美容のデリバリーサービス! 会員制訪問美容マッチングサービスBe-talk小長井ゆりえさん♯1
エステティシャン・アイリスト・ヨガ講師など美容業界でさまざまな経験を積んできた小長井ゆりえさん。小長井さんは、14年のキャリアの中で出産を機にサロンから足が遠のいてしまう女性客や、同じく出産を理由に一旦美容業界を離れる女性技術者をたくさん見てきました。
イクメンが当たり前になった昨今ですが、妊娠・出産はやはり女性の役割。その役割を担う過程で悩みを抱えて立ち止まってしまったり、孤独になってしまう女性を応援したい。そんな思いから小長井さんは、女性専用「会員制訪問美容マッチングサービスBe-talk」を立ち上げました。
前編では、小長井さんがBe-talkを立ち上げるまでのお話を伺います。
お話を伺ったのは…
Be-talk 代表 小長井ゆりえさん
美容師免許取得後、エステサロンに勤務。20代のうちに美容業界でさまざまな経験をしたいとスパ、マツエクサロン、ヨガ講師などを経験。美容歴14年目にして女性専用「会員制訪問美容マッチングサービスBe-talk」をスタート。恵比寿に同名のエステティックサロンも経営。
お客様が来られないなら技術者が自宅に伺えばいい
――Be-talkを立ち上げた理由を教えてください。
エステティシャン・スパセラピスト・アイリスト・ヨガ講師など美容業界で技術者として働く中で、「もうすぐ出産なのでしばらく来られなくなります」というお客様がたくさんいらっしゃいました。出産前は定期的に美容室に通っていたけれど、子ども優先になることで徐々に美容から遠のいてしまう。サロンに行けない期間って、女性にとってストレスなんじゃないかなと思うんです。きれいになると単純にテンションが上がるじゃないですか。美容は癒しであり、活力!
現在は、サロンに行ってきれいにしてもらうのが当たり前ですが、お客様がご自宅で気軽に施術を受けられたらいいのに。コロナ禍で飲食宅配代行サービスが普及したことにも後押しされ、お客様が来られないんだったら、こちらから伺って美容技術を提供すればいい。そういう思いでBe-talkをスタートさせました。
――そういったサービスはまだ少ないですよね?
スタートさせる前にいろいろ検索してみましたが、訪問美容としての施術はご高齢の方向けのヘアカットがほとんどだと思います。Be-talkではヘアケア・ネイル・マツエク・ボディケア・トレーニングなどのメニューを展開しています。訪問美容という言葉が、ご高齢の方だけじゃなくて20~30代の若い層も巻きこんだ一般的な用語になってほしいと思っています。
――外出しにくい方は、高齢者だけではないですもんね。
たぶん今後も、妊娠・出産は女性にしかできない役割。いままで以上に女性が社会進出すると、休みの日にサロンを往復する移動時間がもったいないと思う方が増えると思うんです。そういう方にサービスを広げていきたいですね。
技術者プラスもうひとつの仕事で安定収入を得たい
――小長井さんも結婚・出産をご経験されているのですか?
いま婚約中なので、今後経験することになると思います。例えば、妊娠してつわりがひどい、出産して子どもが熱を出した。そんな状況下でも安定した収入を得るために、技術者としての自分、プラスなにかもうひとつ仕事をしたいと考えました。訪問美容でお客様に満足していただきたい。それと同時に、今後ライフスタイルが変わっても安定した収入を得たい。その両面から訪問美容マッチングサービスBe-talkの二足のわらじを履くことにしました。
――技術者の方の出産前後の苦労話はよく聞きます。保育園に預けたばかりの子はすぐ熱を出すので、仕方なくお客様の予約をキャンセルさせてもらったとか…。
わたし、そういうお話をたくさんお聞きしたいんです。このサービスを女性専用にしたのは、そこにも理由があって。妊娠・出産で一旦美容を離れなくてはいけない状況は、お客様だけでなく技術者の方も同じですよね。ずっと美容業界で正社員として働いてきたけれど、妊娠出産で長時間勤務ができなくなり正社員を続けられなくなる。でも美容業界で働きたい。いままで培ってきたものを提供したい技術者の方が、育児をしながら自分の都合のよい時間に働ける。それがBe-talkなんです。
――外出しにくいお客様も時間に制限がある技術者もウィンウィンですね。
ママになっても仕事を続ける方が多くなり、以前に比べたら女性の選択肢はかなり広がってきました。でも家事・育児もまだまだ女性の負担が大きい。そんな背景を重荷に感じてしまうこともあるのではないでしょうか。そこで悩んでしまって孤立しないでほしいなと思うんです。
――小長井さんも孤独を感じることがあったのですか?
わたしはまだ子どもがいないので環境の変化も少なく、それほど深刻ではないのですが、お客様の中には、ご主人やお子さんがいて、お仕事も順調そうで幸せそうに見える方でも、実はちょっと寂しい思いを抱えていたりする方が多いんですよね。
フォロワーの多いインスタグラマーの方にも「ひとりでためこまないで」という投稿が目立ちますし、孤独に感じている方は意外に多いんじゃないかなと。ひとりにならないで。Be-talkに行けば同じ環境の人がこんなにいる。技術者同士も「あ、こんな気持ちなんだ」って安心できる場所にしていきたいです。
――社名にはそんな思いが?
そうなんです。「お話しましょう」という意味。あとは「美徳(ビトク)」という言葉もかけています。
マッチングサービスと同名のエステティックサロンも経営
――同名のエステティックサロンも経営されているとか。
はい。たまたま訪問美容と同じタイミングでオープンしたこともあり同じBe-talkという店名にしました。サロン経営は高校生のときからずっとやりたかったので夢が叶って嬉しいです。自営のメリットは、営業時間・ターゲット層・メニュー・料金すべて自分で決められること。その分、責任もすべて自分にかかってくるので覚悟は必要ですが…。
ひとりサロンなので体調を崩したときのために、美容学校が一緒だった友だちとの協力体制も検討しているところです。いまはとにかくマッチングサービスを広めていきたいので、そちらでの自分の利益は欲張らず、自分の収入は自営サロン頼みなんです。
小長井さんがBe-talkを立ち上げた理由は
小長井さんが女性専用「会員制訪問美容マッチングサービスBe-talk」を立ち上げた理由は以下の3つです。
1.サロンに来られないお客様に施術を提供したい。
2.技術者の都合に合わせて働けるシステムを作りたかった。
3.ライフスタイルが変わっても安定収入を得たい。
後編では、女性専用・会員制のメリット、価格設定、最高水準の報酬についてBe-talkの具体的なサービス内容をお伺いします。
取材・文/永瀬紀子