SNSの成功で最高月間売上1,000万円!顔まわりの似合わせ術が人気の秘密【Tia.表参道 青山 代表/大和たくみさん】#1

スヌーピー巻き、前髪黄金比率…。インスタで次々とトレンドワードを発信し、最高月間売上1,000万円という記録を持つ人気スタイリスト・大和たくみさん。顔まわりの似合わせを得意とし、「前髪の神様」として多くの女性から支持を集めています。

今回の企画では、大和さんが現在の人気を確立するまでのストーリーをご紹介。前編では、SNS集客に関するお話を中心にお聞きしました。

【お話を伺ったのは…】

Tia. 表参道 青山 代表 大和たくみさん

奈良県出身。大阪の美容専門学校を卒業後、都内有名店勤務を経て独立。SNSを活用した集客が成功し、最高月間売上1,000万円以上という記録を持つ。2022年6月には「Tia. 表参道 青山」をオープン。

好敵手がいたからこそ成長できた下積み時代

――これまでのご経歴を教えてください。

地元・関西の専門学校を卒業後、ZACCへ入社しました。7年ほどお世話になったのち、フリーランスでの活動などを経て、29歳の時に「Noa.」を立ち上げました。こちらの「Tia. 表参道 青山」は、今年6月にオープンしたばかり。ZACC時代の同期である“はるはる”(遠井春彦さん)と、共同経営しています。

――有名サロンで過ごした20代はいかがでしたか?

厳しくて大変だったけれど、充実した毎日でしたね。センスと実力のある人たちと出会えたおかげで、今の僕があると思います。

中でも、経営のパートナーである“はるはる”とは、ライバルとしてずっと切磋琢磨してきた間柄。アシスタント時代は、数を競い合うようにしてモデルハントに明け暮れる毎日でした。常にお互いの動向を気にしていて、「あいつ、今日2人もモデル呼んでんじゃん。明日は絶対負けられない!」みたいな(笑)。

ただ、モデルハントをきっかけに集客や売上につなげるセンスは、僕より“はるはる”の方が圧倒的に上でした。アシスタントを卒業したのも彼の方が1年くらい早かったし、僕がデビューした後は、“はるはる”が先にインスタ集客へ成功するなど、売上の差はどんどん開いていく一方だったんです。

――ライバルに置いていかれるという現実に、挫けそうになることは?

いつも自分の一歩前を行くライバルがいたからこそ、売上を伸ばすための貪欲な努力ができたと感謝しています。“はるはる”に追いつくためには一体どうすればいいのか。彼にはない自分だけの武器は何なのかと、試行錯誤を続けました。

僕はデータを分析したり、他の人がやっていることを考察するのが得意なタイプ。この強みを活かすためにも、SNSに注力して差別化を図ることが、自分にとっての勝ち筋だと考えました

そこで、すでにインスタで成功を納めていた先輩からアドバイスを受けつつ、思いついたことはとにかくすぐに実践。修正を重ねながら、日々投稿を続けていきました。

SNS集客の成功までには紆余曲折が

――最初にSNSで手応えを感じられたのはいつでしょう?

2019年頃です。最初に大きな反響があったのは「#スヌーピー巻き」とハッシュタグを付けた、初心者向けの巻き髪動画でした。可愛らしく印象に残るワードと3分くらいで巻き終える手軽さが受けて、1日に1,000人ずつフォロワーが増えるような状況に。半年間で約3万人は増加しました。

――すごいですね!では売上も急伸したのですか? 

それが、フォロワー数こそ伸びたものの、継続した売上アップには直結しなくって。もちろん、以前に比べてお客様はかなり増えました。けれど、新規来店が頭打ちになるのも早かったと感じます。

というのも、いくら巻き髪動画を投稿しても、閲覧者はフォローするだけで終わりなんですよ。巻き髪は自宅でできる技術なだけに、わざわざ来店しようという消費行動に結びつかず、本来の目的である集客面では大きな結果を残せませんでした。

大和さんが躍進するきっかけとなった「スヌーピー巻き」

――そこからどんな風に投稿内容を変えていったのですか?

最初にバズったのは巻き髪でしたが、もともと僕の得意なスキルは前髪カットと縮毛矯正です。せっかく増えたフォロワーを顧客化するためにも、顔まわりの似合わせで勝負しようと思い、投稿は徐々に技術寄りの内容に変化させていきました

けれど、巻き髪動画がきっかけの新しいフォロワーというのが、学生さんなど10代〜20代前半の若い女性が中心だったんです。美容院へあまりお金をかけられる世代ではないため、いくら縮毛矯正の上手さをアピールしても、彼女たちがなかなか足を運ぶには至りませんでした。

そこで、とにかく来店の第一歩をつくりたいという気持ちで、前髪カットを前面にアピールした投稿をメインにしてみたんです。

――前髪カットだけなら、学生さんもお小遣いの範囲内でサロンに来られますしね。

そうなんです。僕の中では「前髪カットを契機に、長いお付き合いのお客様になってもらえれば…」なんて腹づもりでいました。でも、現実はそう甘くはなかったというか(苦笑)。

インスタを見たフォロワーさんが押し寄せ、1日の予約枠が前髪カットのお客様だけで埋まるという事態になってしまったんです。現在は前髪のみの新規予約はお断りしていますが、当時はそのせいでリピーター様の予約が入れられなくなり、売上面で見ると本末転倒という痛い思いを味わったこともあります。

――意図した通りにならないジレンマを感じるお話です。

ただ、顔まわりの似合わせについてアピールを重ねたことで、前髪が得意なスタイリストとして認知されたのは狙い通りでした。

フォロワー数は順調に伸び続け、「シースルーバング」や「前髪黄金比率」といったワードで検索上位に入るように。また「前髪の神様」としてテレビを始めメディアに取り上げられる機会も増え、独立後は指名売上が1,000万円を超えた月もあります

――すごい数字ですね!

目標の1つにしていた1,000万という金額を出せた達成感もありますが、それ以上に、たくさんのお客様が僕の元を訪れてくれるようになったことへ大きな幸せを感じます。どこの美容院に行っても思うような髪型にならないと悩んでいた方が、「大和なら大丈夫」と信じて来てくださっていることは本当に嬉しい限りです。

大和さん考案の縮毛矯正トリートメント。最高の美髪になるとSNSで話題に

顔まわりの似合わせ術への絶対的信頼感を確立!

――現在は、どういったお客様が多いですか?

20代後半から30代の女性がメイン層です。カットと縮毛矯正の方が大半ですが、細かい部分は「おまかせで」とおっしゃるお客様が多いのが特徴かなと感じます。

現在は予約の9割はリピーター様で埋まっていて、なかなか新規のご予約を入れることができないのが申し訳ないですね。

――おまかせオーダーに対して意識していることなどは?

僕の所に来る大部分のお客様は、髪質・骨格にお悩みがあって、今の自分の見え方に納得されていない方。どんなスタイルが似合うのか分からないからこそ、美容院でオーダーすること自体に難しさを感じてしまうと思うんです

そのため、おまかせオーダーするお客様はたくさんいるから安心してねというメッセージと、その期待に応えて大勢の女性を綺麗にしてきましたよという実績は、インスタで強くアピールしています。

また、施術動画や画像を見て来店してくださるため、どんな印象がお好みなのか・どんな風に見せたいのかを、ある程度共有した状態でスタートできます。そのため、相手が新規のお客様であっても、ピンポイントで「刺さる提案」ができると自負しています。

――再来率の高さが、大和さんの提案・技術に対するお客様の満足度を物語っていると思うと嬉しいですね。

いくら襟足や横から見たラインが綺麗に整っていても、やっぱり正面から見た自分の姿が決まっていないと、気分が落ちてしまうじゃないですか?だからこそ、前髪・顔まわりの技術を得意とする僕の元へ通ってくださっているのかなと思っています。


インスタを集客につなげる秘訣をお聞きしたところ、「人と同じことをやっても意味がない」と答えてくれた大和さん。誰かの二番煎じではなく、いかにオリジナルの見せ方・ワードを考えられるかが勝負だとのこと。常識に捉われない、自由な発想がカギとなりそうですね。

後編では、独立して共同経営するという道を選んだ経緯や、スタッフ育成への想いについてたっぷり伺います!

取材・文/黒木絵美
撮影/喜多二三雄

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Salon Data

Tia. 表参道 青山
住所:東京都渋谷区神宮前4-15-4YC表参道ビル201
TEL:03-5843-1454
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