悩みを解決する信頼関係がカギ!1日に2億円美顔器を売る美容家・佐々木江里香さん

テレビ通販の現場で大活躍中、YouTubeの登録者数が4万人超の美容家、佐々木江里香さん。前編では、営業マン時代にトップセールスに輝き、美容家に転身後は1日に2億円分の美顔器を売る「圧倒的なセールス力」の秘訣を伺いました。

クレーマーの気持ちを先に口に出す、顧客のニーズを掴んだ商品をおすすめするなど、様々な方法でお客さまと信頼関係を結んでいくことを意識していたのだとか。また、物が売れる理由・売れない理由を再現性のある内容にまで落とし込んで徹底的に理解しているということです。

今回お話を聞いたのは…

佐々木江里香(ささえり)さん

美容家。大学卒業後に、IT企業に就職。営業職でトップセールスを記録する。その後、マッサージ店に勤務。1日に500分の指名を得るなど、人気のセラピストとして活躍。エステティック国際ライセンスなど4つの資格を取得し、化粧品会社運営のエステティックサロンで勤務。エステティシャンとしてもトップセールスを記録。2017年には、ミセスコンテスト世界大会グランプリを受賞。

現在は、美容家としてテレビ通販番組などに出演中。自身がPRする美顔器の売上は、1日で2億円を超えることも。お茶の間の信頼を集め、圧倒的なセールスを記録している。また、YouTubeチャンネルは、開始1年で登録者数4.23万人、最高視聴回数は202万回と大人気チャンネルに成長中。

人は、寂しいからクレームを言う。不満を率先して口に出し、クレーマーをリピーターへ!

現在は美容家として講師業なども務めているが、キャリアの始まりは、意外なことに会社員だったそう

――佐々木さんは、美容家になられる前にいくつかのお仕事を経験されていると伺いました。

新卒で入社したIT企業には、事務員として採用されました。しかし社内はいつも忙しく、営業担当宛にかかってきた電話に、担当者が対応できないこともしばしば…。事務職だった私が代理で営業の対応をしていたところを見て、部署転換をされました。営業部では、1番のセールスを記録しました。

その後、会社が解散となってしまったことを受け、元々興味のあった美容業界を目指すことを決意。その資金を得るために、マッサージ店で勤務を開始しました。そこでは、1日に最大500分の指名が入ることもあり、手が腫れ上がるほどマッサージをしました。

――IT企業でも、マッサージ店でも、多くの人に支持を受けたのですね。支持された理由は何だったとお考えですか?

とにかく「お客さまを嫌な気持ちにさせない」ということを徹底しました。10年のキャリアを持つ人と並んだときに、営業やマッサージの経験が浅い私ができるのは「お客さまを嫌な気持ちにさせない」ということくらいだったんです。

また、クレームに対する対応が比較的得意だったことも、理由の一つかと思います。なぜ人はクレームを言うのかと考えてみたのですが、私は「人は寂しいからクレームを言う」のではないかと思ったのです。生活を営むなかでお客さまが抱えた寂しさがサービスの不備というきっかけで爆発するのではないかと考えるようになりました。

ですから、クレームがあるお客さまに対しては、一緒に問題を解決するという気持ちで、寄り添って接するよう心がけていました。具体的には、「こんなことが起きたら、不満に思ってしまいますよね。」という具合に、思っている不安、感じている不安を、私が先に口に出して伝えることを意識していました。

最初はお怒りだったお客さまも、この方法で納得いただけることが多かったように思います。さらに、私と問題を分かち合ったという信頼感から、リピーターになってくださる方もいらっしゃいました

会社の動きを変えるほどの売上創出 エステサロンでコスメの売上を伸長!

顧客にとって最適な商品を営業することで、顧客と強い信頼関係を築いていたエステティシャン時代

――マッサージ業で活躍された後は、エステティシャンに転身し、そちらでもトップセールスを記録したとお聞きしました。どんなことを意識してセールスされていましたか。

お客さまのニーズを理解し、必ず「その人の問題を解決できる商品」をおすすめするように心がけていました。例えば、お客さまが気に入らない商品を無理矢理に売ることがあれば、信頼関係を築くことはできず、きっと私から再びものを買うことはなくなってしまうと思います。ですから、施術中やコース選びなどを見て、お客さまの悩みを把握し、その解決をできる商品をおすすめしていました。

――お客さまとの「信頼関係」を大事にされたのですね。ほかにも何か工夫をしていたことはありますか?

勤務していたエステサロンでは、メイク用品も販売をしていたのですが、エステという場所柄動きが良くない状況でした。そのため、多くの社員がスキンケアの営業を強化していたのですが、私はあえて、スキンケアよりも単価が低めのコスメに着目したのです

エステ終わりのお客さまにメイクを施すサービスを独自で始めたところ、これが大好評になり、コスメの売上が急増しました。「エステでメイクアイテムが売れるのか!」と、社内で評判になり、営業活動の一環として、顧客向けのメイク講座を実施するようになったのです。会社の流れが変わり、嬉しい瞬間でした。

コスメは低単価ですが、私が勧めた商品がお客さまにとって良いものであれば、信頼関係が生まれます。そうすれば次の機会に、比較的高額なスキンケアアイテムを購入するチャンスが生まれると思ったのです

――エステティシャンをされている方のなかには、商品を営業することが苦手な方も多いようです。そんな方々になにかアドバイスはありますか?

まず、「ものを売ること=悪いこと」ではないと思ってほしいです。お客さまがエステに来る目的は、美しくなりたいから。であれば、たった1回のエステでお客さまは目的を叶えられるのか考えてみてほしいと思います。

エステに来て、アドバイスを受けて、それを日々実践することが大きな改善を生み、目的を叶えることができるというのが私の考えです。もし、アドバイスを実行するために足りないアイテムがあれば、おすすめをするというのは、私は悪いことではないと思います

また、自分なりの「強み」を見つけておくことも、おすすめです。「美白」や「ダイエット」、「健康」など自分が興味のある分野を見つけて、アピールしておくと、お客さまがその悩みを抱えたときに相談しやすくなるというメリットがあると思います。

「なぜ売れるのか」を徹底分析 「いつでも売れる自分」へ

商品の魅力が最大限伝わるよう、商品の特徴や売れている理由を徹底的に分析し、テレビ通販でのPRに生かす

――ささえりさんは現在、テレビ通販の場でも大活躍されています。担当された美顔器は1日で2億円分売れたとお聞きしましたが、どんなことを心がけてセールスされていますか。

テレビ通販は、エステサロンのように目の前にお客様がいないので、ニーズを聞き出すことができません。ですから、始めたばかりのときはとても困りました。

でもあるときから「TV通販も、対面の営業と変わらないのでは?」と思うようになりました。「よーし!売り込むぞ!」という気持ちで出演するよりも、カメラをお客さんだと思ってお話できたときのほうが、商品が売れるんです。

具体的な工夫としては、商品の特徴を把握した上で、その商品で解決できる「お悩み」を考えるんです。例えば、毛穴をきれいにする美顔器の宣伝を4年ほどしているのですが、「冬は乾燥するから、保湿を頑張りますよね。でもなんだか水分のノリが悪い…。なぜだか分かりますか?実は、角質がついているんです!その角質を落とせるのが、この美顔器なのです!」という悩みを解決するストーリーを考えて、お話するよう心がけています

また、商品が魅力的に見えるような言葉を学ぶために、女性誌を数多く読み込んでキラーワードを探したりもしましたね

――なるほど。訴求したい商品軸でお悩み解決のストーリーを考えるのですね。その他にも意識されていたことはありますか?

テレビ通販の番組をひたすら見て、「なぜこの商品が売れているのか」「なぜこの商品の売れ行きがイマイチなのか」を考えることもしていました。
例えば、布団の売れ行きがイマイチなのだとしたら、「綿の見せ方をもっとこんな風に工夫したほうがいいのでは?」など、ひたすら改善点を考えていました。

私は、「なぜ売れているのかの理由がわからない」と、いつかものを売れなくなるときがくると思っているんです。だから再現性を持たせられるように、「売れる理由」「売れない理由」を具体的に理解するように心がけています


佐々木江里香さんが、美容アイテムをセールスするための3つの極意

1.クレーマーが抱える不安や不満を自ら率先して口に出し、気持ちに寄り添った

2.お客様のニーズに合った商品をおすすめし、信頼関係を作ることでリピーターを創出した

3.再現性を持たせるために、商品がなぜ売れるのか・売れないのかの理由を徹底的に考察した

後編では、現在佐々木さんが熱心に取り組んでいるYouTubeやSNS運用に関するお話を伺います。Instagramではご自身のファンづくりのために、必ず自分を撮影した写真を入れているのだとか!また、登録者数が4万人を超えるYouTubeは、「難しい知識を、やさしく伝えること」を意識して運営中とのこと。試行錯誤中とのことですが、「視覚でメリットがわかりやすい動画」は人気になりやすいと感じているそうです。後編もお楽しみに!

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