メディア事業の導入×脱店舗展開!「移動式メイクアップルームABIE」駒﨑由美子さんの未来を切り拓く3POINT

「株式会社kaplus」は美容室、ヘアメイクスタジオ、フェイシャルサロンを展開している美容のプロフェッショナル集団。前編では、代表取締役・駒﨑由美子さんが強い組織を作り上げた方法について伺いました。完全週休二日制など、スタッフの想いに目を向け事業を展開してきた姿が印象的だった駒﨑さん。

後編では、2021年の11月に誕生した外苑前のヘアスタジオ「Aoyama Hair & Make up Salon CARINO」に迫ります。また、美容業界の課題である「オーバーストア化」を解決する方法についてもフォーカス。さらに「文章術を学ぶことは必ず接客に生きてくる」という気になる言葉も飛び出してきました!

今回お話を伺ったのは…
株式会社kaplus 代表取締役 駒﨑由美子さん

某大手システム会社の派遣社員としてキャリアをスタート。総務や経理などの事務面を担当した後、上司の独立をきっかけに経営に興味を持ち同時期に退社(26歳)。ビジネスパートナーとなり会社の立ち上げを一から経験する。28歳のとき、当時の担当美容師から聞いた「独立したい」という言葉をきっかけに「株式会社kaplus」を設立し、そのスタイリストとともに「abie hair」の1号店を江東区の千石にオープン。現在は「abie hair 西大島店」「abie hair 住吉店」「abie 市川店」「AOYAMA Hair & make up salon CARINO」「moisteane 住吉」の5店舗を展開。また、2019年にはコンテナを改造した移動型美容室、「移動式メイクアップルームABIE」を生み出し、ヘアメイク事業もスタート。
abie 西大島店
abie 住吉店
abie 市川店 
moisteane 住吉サロン 
AOYAMA Hair & Make up salon CARINO 

コンセプトは、美容師×ヘアメイク×発信!

ヘアメイク事業を展開しながらオウンドメディアも運営!

――――2021年11月に誕生した、外苑前の「Aoyama Hair & Make up Salon CARINO」について教えてください。

「Aoyama Hair & Make up Salon CARINO」はヘアメイクの撮影を始め、インフルエンサーとのコラボ、オウンドメディアの企画・運営などを行う発信の拠点です。他にもここでは、企業とのタイアップ企画を展開するために営業活動も行っています。ようするに「美容師×ヘアメイク×発信」をコンセプトに掲げたスタジオですね

――――そもそもなぜ、発信にここまで力を入れているのでしょうか?

大きく2つの理由がありますね。1つ目はヘアメイク事業を強化するためです。現場ヘアメイク業界への参画を決め調査を行ったところ、「この世界はヘアサロン以上に競争が激しい」ということが分かりました。「技術を伸ばすだけでは仕事が取れないだろう」と思い、アイデアを探していたところ、制作会社の方から「エンタメ業界にはPRが必ず必要。ヘアメイクさんがそこまで担当してくれたら助かる」という声を聞きました。そこで、メディア事業の展開を考え始めました。

ストップ「オーバーストア」。業界の将来を見据えた革新的な取り組み

多店舗展開以外の成長を目指し新事業にチャレンジ。

――――なるほど。それでは、もうひとつの理由を教えてください。

業界の課題を解決するためです。美容業界には、「オーバーストア化」という非常に深刻な問題があります。全国的に美容室が増えすぎている状態ですね(25万軒以上)。この環境下では近くのヘアサロンとの競争が自然と起こり、業界の低価格化を誘発しています。「周りよりも安い料金設定にして、値段で勝負をするサロンが現れる」という状態です。

この考え方では、社員に十分な給料を払えるほどに大きな成果を残すことができず、値段を落としているためサービスレベルも下がる。さて、この低価格サロンで働いている若手は、どのようなことを考え始めるでしょうか? おそらく「働いても稼げないのは雇われているからだ。自分も経営者になれば稼げるはずだ」という気持ちが起こるはずです。そして彼らは借金を背負って、ヘアサロンを出店します。この行動が業界のオーバーストア化をさらに加速させる。

つまり経営者を始め、サロンに勤めている美容師や美容学生など、業界に関わるすべての人々が店舗展開以外で収益を上げるビジネスモデルを真剣に考えるべきです。私たちは、美容師&ヘアメイクの技術と知識を活用してメディア業界に参戦し、収益化に挑みます。これは業界の将来を見据えた革新的な取り組みです。

――――聞いているだけでワクワクしてきました! それでは、具体的にどのような取り組みをしているのでしょうか?

2021年の11月頃から「ATELIER CARINO」と「イマドキ女子のHAIR MAKE UP マガジンCARINO」の2つのオウンドメディアを展開しています。扱う内容がそれぞれで異なり、「ATELIER CARINO」は現役もしくはこれから業界を目指す美容師・ヘアメイクアーティストに、業界のリアルな情報を届けるメディアです。

一方「イマドキ女子のHAIR MAKE UP マガジンCARINO」では、ヘアメイク事業部の若手スタッフが中心となり、一般ユーザーに向けてオンタイムなファッショントレンドを発信しています。どちらのメディアも、だいたい5年後に力を発揮し始めることを目指しているので、今はスタートラインから一歩前進したアタリですね。ちなみに私は「文章術を学ぶことは必ず接客に生きてくる」とも考えています。(ATELIER CARINO/ イマドキ女子のHAIR MAKE UP マガジンCARINO

文章スキルを伸ばすことが接客力の向上につながる

「技術×接客」でお客さまの心を明るくするプロフェッショナル集団。

――――「文章術を学ぶことが必ず接客に生きてくる」について、もう少し具体的に教えてください。

私はライティングを通して「美容についての知識」と「伝える力」の2つが身に付くと考えています。日頃の接客では、この2つを組み合わせながら話すことがとても大切です。たとえば、お客さまが「目の下にクマができやすいんです…」と悩んでいたとしましょう。そのときにクマについての知識がなければ「大変ですね~」で会話が終わってしまいますが、勉強をしていれば原因と対策を伝えることができます。

ただし、このときには「伝え方」に気を配ることが必要です。もし、美容師が身に付けた知識を一方的に話し続けてしまったら、途中から聞くことが苦痛になり、お客さまにはストレスしか残りません。そこで、話し始める前に頭のなかで構成を考え、分かりやすい言葉で短く伝えることが重要です。この一連の流れは文章を書く行為ととても似ています。

――――なるほど。確かに似ているかもしれません。

そうなんです。創業以来、私たちはずっと接客スキルの教育で悩んできました。技術面では確実に成長が見受けられても、接客面がなかなか伸びない。実は、お客さまから指名をいただくためには、技術よりも接客能力のほうがずっと大切です。

たとえ技術が発展途上でも、そのスタイリストとの時間が楽しければ、お客さまはよろこんで次の予約を入れてくれます。「技術×接客」を備えた魅力的な美容師になるためには時間がかかると思いますが、20歳前半の若い世代と一緒に試行錯誤を繰り返しながら地道にがんばっていきたいですね。

――――それでは最後に今後の目標を教えてください。

美容師×ヘアメイク、美容師×発信、美容師×教育など、いろいろな分野と掛け合わせながら、もっともっと積極的に店舗の外に出て美容師の価値を上げたいと思っています。美容業界には本当に大きな魅力があり、美容師やヘアメイクはお客さまの心を明るくすることができるかけがえのない存在です。目標を実現できず業界から離脱してしまう若手を減らすためにも、同じ志を持っている方々がいたら、ぜひ活動をともにしましょう!


未来を切り拓くための3ポイント

「株式会社kaplus」が考える、未来を切り拓くためのポイントをまとめると以下の3つでした。

1:美容師&ヘアメイクの技術と知識を活用した、斬新なコンセプトを掲げる

2:店舗展開以外で収益を上げるビジネスモデルを構築する

3:ライティングを通して接客能力を高める

「美容師&ヘアメイクが、生き生きと働いている姿を見ることがとても楽しい!」と語ってくれた駒﨑さん。取材を通して、常にワクワクするビジョンを掲げて動き続けている姿勢が印象的でした。より明るい美容業界の実現を目指している経営者の方、業界に足を踏み入れたばかりの若手の方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。

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Salon Data

住所:東京都港区北青山2丁目12-4 AUSPICE AOYAMA 003
URL:https://www.kaplus.jp/
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