ママアシスタントから30歳でスタイリストへ!周り道も美容師の学びにいかして 美容師・ゆうこさん

ママ美容師向けコミュニティ「MAMABI PARK」の仕掛け人で、2人の子どもを育てるシングルマザーであるゆうこさん。

前編ではなぜ、こんなにたくさんの人に愛されるコミュニティになったのかを伺いました。ご自身もママ美容師として孤独を感じたり、歯がゆい思いをしてきたからこそ、ママ美容師の気持ちがよくわかるゆうこさん。真っすぐで、語り掛けるような熱い発信が多くのママ達の心をつかんでいるようです。また徹底的なママ目線でコミュニティを設計。同じ思いをもつママ同士がつながれるよう悩みを吐き出す場を作ったり、隙間時間に学べるように15分の短い動画を見放題にするなど、ママに寄り添った工夫をしているそうです。

後編では、アシスタント1年目で妊娠し退職したゆうこさんが、30歳でスタイリストデビューするまでの紆余曲折を伺います。働きたい意欲はあってもなかなか就職先が見つからなかったり、やっと見つかったサロンでも東日本大震災の影響で解雇されてしまったり。精神的に落ち込んだことも多かったそうです。しかしどんな場でもスタイリストになったときにプラスとなるよう、学びを止めなかったというゆうこさん。諦めずに進むことができたのは、負けず嫌いの性格だったからだといいます。

今回お話を伺ったのは…

ゆうこさん

2児を育てるシングルマザーで、現役美容師。ママ美容師コミュニティ「MAMABI PARK」仕掛け人。アシスタント1年目で妊娠を機に退職。復帰しようとするも、就職先を探すのに苦労した経験から、ママ美容師向けに発信を始める。複数のママ美容師コミュニティ立ち上げを経て、2021年7月に「MAMABI PARK」をオープン。現在は「世界一ママ美容師を応援してるシンママ」を名乗り、ママ美容師がさらに活躍できるよう尽力している。

ゆうこさんのインスタグラム:@yukomamabi

ママでアシスタント。なかなか就職先が見つからず電話をかけ続けた日々

お子さんが小さかったころは、就職先で苦労したというゆうこさん

――30歳でスタイリストデビューされたとのことですが、それまではどのようにお仕事をされてきたのでしょうか?

アシスタント1年目で、妊娠が発覚して辞めることになりました。そのときは、子どもが歩き始めるようになる1歳過ぎにアシスタントに復帰しよう、くらいの気持ちだったんです。美容師としてはまだこれからというところだったので、そのまま離れる気もまったくなく、まだ若いしなんとかなるだろう、と。ところが子どもが1歳になって就職先を探しても、全然見つけることができなかったんです。小さい子どもがいて、さらにアシスタントとなると、電話をかけた時点で断られることも多くて、本当に苦労しましたね。やっとひろってくれたところは、年齢層高めの街のパーマ屋さんという感じの美容室でした。それでも理解のある職場でしたし、もう一度美容に携われることがうれしいという思いしかなかったです

――就職先に苦労することが多かったんですね。

そうですね。さらに引越しをすることになって、やっと見つけたそのお店をやめることになってしまいました。引越した先でもすごく探して、やっとひとつのサロンを見つけることができたんです。そこのオーナーさんはとてもいい方で、ふたり目の子どものタイミングをすごく悩んでいたときにも相談に乗ってくれて、「家族優先でいいよ」と言ってくれていました。でも妊娠中に東日本大震災が起きて解雇されてしまい、復帰ができなくなってしまったんです。今となれば、オーナーも大変だったということがよくわかるんですけど、当時の私にはそんな余裕もなく。ママでスタイリストを目指すのは無理かもしれないと思って、人生で一番落ち込んだ時期でした

アシスタントでも、別の業種でも、美容師のための学びは見つけられる

紆余曲折がありながらも、その場その場でできることを大切にしてきたというゆうこさん

――そこから、別のサロンを見つけることができたのでしょうか?

ふたり目を出産したあとは美容業界にはこだわらず、子どもがいても働ける別の業種を探すことにしました。それで見つけたのが全国展開しているドーナツチェーン店です。ここではしっかりとした接客マニュアルがあって、それがすごく勉強になりました。正しい接客用語を知ることができて、このあとの美容師人生にもすごく役立ったと思っています。いつか美容師になったときに役立つと思い、ヘアケアマイスターの資格を取得したのもこのころです。その後、元夫が独立してサロンを出すことになったので、アシスタントとして働くようになりました。

――アシスタント時代に、心がけていたことはありますか?

いつも今の自分にしかできないことを考えて、行動するようにしていました。ママでアシスタントである自分だからこそできることはないか、常に探していましたね。たとえばスタイリストの場合は自分のお客さまにしか接することができないのですが、アシスタントの場合はすべてのお客さまに接することができます。来店したお客さまにママさんがいれば、悩みを聞いたり、少しでもリラックスできるように工夫したり。キッズスペースを作ることを提案したりもしました。

小さな店だったので、なかなかスタイリストの枠が空かなかったのですが、30歳のときにひとりのスタイリストがやめることになり、いよいよデビューができることになったんです。すごく周り道をしましたが、苦労をしたからこそ、今ママ美容師によりそった発信をしてみんなとつながることができたので、無駄ではなかったと思っています

 原動力を与えられる喜びが広がっていくように

「MAMABI PARK」で開催された大阪セミナー。ゆうこさんの熱意に力を貸してくれる講師も多いそう

――いろんな困難があっても、美容師になることを諦めなかったのはなぜでしょうか?

私、ものすごく負けず嫌いなんです。美容師1年目のときも、「ぶっちぎりで一番になってやる!」と思っていたくらいだったので。それなのにここからというときに妊娠、退社したので、周りが美容師としてがんばっている姿をみると、ものすごく悔しくて。自分が好きな美容の世界で、私も活躍したい。その思いだけで突き進んできた気がします。

――最後に今後の目標を教えてください。

「MAMABI PARK」は、日々迷いながら進んでいるんですけど、コミュニティに入って喜んでくれる人を増やしていきたい思いがあります。それは単純に会員数を増やしていくというのとはちょっと違って。「MAMABI PARK」が求められている理由は、ママさんたちがつながって、「あの人もあんなにがんばってるんだから私もがんばろう」と、育児と仕事の両立で大変な毎日の原動力になっていることだと思うんです。

そして原動力を与えることができた側というのも、だれかのためになれたことがうれしいはずですし、「自分がここにいていいんだ。」と自信につながると思います。私自身がそうだったので。つまりだれかがだれかの原動力になれることが、喜びとしてどんどん広がっていく、そんなイメージです。

「MAMABI PARK」は私が立ち上げましたが、だれかのためになれることを喜ぶ人たちが、ゆうこさんのためにも何かをしたいと、すごく支えてくれていて。 ここまで会員が増えたのも、そうやって支えてくれている人たちのおかげだと思っています。今やっと土台ができたところなので、いいところは変えずに、ママさんたちが自信をもって、喜びが広がるコミュニティを続けていきたいです。


ママアシスタント生活のなかでゆうこさんが心がけてきたこと

1.与えられた環境のなかで、ベストを尽くす

2.美容とは関係のない仕事でも、美容にいかせることを探す

3.ママである自分にしかできないことを考えて、行動する

お話を聞いていて感じたのは、ゆうこさんの実直さ。ママ美容師の働く環境を少しでもよくしたいと、今はサロンワークを削り、コミュニティの運営に時間を割いているそうです。その熱い気持ちに多くの人が心をつかまれるのだと感じました。今後もゆうこさん、「MAMABI PARK」から目が離せません。

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