福祉ネイリスト「SUNNY NAIL」YUKAさんの笑顔を届ける3つの秘訣
福祉ネイリストとして活躍している「SUNNY NAIL(サニー ネイル)」の石川由佳さん。前編では、現在の活動内容やこれまで経緯などをポジディブに語ってくださいました。満面の笑みで施術した思い出を振り返る姿に、お話を聞いているこちらまでハッピー気分。店名の「Sunny」にも「晴れた、太陽のような、陽気な、明るい」といった意味を込めているほど、福祉ネイルを通じて笑顔を届けることに力を入れています!
今回お話を伺ったのは…
石川由佳さん
2008年、大手ハウスメーカーに入社し、2013年に職場の同僚と結婚。2015年、息子が生まれたことを契機に、自宅でも働ける仕事をしたいと考え、2019年に退職。ネイリストの資格を取得し、自宅を利用した個人サロン「SUNNY NAIL」をオープン。祖母の認知症をきっかけに埼玉県深谷市のネイルスクール「Honey nail bee」で福祉ネイリストの資格を取得。地域イベントなどを通じて多くの方に笑顔と癒やしを届けている。
Instagram(福祉ネイル):@sunny_nail.fukushi
Instagram(ネイルケア):@sunny_nail.care
回想法やユマニチュードを駆使した癒やしのコミュニケーション術
――福祉ネイルで施術をする際に、もっとも大切にしていることは何でしょう?
特にご高齢の方や、認知症の方に施術する場合には、ネイルを綺麗に仕上げるのはもちろんなのですが、会話の内容がとっても大切なんです。できる限り良い感情を残してもらうために「回想法」という認知症のリハビリに用いられる療法を取り入れています。。
重要なのは楽しかった昔の記憶を引き出し、聞いているこちらも一緒になって楽しむ共感力。これは精神の安定につながるだけでなく、認知症の症状緩和や重度化の軽減も期待できると言われています。一般社団法人日本保健福祉ネイリスト協会が科学的に研究している分野で、福祉ネイリストの資格を取得する際にレクチャーしてもらいました。
――ネイルの施術だけでなくコミュニケーションも福祉に特化しているんですね
そうですね。「ユマニチュード」というフランス発祥の認知症ケア技法も資格取得の際に学びました。「見る」「話す」「触れる」「立つ」という4つのアクションを通じて、ケアをする側とされる側が相互に寄り添い合えるような関係を築くことができる技術です。福祉ネイルを通じた触れ合い方、目線を合わせる角度、会話のスピードなど、あらゆる感覚を駆使してコミュニケーションを取っています。
――福祉ネイル以外にも活用できそうな技法ばかりですね。お客さまの評判はいかがでしょうか?
たくさんのお客さまにお喜びいただけています。イベントの福祉ネイル体験は予約で埋まってしまうこともありますが、次のイベントにも参加してくださるお客さまもいて「やっとネイルしてもらえる、嬉しい!」と、こちらまで嬉しくなるお言葉をいただけました。古河市内にある認知症カフェ「オレンジカフェ遊楽庵」での施術も思い出深いです。ネイルやハンドマッサージをしただけでなく、私達がお客さんとして音楽の発表会をしてくださり、ギターやオカリナのステキな演奏に癒されました!
自宅サロンで行なっているのはネイルケアのコース。健康な爪で笑顔をつくる!
――エピソードを伺うほどに福祉ネイリストの素晴らしさが伝わってきます。ちなみに……お仕事としては成り立つものなのでしょうか?
現在、新型コロナウイルスの影響で訪問先が大きく制限されているため、福祉ネイルだけで生計を立てるとなると難しい部分はあると思います。まだまだ老人ホームや障がい者施設にも福祉ネイルの魅力が伝わっていないため、まずはできるだけ多くの方に効果を体験していただけたら嬉しいです。とはいえ、イベントではきちんと売上が出ていますし、福祉ネイル体験がきっかけで自宅のサロン「SUNNY NAIL」のお客さまになる方もいらっしゃいます。
――ご自宅のサロンでは「最強のネイルケア」を行なっているそうですね。こちらはどういった施術内容なのでしょう?
ジェルネイルを使用せずに約3ヶ月間で縦爪を目指すネイルケアコースです。サロンケアとホームケアの両面で美しくて健康的な縦長の爪を目指します。爪にコンプレックスを抱えている方をはじめ、お仕事柄ネイルができない方、爪周りの乾燥といったトラブルにお悩みの方などに向けた、ケア特化型サロンなんです。こうしたサービスは、自由が丘にあるネイルサロン「ROSE ROSE」の寺木先生が創案されたネイル技術を取り入れています。都内に行かずとも、地元の古河市で「最強のネイルケア」を体験出来ますので、お爪のお悩みがある方は、ぜひ「SUNNY NAIL」に来ていただきたいです。
大好きな街に福祉ネイルを根付かせるために。笑顔の輪が広がっています!
――Instagramでは福祉ネイリストとしての石川さんの活躍が注目を集めていますよね。集客効果はいかがでしょうか?
投稿を見た地元の介護施設の方から「コロナが落ち着いたら依頼したい」というご連絡もあって、想像以上の大きな反響に驚いています。そのほかInstagramを通じてサロンにご来店されるお客さまも多いですが、投稿自体は集客よりも情報発信が目的です。皆さまの大切なご家族に施術するにあたり、私が何を行っているか、どういう人間なのか、ご安心いただけるような投稿やストーリーの投稿を心がけています。日常で感じた何気ないことや、地元の美味しいご飯屋さんをシェアすることも多いです。また、情報発信するだけでなく、古河市のボランティア活動を探す際にもInstagramが役立っています。地域の方々とつながるための大切なツールです!
――地域との絆を大切にしながら、多くの方に笑顔と癒やしを届ける、素晴らしい考え方ですね。では、最後に今後の夢についても教えてください!
私は生まれも育ちも古河市だからこそ、大好きなこの街に福祉ネイルを広めたいです。福祉の分野にも美容が当たり前の世界になるよう、今の自分にできることを引き続きコツコツ頑張っていきたいと思います。介護予防や認知症予防を通じて、できるだけ多くの方が人生を楽しみ、自分らしく明るく前向きに生き続けて欲しいと願っています。その手助けとして、福祉ネイルをたくさんの方々に楽しんでもらえるように広めていきたいです。そして笑顔、癒し、元気をできるだけ多くの方にお届けしたいと思っています!
福祉ネイリストとして笑顔を届けるための3つの秘訣
石川由佳さんが笑顔を届けるために心がけているのは、以下の3つのようでした。
1.スクールで学んだ根拠のある技術を生かしてコミュニケーション!
2.ネイルケアで指先から元気に。美しくて健康的な縦長の爪をサポート!
3.大好きな街との絆を深めつつ、福祉ネイルの魅力をみんなに発信!
福祉ネイルに興味をお持ちの方についても「たくさんの方々に楽しんでもらえるように、ぜひ一緒に楽しく活動していきましょう」と話していた石川さん。ネイルがもたらす笑顔の輪はどんどん広がり、福祉の業界にも大きく貢献してきそうですね。石川さんの活躍も楽しみにしています!