人生を謳歌するために、自身の体と“共存”する暮らしを提案しています 私の履歴書 【サロンオーナー/ヨガインストラクター兼整体師 小林直人さん】#2

京王線・東急世田谷線の下高井戸駅から徒歩約1分という好立地にある、隠れ家的サロン「りらく洞ゆうな」。こちらで整体とヨガのレッスンを行う小林直人さんは、エステティシャンである妻のゆかりさんと協働でサロンを営み、男女問わず幅広い年齢の人々の心と体を癒やしています。

前編では、若い頃の紆余曲折の末に「気功整体」と出会い脱サラ、心機一転して専門学校へ入学し、自分の道を極めるべく邁進する姿をお伝えしました。後編では、自らの店を持ってからのキャリアや家庭との両立、新たな思想や療法との出会いを経て確立されていく仕事観や人生観について伺います。

自分にとっての「より良い人生」とは、一体何でしょうか?

自らの店を持ち、本格的に独立の道へ

2001年からご自身のお店を開業されたという。立ち退きがあり、現在の場所に移転されたのは2008年のこと

――東京療術学院を卒業後は、どのようなキャリアを歩まれたのでしょうか?

自分の店を持つべく、独立に向けて開業の準備をしました。そもそも会社を退職した時点で、何でもいいので自分の事業を持ち、それで食べていきたいと思っていたんです。

今の施術とはまた異なり、開業当時は気功整体や太極拳について学ぶ教室から始めました。その後、世間的に注目度が高まっていったヨガを取り入れていった感じですね。卒業してからも接骨院や整形外科では働き続けていたので、自分の店は営業後の時間や勤務先の休みの日を活用して開いていました。

――ご自身の店とお勤めを両立されていたのですね。

そうですね。勤め先でもまだまだ勉強させていただきたかったので。

しかし、給与制度は安定しているからこそそれに甘んじてしまうと考え、ある時思い切って退職し、自分の店一本でやっていくことを決めました。接骨院は2カ所で計5年間、整形外科には気づけば16年間もお世話になっていました。

未来に目を向けた美容・健康法であるアーユルヴェーダ療法に共感

冷え性に花粉症、アトピーに喘息など、幼少期には体が弱かったそう。そんな小林さんが「今が一番健康です!」と笑顔で話す、その秘訣を垣間見た

――現在の小林さんのサロンではヨガのほか、インドの伝承医学であるアーユルヴェーダ療法による整体やヘッドスパなども提供されていますね。こちらは、どのような経緯で取り入れることとなったのでしょうか?

僕は幼少期に体が病弱だったことから、自分の健康面を改善したいと常々思っていました。そんな背景から健康オタクになり、自分でもいろいろと調べるようになったんです。アーユルヴェーダ療法を見つけたのは、そんな時ですね。

マクロビオティックなど他の健康法も勉強して試しましたが、決まりごとが多すぎて逆にストレスを感じてしまうなど、個人的には今ひとつ良いと思えなくて。一方でアーユルヴェーダはスパイスなどをふんだんに使った、食べること自体が薬になるような薬膳的な食の提案が多く、実践するうちに自身の体調も良くなっていきました。

そこで、本腰を入れて勉強や修行を重ね、施術メニューにも取り入れていくことにしました。ヨガの時もそうでしたが、やはり自分自身で試して良いと思えるものを、お客様にも提供したいですから。

――アーユルヴェーダ療法の美容整体とは、どのようなものですか? 一般的な整体との違いも交えて教えてください。

アーユルヴェーダは、体の中から美しくなることを目的とする療法です。一般的な整体は体の不調に対して一時的な軽減や改善を目指す対処療法がメインとなりますが、こちらは日頃の生活習慣まで含めて考え、血や胃腸など内側から綺麗にすることで、体の不調を引き起こす根本的な原因から少なくしていくことを目指しています

僕が行うアーユルヴェーダ療法の美容整体では、キュアリング(加熱処理)されたセサミオイルやオーガニックのココナッツオイルを使っています。これらのオイルに含まれる美容や健康に効く成分を経皮吸収させながら、マッサージ効果と合わせて血の巡りを良くすることで体内の浄化を促す施術です。

現在だけでなく未来を見越した美容整体なので、一般的な整体で提供される対処療法を求める方には通常の整体をご提案しています。

右手前の器にあるオーガニックのココナッツオイルは首から上の顔部分に、左奥にあるセサミオイルは体に使用

――ヨガインストラクター兼美容整体師として施術する上で、小林さんが心がけていることはありますか?

いくら体に良いからといっても、それを押しつけてしまわないように心がけています

その人それぞれの健康に関する理解や考え方がありますから、まずはそれを否定しないこと。その上で、「こういう見方もあります」「こんな知識を持っていてもいいのでは?」といったような、提案をベースにしたお声がけをしていますね。

また、アーユルヴェーダもヨガも、僕が提供する施術は“浄化”が目的です。体の内側から整っていくのを実感していただけるよう、お客様一人ひとりと丁寧に向き合うことも常に意識しています。

自分の体と上手に“共存”することが、より良い人生につながると信じて

料理が好きで、自宅でも炊事を担当している。「人は食べたもので体ができているので、食事にはこだわっています」(小林さん)

――家庭と仕事の両立について教えてください

東京療術学院で知り合ったエステティシャンの妻と協働でお店を運営していますが、家庭のことについては積極的に協力しています。炊事を中心に、家事は主に僕の担当なんです。妻の方がお店にいる時間が長いため、このような形になりました。栄養管理も自分でできるので、日々の体調管理にも気を配りやすいです。

――今後の展望があれば、教えてください。

「病院や薬に頼るのは、できることなら最終手段にする」と考えられる人を、少しでも増やしたいですね。

僕は、その人がその人らしくい続けられる生き方を理想としています。そしてそのために必要なのは、自身の体や環境と“共存”することだと考えています。

健康と不健康の境界線とは何でしょう。病気になったら不健康なのか。体の不具合や障害があったら不健康なのでしょうか。

少なくとも僕は、そうは思いません。健康についての完璧な定義はなく、加齢と共に表れる病や不具合を完治させることは困難です。うちのヨガ教室に通われている方で、ガンを患っていらっしゃる高齢者さんがいます。その方に「健康になろう」というのは、違う気がしませんか? その方は、自分がその後の人生をより良く生きるためにヨガ教室に通われているんです。

病や不具合に囚われすぎずに、上手に付き合っていくという選択肢があってもいい。その人がより良く生きて死ぬために、「その人自身がどう思うか」を特に大切にしています

――美容・健康業界を目指す方に、ぜひアドバイスを!

先ほども言いましたが、美容や健康にはゴールがありません。だからこそ、結果にこだわるより、「その人自身がどう思うか、どう感じるか」ということを大切にしてほしいと思います。

しかし明確なゴールがないからこそ、それぞれのお客様が目指すところを見極める必要があります。そのためには、自分が結果に囚われすぎて視野狭窄になってはいけません。結果に対する自分の視野を広げる感覚を養うことに努めてみてください。

――小林さんにとって、「働く」とは?

「妻や子どもたちと一緒に、楽しく生きるための糧」です。

生きていて幸せな瞬間ってどんな時だろう? と考えた時に、妻や子どもたち、家族と一緒にいる時間だという答えに行きつきました。

少しでも長い時間を、家族と一緒に過ごしたい。僕にとって仕事とは、そのための糧なんです。

まずは自分自身が、少しでもより良い人生を生きるために、ね。

小林直人さんの成功の秘訣

1. 自分自身と根気よく向き合い続けたこと

2. 何歳からでも新しいことに挑戦する前向きさ

3. 新しいものを自身の審美眼で吟味した上で、柔軟に取り入れる姿勢

撮影/内田 龍
取材・文/勝島春奈

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Salon Data

りらく洞ゆうな/ヨーガ教室&整体
住所:東京都世田谷区松原3-42-1 クラウンズコート3F
TEL:090-6520-8894

 

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