愛されるスタッフ&サロンにする「middle daikanyama」代表・丸岡奈央さんの人材育成術

東京・代官山の美容室「middle daikanyama」の代表を務める丸岡さん。毎月300人以上ものお客さまを担当する大人気の美容師です。前編では、スタッフの成長を促すコミュニケーション術について伺いました。スタッフから話し掛けやすい雰囲気を心掛け、仕事の中で気になることはすぐに伝えるようにしているそうです。各スタッフの性格や得意分野に合った売上アップの方法を考えたり、SNSでは得意な分野を個人の裁量に任せているとのこと。

後編では、愛されるスタッフとサロンにするための丸岡さんの人材育成術についてお伺いしていきます。見えてきたのはスタッフのキャリアアップはたくさんのお客さまに支持されることで育まれるという信念や、「middle(真ん中)」という店名に込めた、心や気持ちの真ん中に戻ってほしいという思い。またさまざまな年代のお客さまに長く愛されるために、確かな技術力・接客力・人間力を育てることを心がけてきたという丸岡さん。将来的には、店舗を任せられるようなスタッフを育て上げることが目標だそうです。

今回お話を聞いたのは…

丸岡奈央さん

美容室「middle daikanyama」代表。ショートカットやボブなど、女性らしく上品なヘアスタイルを得意とし、現在はキャリア12年目にして、毎月300人以上のお客さまを担当する美容師。「SHE daikanyama」(2021年に「juuri」に店名変更)で店長を務めた後、姉妹店「middle daikanyama」の立ち上げに関わり、代表に就任。カジュアルながら洗練された肩上レングスのヘアカットはインスタグラムなどでも話題を呼んでいる。

Instagram:@naomaruoka.middle

スタッフのキャリアアップに大事なのは、お客さまに支持されて売上に繋げること

ナチュラルな店内の内装になじむ、やわらかな雰囲気の丸岡さん

――スタッフの方がキャリアアップするために大事なことはなんだと思いますか?

美容師としてのキャリアアップは、まずはたくさんのお客さまに支持されることだと思います。それにより、自然と物事や人に対しての考え方に変化が出てくると思うので人間力もついてきます。もらえる報酬も上がりますし、技術力もアップします。

また各スタッフの売上を上げる環境を整えるために、各スタッフの性格や得意分野に合った売上アップ方法をそれぞれ細かく考え、少しずつ成果に結びつけるようにしています。例えばカラーが得意だと思ったスタッフには、自分のお客さまのカットは私が行い、カラーを任せるなどですね。

――具体的にはどのように売上アップ方法を考えているのでしょうか。

まずはスタッフとの信頼関係を構築すること。スタッフを巻き込み、二人三脚で成果を出すことです。具体的には、ショートスタイルが好きなスタッフには「私もショートが好きなので、お互いに上がっていけるように協力してSNSにショートスタイルをアップしよう」と働きかけたり。小さなことでも、一緒になって結果に結びつけることができれば、信頼関係が構築されます。その行動が最大のコミュニケーションに繋がり、深めることができるのではと考えており、努力しているところです。

店名にはお客さまにもスタッフにも心や気持ちの「middle(真ん中)」に戻ってほしいという願いを込めて

「middle daikanyama」という店名は、立ち上げの際に丸岡さん自身が考案されたそう

――姉妹店を立ち上げる際や、現在も心掛けていることはありますか。

出店の際、代表を任せられた時に、自分自身が心掛けたいことを店名に込めました。「middle」には心や気持ちの「真ん中」という意味があります

お客さまには大変な世の中が続くなかで、髪を切ってリラックスしてもらい、なんとなく自分の真ん中に戻るような、安定した気持ちに戻ってほしいと願いを込め、またスタッフに対しては、情報の多い社会のなかで気持ちがあちこちと行ってしまいがちですが、自分らしく今の真ん中(自分が今やるべきこと)に集中して、強くあってほしい。何があってもぶれない気持ちを持ってほしいという願いを込めました。そちらは現在も常に心掛けています。

――丸岡さん自身が気持ちを「真ん中」に戻す方法はありますか?

リラックス方法はいくつかあるんですが、元々若い時から、美容師として頑張りたいという気持ちを強く持っていたというのが今でも続いています。そこはブレずにあったので、しんどい時とか苦しいことがあってもがんばることができました。以前の店舗ではオーナーが話を聞いてくれたり、支えてくれたのというのも大きかったです。

幅広い年代のお客さまに応え続けられるよう、確かな技術力・接客力・人間力を育てる

代官山駅からほど近く、周辺には緑も多く落ちついた住宅街に店を構える

――「SHE daikanyama」から数えると代官山を拠点として20年目になると思いますが、長く続くお店、愛されるお店にする秘訣はありますか。

情報が溢れる時代の中でも、確実に求め続けられる技術力がまず第一です。一時的に売上を上げることや、ご新規のお客さまを入客することは、SNSの発達により簡単にはなりましたが、お客さまに長く通い続けていただくのは簡単なことではありません

私たちのサロンには30代から60代の大人女性のお客さまが多くいらっしゃいます。たくさんの社会経験を積まれてきた年代のお客さまが多いぶん、そのようなお客さまに応え続けるには、確かな技術力、接客力、人間力が必要です。それはシンプルに毎日のサロンワークで身に付ける。そしてそれを若いスタッフに繋いでいく。

時代が多種多様となっても、人生において大切なものは変わらないと思い、人から愛されるお店、愛されるスタッフとなれるように、日々努力しています。

――今後の目標を教えてください。

自分だけではなく、各スタッフの結果を出すことを一番の目標とし、若い世代に引き継いでいくことです。また、私自身がこのお店をオーナーに任せてもらえたように、店舗を任せられるようなスタッフを育て上げることが、私の最大の目標ですね


月間300人を担当する美容師・丸岡奈央さんの愛されるスタッフ&サロンにする人材育成術

月間300人を担当する美容師・丸岡奈央さんの愛されるスタッフ&サロンにする人材育成術を伺うと、以下の3つでした。

1.お客さまに支持されることで売上に繋げ、二人三脚でスタッフのキャリアアップを図っていた

2.お客さまにもスタッフにも心や気持ちの「middle(真ん中)」に戻ってほしいという願いを込めて店名を名付けた

3.幅広い年代のお客さまに応え続けられるよう、確かな技術力・接客力・人間力を育て、愛される店を作った

取材中は少し緊張されていましたが、一言ずつ丁寧に答える様子に芯が一本通った真面目なお人柄が感じられました。この誠実さが周りのスタッフやお客さまからの信頼を得て、お店の人気にも繋がっているのではと思います。美容室の拡大を考えている方や、スタッフの人材育成をさている方は参考にしてみてはいかがでしょうか。

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Salon Data

middle daikanyama
住所:東京都渋谷区猿楽町24-1 ROOB2 2FA
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