルの資格を取得する。その後帝国ホテル 東京内にあるネイルサロン「ネイラ」に勤務。約1年半勤めたのちに独立し、新宿のシェアスペースにてフリーランスネイリストのキャリアを開始する。2016年、出産を機に埼玉県の自宅にてプライベートネイルサロンをオープン。現在はシングルマザーとして子育てをしながらネイリストとして活躍している。

Instagram:@ieleonnail

低単価で多くの集客を実現。技術力の高さでリピーターを増やす

水彩画のような花柄ネイル。繊細なアートが得意。

──OL、ネイルサロン勤務、独立、自宅でのネイルサロンオープンと着実にキャリアを積まれていますが、いつ頃からご自身のキャリアプランを考えられていたのですか?

自宅をサロンにすることは子どもが生まれてから決めたのですが、独立したいという思いはOL時代からありました。当時は営業や人事の事務をしており、評価次第で働き方や給与が変わることに違和感を感じたのと、先輩があまり楽しそうに働いていなくて。自分の力でがんばった分だけ正当な成果を得られるフリーランスの道を目指すことにしたんです。

もともとネイルが好きだったこと、手に職をつけられることを理由にネイルの勉強を開始。正社員から残業のない派遣社員に切り替えて時間を確保し、専門学校に通って資格を取得しました。資格取得後は経験を積むために1年半ほどネイルサロンに勤務。その後独立しました。

──独立後の集客や売上はどのようにして確保されたのですか?

最初は新宿の雑居ビルにあるシェアスペースの一角を借りてサロンをスタートしました。激戦区だったため、低単価でとにかく数をこなすことにしたんです。口コミや紹介で当時は毎月100人ほどのお客さまを対応。徐々にリピートしていただく方が増えて、数ヶ月で収入が安定するようになりました。

──低単価とはいえそれだけのお客さまを集められるのは大変だったのでは?!

そうですね。いつまでも低価格で新規の方を集めるわけにはいかないと思っていたので、リピーターを増やすため、安いからといって手を抜かずに施術を行いました。

とくにカウンセリングは丁寧に行うことに。新規のお客さまは今まで行ったサロンに満足をせずに私のところに来てくださっていると思うので、過去に通ったネイルサロンで不満はあったのか、今までどんなネイルをしてきたのかを、なるべく自然な会話の流れで伺うようにしていました。「すぐに浮いてしまった」や「オフの際に痛かった」という技術の面でのお話をよく聞きますね。前のサロンで満足していなかった部分について、とくに気を付けて対応することは今でも心掛けていることのひとつです。

当時は大変でしたがその時の経験のおかげで、技術力の向上と多くのリピーターさんとの出会いができたと思っています。

出産を機に子育てをしやすい自宅でのプライベートサロンをオープン

大人のカラフルネイル。40〜50代のお客さまから人気。

──それでは、現在はどのような働き方をされているのですか?

子どもができたことを機にサロンを埼玉県の自宅に移し、現在は基本的に1日1名のみ、土日は2、3人限定で予約を受け付けています。まだ子どもが小さいので移動の手間がかからなかったり、シッターさんを呼んだときも隣の部屋に自分がいることで何かあったらすぐに呼んでいただけたり、隙間時間に家事ができたりと安心して子育てができるのでとても助かっています。

──一気にお客さまの人数を減らされたと思いますが、収入的には?

ここまで一気に予約枠を減らしたのは、子どものためはもちろんなんですが、コロナ禍の影響もあったんです。消毒や空気の入れ替えなどで以前よりも時間のかかることや気を遣うことが増えたので。そのため助成金の制度などを活用することができて、新宿のときと比べても4分の1ほどの減収ですみました。

収入が減ったとはいえ、OLやサロン勤めのときに比べると倍以上の収入を得られています。サロンの移転にあたり単価の見直しを行ったのもよかったですね。コロナ禍の前はもう少し人数を入れていたので、収入面についてはあまり心配していませんでした。今後は子どもの成長などライフスタイルの変化にあわせて予約枠を拡大したり、臨機応変に体制を変えていったりする予定です。

技術とサービスに見合った単価の見直しで移転後も売上をキープ

落ち着いたカラーもゴージャスになるバランス感が絶妙なネイル。

──単価の見直しについて詳しく教えてください。

子育てが始まると独立当初のようにたくさんの人数の対応は絶対にできないと思い、移転を機に単価を倍くらいに上げました。移転後のサロン周辺は新宿に比べてネイルサロンが少なく、私の得意とする細かいデザインを推しているライバル店もあまりなかったんです。またその頃には技術力も向上し、よりよいサービスや技術を提供できる自信もありました。もちろん最初はお客さまが減ってしまいましたが、新宿で丁寧にお客さまと向き合っていたこともあり、半分くらいの方は引き続き通ってくださることに。あとの半分は広告を使用して新規のお客さまを募集しました。今ではお客さまの90%以上がリピーターさんで、3カ月先の予約まで埋まっています。
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自分の現状に合った働き方や集客を叶えるポイント

ライフステージにあわせて働き方だけでなく、働く場所や料金設定などサロン運営の内容も臨機応変に変更してきたチヒロさん。自分の現状に合った働き方や集客を叶えるポイントは以下の3つでした。

1.ライフスタイルや体力に応じて適した働き方を考える

2.お客さまのネイルに対する不安や不満を取り除きリピーターを増やす

3.自分の技術力やサービスに見合った単価を設定する

独立したてのがんばれるときに情熱を注いで仕事に打ち込むことで技術を高め、子育てが始まると無理のないペースで収入を確保できる方法にシフト。キャリアに応じて自身で働き方を切り開いていくお話が印象的でした。

後編ではネイルの技術だけでなくプライベートサロンの運用方法などもテーマにしたYouTube制作の目的や効果、ネイリストとして長く働くために心掛けていることなどをお伺いします。

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