コンプレックスを自信に変える技術と、誠実な人柄で「選ばれるネイリスト」に 「Nail room Regalo」KIYOさん
現在、福岡県でプライベートネイルサロン&スクール「Nail room Regalo(レガロ)」を運営するKIYOさん。ネイリストとして働き始めたばかりの頃、仕上がりが持続しないことで悩んでいた時に「美爪クリエイター」に転向し、大きく人生が変わったといいます。
「自分の爪に自信が持てるようになってほしい」と丁寧に施術するKIYOさんのファンは多く、リピート率は90%以上。前編ではそんなKIYOさんに「選ばれるネイリスト」になるための秘訣を伺います。
今回お話を伺ったのは…
Nail room Regalo代表KIYOさん
体育教師やスポーツインストラクター、医療事務、エステティシャンなどの職種を経てネイリストへ。独立後2年目で「美爪クリエイター」へ転向したことでネイリストとしての自信をつけ、講師資格である「マスター美爪クリエイター」を取得。自宅サロン「Nail room Regalo」では自爪育成の施術に加えて、「美爪クリエイター育成コース」と、時短で美しい仕上がりを叶える「クイックリーネイル(R)スクール」の2種のネイリスト育成クラスも実施している。
KIYOさんのInstagram:@regalo.nail
ブログ:Nail room Regalo
常に自分の心に正直に。異業種から飛び込んだネイリストの道
――KIYOさんは、体育教師や医療事務など、ネイリストになるまでの道のりがユニークですが、これまでの経歴について教えてください。もともと美容やネイルには興味があったのでしょうか?
おしゃれには興味はありましたが、そのときに「やりたい」と思ったことに挑戦し続けた結果、たどり着いたのがネイリストだったという感覚です。美容業界に足を踏み入れたのは、産休・育休中に時間ができて、外に出たい!という気持ちからエステスクールに通い始めたのがきっかけなんです(笑)。
その後、自宅でエステサロンをはじめてから、お客さまに「ネイルはやらないんですか?」と聞かれたことから、初めてネイリストという仕事を意識するようになりました。通っていたエステスクールにネイル部門が併設されていたので、学びやすい環境でもありましたね。
――なるほど。ネイルを勉強されているうちに、エステではなくネイリストになりたいと思われたんでしょうか。
そうですね。趣味で自分の足や義理の姉の足にネイルカラーを塗って楽しんだりはしていたので、興味はあったんだと思います。
ただ、順調な道のりではなくて、独立して初めの2年は悩んでばかりいました。スクールでは検定に合格するための技術は教わりますが、必ずしもサロンワークで役に立つ技術ばかりではありません。そもそもネイリストとしての接客について何もわからず、ひとりで試行錯誤していました。
ネイリストとして価値を高め、よりお客さまに喜んでいただくために、美爪クリエイターへ
――いわゆる普通のネイリストから、「美爪クリエイター」に転向されたきっかけは、なんだったのでしょうか。
ネイリストがよくぶつかる「すぐに浮いてしまう」「もちが悪い」といった壁に突き当たって…でも、相談できる相手もいなくて。どうすれば解消できるだろう?とネイル関連のInstagramを見ていたときに美爪クリエイターの創設者であるジョリさんのアカウントを見つけたんです。
独自の美爪メソッドやネイリストとしての在り方、「7週間もつネイル」という言葉など、とにかくインパクトが強くて。ジョリさんのInstagramやブログを読んでいるうちに、自分もやってみたいと思うようになり、まだ1歳になっていなかった末っ子を含む3人の子どもを預け、滋賀県で4日間のカリキュラムを受講しました。
――転向されてから、何か変化はありましたか?
なんといっても、お客さまの満足度です。深爪や爪の形など、お客さまが抱えているコンプレックスを解消するお手伝いができるようになりました。施術後、お客さまの表情が明るくなったり、新しいことに挑戦しようとされる方が増えたりもして、美爪クリエイターに転向してよかった!と思います。
収入面での変化も大きいですね。それまでは他店と差別化を出すために、1回の施術につき3000~4000円と破格でやっていたところ、美爪クリエイターに転向してからは、価格を2~2.5倍に上げることができました。
低価格で施術をしていれば確かにたくさんのお客さまは来てくださいますが、そのぶん数をこなさなければ儲けは出ないし、仕入れの経費もどんどん増え…と悪循環に陥ります。何のために仕事をしているかわからなくなってしまい、家族に八つ当たりをしてしまったこともあります。
価格を上げた結果、離れてしまったお客さまもいらっしゃり、落ち込んだ時期もありましたが、半分以上のお客さまがいまも継続して来てくださっています。もちろん、新規のお客さまも増え、キャンセル待ちになることも。収入が増えてお客さまの笑顔に囲まれ、充実感が増えたことで、夫婦関係が良くなったのも大きな変化でした。
――収入が安定した上にご家族との関係も良くなって、良いことづくめですね。でも、価格を2倍に上げるのは、ちょっと勇気が要りそうです。
そうですね。ただ、たとえばコンプレックスを解消するために整形手術を受けようと思ったら、価格だけでは選ばないと思うんです。あまりに安すぎてもちょっと不安になってしまうし、信頼できる人にお任せしたいですよね。私は自分に「信頼できるネイルのプロ」という価値をつけるために、あえて価格を上げました。
常にお客さまに寄り添いながら、ベストな方法で美爪に導く!
――確かにそうですね。まさに「選ばれるネイリスト」になるための価格設定だったのですね。ネイリストとして心がけてきたことはありますか?
お客さまとの信頼関係です。とにかく私はうわべだけの関係がいやで…。お客さまがあまり合わない色を選ばれた場合は、理由を説明した上できちんと「似合わない」とお伝えして、よりお肌に合う色を一緒にお選びしています。
それから、「ストーンが1つ取れてしまった」「浮いてきてしまった」など、施術後に気になることがあっても「これくらい我慢するか」と思ってしまうお客さまは多いと思うんですが、私は些細に思えることでもなんでも言ってくださいね、とお伝えしています。
たったストーン1個でも、あるとないとでは気分的にも全然違いますし、ネイルを付け替えるまでは気持ちよく過ごしていただきたいので、細かいことでも伝えてくれる、風通しのいい関係づくりを心がけています。また、「すぐに浮いてしまう」という方に対しては、なぜそうなってしまうのか、お客さまの生活パターンなども伺いながら一緒に原因を見つけて、改善策を考えていきます。
――とても誠実に対応されているんですね。お客さまのリピート率はどれくらいでしょうか?
90%以上の方がリピーターのお客さまです。ネイリストの仕事を始めてから8年間、ずっと通い続けてくださっている方もいらっしゃいます。日々、お客さまに支えられています。
――9割以上はすごいですね! ほかにも、信頼関係を築くために意識されていることはありますか?
まずは、自分から心を開くこと。そして、ネイルのプロとしてお客さまの疑問やお悩みに対して納得できる答えを用意しておくことです。お子さんやご家族の爪のお悩みを相談されることも多いですね。あるお客さまには「KIYOさんのネイルの金額には(高いけれど)相談料も含まれているから」と言われたこともあります(笑)。
ただ、爪に関するトラブルは多岐に渡るため、どうしても原因がわからないこともあります。そんなときは無理に施術すると悪化させてしまうこともあるので、施術せずに皮膚科の受診をおすすめしています。選ばれるネイリストになるためには、お金をいただくことに対して罪悪感を持たないことと同時に、儲け主義にならないことも大切ですね。
KIYOさんが「選ばれるネイリスト」になるために実践した3つのポイント
KIYOさんが選ばれるネイリストになるために実践したポイントは以下の3つでした
1.ネイリストとしての技術向上を目指し、一般的なネイリストから美爪クリエイターに転向
2.ネイリストとして仕事を続けるため、他にはマネできない技術と施術に見合う価格を設定した
3.一人ひとりのお客さまと誠実に向き合うことで、金額以上の価値を感じてもらう
これまで経験したことがない分野でも、これだ!という直感を信じて前に進み続けてきたKIYOさん。「失敗するかどうかなんてやってみなければわからないし、失敗ととらえるか、経験と捉えるかで大きく違います」というまっすぐで、裏表のない人柄が多くのリピーターを惹きつけている理由だと感じました。後編では、美爪クリエイターとクイックリーネイル(R)、2つのスクール講師としての活動について深掘りします。後編もお楽しみに!