サロン運営のフロント活動として、女性起業家のためのトータルスタイリングレッスンを実施 Umineko美容室オーナー古瀬ハナさん♯2

1日3~4名の接客に、土日も休めて、SNS集客なし。そんな好待遇のUmineko美容室を経営する古瀬ハナさん。前編では、プレイングオーナーから経営を学び、その好待遇サロンを実現するための仕組をどうやって作ったのかを伺いました。

この後編では、6店舗の多店舗経営をするメリットと、女性起業家のためのトータルスタイリングレッスンについて教えていただきました。このコンテンツには、自分と同じ立場にある女性起業家に貢献する、店舗を持たないビジネスを知る、サロン運営のフロントとしての活動をするという目的があるそうです。

お話を伺ったのは
Umineko美容室
オーナー古瀬ハナさん

はじめて就職した美容室が入社半年後に店舗閉鎖。その後、大型サロンをいくつか経験するが、ハードワークに体がついていけず、一旦美容師をあきらめて沖縄へ。縁あった長野で美容師を再開すると、指名と売上がグループNo.1に。突出した成績だったため独立をすすめられてUmineko美容室をオープン。現在5店舗とFC1店舗を経営。「女性起業家のためのトータルスタイリングレッスン」など新しい試みにも果敢にチャレンジ。

ドミナント出店だから他店舗でのフォローアップが可能

Umineko美容室は現在、表参道店、横浜に4店舗、FC1店舗の計6店舗の展開。

――独立後10年間で6店舗まで拡大されていますが、多店舗経営のメリットはどんなところにありますか?

独立して2年目にひとりサロンのアトリエを持ちましたが、3年間はそことセンター北店のみを経営していました。1店舗目をオープンして半年後には売上も伸び、雑誌に掲載してもらったり、リモートで仕事ができるようになったりと、それなりに満足していたんですね。人が増えると問題も増えるというトラウマもあったので、このままでいいかなと思っていました。

でも、1店舗だとやっぱり会社としての体力が弱いんです。例えば、震災でお店が使えなくなったらそこで撤退ですよね。でも他にお店があれば、異動ができたり、違う仕事を作れる可能性も広がります

Umineko美容室は、歩いて15分で行けるエリアにドミナント(特定の地域に出店すること)で出店しているので、お子さんの体調不良などスタッフが急に休まなくてはいけないときに他の店舗でフォローアップすることができます

――ワーキングママ・パパは助かりますね。

そうですね。それから、お客様がスタイリストと合わないといった場合、お店のスタイルを気に入っていただいている方には、隣の駅にあるお店をご提案することができます。接客マニュアルを作りこんでいても、ちょっとしたニュアンスの違いでお客様とスタッフが合わないということはどうしても出てくるんですね。そういうときに、スタッフにはわたしからの指示で担当替えをするからと伝え、お客様には隣駅の店舗をご案内します。双方が嫌な思いをせずに、循環させていくことができるんです。

――多店舗展開だからこそできることですね。

ドミナントだと、スタッフの異動の際の負担も少なくてすみます。あとは単純にスタッフの安心材料にもなると思います。わたし自身も雇用されるなら、多店舗あるサロンのほうが安心だし、ここで働いていると言いやすい。長く働きたいと思ってもらえる要素のひとつになるのではないかなと考えています。

――確かにそうですね。でも、人が増えると問題が増えるということは払拭されたのですか?

以前は、スタッフが大切すぎるあまり、お母さんみたいに接してしまっていて…。でも、たくさんスタッフがいると適度な距離感ができて、そのほうが良いオーナーでいられることに気づいたんです。初対面のときって、よっぽどじゃない限り嫌だなという感情はわかないですよね。人がたくさんいると、ずっと面接の距離感で接していくことができます。わたしにはそのほうが向いているのかもしれません。

こんなふうに見せたらビジネスの信頼性が増すのに!

女性起業家のためのトータルスタイリングレッスンでは、ヘア・メイク・ファッション・立ち居振舞までトータルで提案。

――女性起業家のためのトータルスタイリングレッスンを始めたそうですが、なぜ女性起業家をターゲットにしたのですか? 

起業セミナーの手伝いなどを通して、女性起業家の方と関わることが増えたのですが、女性起業家の方たちは、美容室に行くというルーティンは大事にされているけれど、髪が傷んで色が抜けてしまっていたり、洋服が地味だったりする方が多くてちょっと残念だなという印象を持っていたんです。女性起業家の方は、ビジネスに時間をとられて、美容やファッションは二の次になってしまう方が多いんですよね。

でも、それではもったいない。わたしは基本的に美容師で、人をきれいにしたいので、その方のビジネススタイルだったらこんな髪形にして、こんな色を着て、こんなふうに見せたら信頼性が増すのにと、勝手に出会いの場で思いを巡らせてしまうことが多かったんです。間口は狭いかもしれませんが、女性起業家で且つ美容師でもあるわたしなら、客観的にアドバイスさせていただけるのではないかと思ったのがきっかけです。

――ファッションも含めてのトータルスタイリングということですね。インスタではファッションの投稿も多めですよね。

服が大好きなんです。髪だけでももちろんレベルアップできますが、メイクもしたほうがよりきれいだし、それに合うファッションに変えたほうが、その人の内側の魅力が伝わると思うんです。経営者の方は、ベージュや茶色、紺の服を選ぶ方が多いですが、無難でなじみやすい分、印象が薄くなってしまうんですよね。自分らしいファッションでオシャレに見せる方法を知っていたほうが絶対に得だと思います。

――スタイリング後の撮影まで古瀬さんが担当されているのですか?

正式なプロフィール写真を希望されている場合はカメラマンを用意しますが、SNS用ならヘアメイクとスタイリングの後に、わたしがパパっと撮影させていただいています。

「きれいになって凹む女性はいませんよね。だから、自分らしくオシャレに見せるコツを知っていたほうが絶対楽しい」

――無料でレッスンをされていましたよね。

どういうニーズがあるのか、どうやったら喜んでいただけるコンテンツになるのか、それからレッスンの雰囲気を体験していただきたくて、無料で3回やらせていただきました。3回実施する中で、トータルスタイリングレッスン=ヘアメイクという印象がつきやすいのかなという危惧があったんですね。でもヘアメイクをやりたいわけではなくて、それよりもっと全体像をディレクションしたいという思いがあるので、少し軌道修正しようと思っているところです

――一旦整理して、今後メニュー化されるご予定ですか?

そうですね。まだ口コミで動いている段階ですが、今後はメニュー化してホームページにも掲載し、マネタイズできるようにしたいと思っています。

現在、個別レッスンさせていただいている案件もあって、そちらはへアメイクとファッションの画像をオンラインで送ってもらい、眉はもう少しこうしたほうがいい、パンツをサイズダウンしてストレートにするといいですよといった感じでフィードバックさせていただいています。

――オンラインなんですね。

はい。女性起業家の方にはオンラインビジネスをされている方が多く、わたしたちのような店舗事業とは話の内容が少し違ったりするので、店舗を持たないビジネスはどういうものなのか、興味があったこともトータルスタイリングレッスンを始めた理由のひとつなんです

――最後に今後の展開を教えてください。

現在、5店舗ある実店舗をあと10店舗くらいまで増やしたいです。それと並行して、いま1店舗あるFCをさらに広げていきたいですね。そのために、女性起業家のためのトータルスタイリングレッスンを自分のプロダクトとして確立できるように動いていきます。そこをフロントの活動として、Umineko美容室とFCに興味を持っていただける方がもっと増えるといいなと思っています

女性起業家のためのトータルスタイリングレッスンで叶えたいことは

古瀬さんが、女性起業家のためのトータルスタイリングレッスンで叶えたいことは以下の3つです。

1.多忙な女性起業家に貢献する

2.店舗を持たないビジネスを知る

3.Umineko美容室のフロントとしての活動にする

「無理なく働く、ウミネコ美容室」という求人広告を目にしたことのある方も多いのではないでしょうか。新人時代のハードワークとプレイングオーナー時代の苦難をバネに、一から経営を学び、Umineko美容室を構築されたオーナーの古瀬さん。古瀬さんは、「スタッフの居場所と幸せがある美容室経営のためには、売上がちゃんと上がるビジネスの仕組を作ることが重要」と言います。Umineko美容室のふんわり優しいムードは、古瀬さんが何よりもスタッフのことを考えて作った仕組の上に存在しているものでした。

取材・文/永瀬紀子

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