のんちゃん先生から学ぶ! ネイリスト講師としてのキャリアアップ術

群馬県の高崎市を拠点にして、これまで100人以上のネイリストを育ててきた、のんちゃん先生こと野原美樹さん。日本ネイリスト協会の本部認定講師として、ネイリストとしての基本的な資格だけでなく、講師として認められるための資格取得もサポートしています。

前編では「一般的なネイリストから講師になるためにはどうすればよいのか?」という疑問を、野原さんのネイリストとしての道のりを例に上げつつ解決。「人に教えることで自分の技術も上達する!」など、ネイルサロンにスクールを併設することのメリットについても教えていただきました。

今回お話を伺ったのは…
野原美樹さん(のんちゃん先生)

ネイリスト・ネイリスト協会本部認定講師

群馬県高崎駅から徒歩約6分にある「nail atelier MijU-サロン&スクール」の代表者。ネイリスト歴は20年以上、講師としての経験も10年以上あり。「のんちゃん先生」として多くの地元ネイリストたちから慕われる存在。NPO法人日本ネイリスト協会の本部認定講師だけでなく、プロ御用達のジェルブランド「KOKOIST」のテクニカルアドバイザーとしても洗練された技術を広めている。その他、スペイン発のアクリルブランド「Fantasy Nails」のアクリルナショナルエデュケーター、爪と肌のケアを専門とする「GROWNCARE」のスーパーバイザーとしても活躍中。
Instagram:@
miki_nohara

基礎を学ばず勢いに任せ、結果的には回り道

華やかなフラワーアート。ここまでの技術を習得するには地道な努力が必要となる

――――ネイリストの先生になるのは、どれくらい大変なことなのでしょう?

私の場合は、ずいぶんと回り道をしてしまい……かなり大変でした(笑)。でも失敗した分だけ、伝えられることは多いと思います。そもそも私は25歳まで医療事務をしていたんですよ。行きつけのエステ店で「美容関係のお仕事に憧れてる!」なんて話をしていたら「ネイリストなんて向いてるんじゃない?」とアドバイスをもらって。それで勢いに任せて仕事を辞め、退職金でネイリストのスクールに通うことにしたんです。下調べもせずにスクールを選んだのは、さっそく失敗でした(笑)。

――――つまり、スタートから回り道をすることになったのですか?

そうですね。自宅から一番通いやすかったスクールに決めたのですが、いま思えば自分に適した環境ではありませんでした。しっかりと基礎を学べないまま半年ほどで卒業して。まずは自作のネイルチップを売りつつ、自宅でサロンをはじめたんです。いま思えば、怖いもの知らずですよね(笑)。ほとんど独学で、そのまま5年ほどネイリストを続けて。ある日「ネイルを教えてほしい」とお客さまに言われたときに、自分の技術や知識にまったく自信が持てなかったんです。その方には「間違ったことは教えられないので、ちゃんとした所で勉強してきます。それまで待っていてください」と正直に伝えました。

スクール開設までに立ちふさがった、いくつもの大きな壁!

現在のスクールでのレッスン風景。生徒の疑問をすぐに解決できる環境を整えている

――――5年の実務経験を積んでから、再びスクールに通うことにしたんですね。

はい。今度は下調べをきちんとして、日本ネイリスト協会の認定講師を目指し、そのカリキュラムが組まれている認定校に決めました。場所は都内だったため、私が住んでいた群馬から通うのは大変でしたが、自分にぴったりの講師とも出会えたんです。そこでは挫折ばかりで、本当に打ちのめされましたが(笑)。

――――もっとも大きな壁は何だったのでしょうか?

とくに実技が難しかったです。それまでに積み上げてきた技術は、まったくと言っていいほど通用しませんでした。座学に関しても新しく学ぶことばかり。何度も試験に落ちてしまい、講師としての資格を取得するまで2年以上もかかりました。とはいえ、当時の合格率は20%台「ネイリストの資格のなかでは世界一難しい」と言われていた試験ですから。挫折もありましたが、認定講師になれたことは結果的に大きな自信につながりました。

――――その後で本格的にスクールを立ち上げたのですか?

まだまだ経験不足だと痛感して、2年ほど雇われ店長として働くことにしました。人に教える立場になってからではないと、学べないことが山ほどあります。「どうすれば正しく伝わるのか」などコミュニケーションの部分が大きいですが、教えながら自分の技術を見直すことの大切さも身に沁みてわかりました。誰かを教育することは自分自身の成長にもつながるものです。

講師になったことでサロンにもメリットがいっぱい!

カメリア(椿)風に仕上げた立体的なフラワー。作り方のコツなどはSNSでも発信中

――――ネイルサロンにスクールを併設して良かったことはありますか?

良いことばかりですね。最も大きな部分は安心感だと思います。しっかりとした資格を掲げてスクールを運営していることで、はじめてサロンに訪れる方々からも技術的なご信頼をいただけているようです。例えば、生徒からの口コミでサロンのお客さまが増えたり、その逆にサロンのお客さまの紹介で生徒が増えたり。「スクールの雰囲気を知るために、まずはサロンに来ました」という方もいるなど、良い循環が自然と生まれているんです。ちなみにサロンスタッフもスクールの卒業生ばかり。私の技術をしっかりと伝えているので、安心してお店を任せることができています。

――――基礎が固まっているからこそ、みんなに安心の輪が広がっていくんですね。

はじめてのネイルサロンやスクールに訪れるときは、多くの方が緊張でドキドキするものです。私はできる限り事前に、その不安な気持ちをやわらげることが大切だと思っています。SNSなどでの情報発信も、飾り立てずに素のままを発信することで「私の人となり」が伝えられるように意識しているんですよ。


日本ネイリスト協会の認定講師になって良かった3つのポイント

野原美樹さんがスクール講師になって良かったポイントは、以下の3つでした。

1.基礎を学び直して、自分の技術や知識に自信が持てた

2.講師として教える立場になり、さらに自分自身の成長につながった

3.サロンとスクールの相乗効果で集客面でも良い循環が生まれた

後編では、のんちゃん先生こと野原さんのSNSでの情報発信術について、より詳しいお話をご紹介。「素をさらけ出す」という意外なブランディングをはじめ、「楽しい思いを伝えるための作品写真」や「ネイルセミナーを開催する際のみんな喜ぶ三角関係」などにも迫ります。のんちゃん先生が多くの生徒やお客さまから慕われる理由がどんどん伝わってくる、後編もぜひお読みください!

SALON DATA

nail atelier MijU-サロン&スクール
住所:群馬県高崎市鞘町86番地 タイムズビル2F

 

 

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